無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
日中の関係は、古来、ほぼ疎遠であった。経済的な交流は盛んでも、相互理解は進まなかった。現代の日中関係を形容する際に「政冷経熱(経済面では交流が盛んなのに、政治的関係は冷淡であること)」と表現されることがあるが、そもそも千五百年間、日中間はずっと政冷経熱であったともいえる。遣唐使とは、少なくとも中国の側からすれば「敗戦国」からの朝貢使節に過ぎず、この時代、日本は東アジアから隔絶していた。江戸時代になると、寺子屋で漢文を庶民に教えるなど「漢語化」の傾向がみられるものの、中国文化を全面的に信頼することはなかった。一方、近代中国が西洋文明を学ぶ際、原文ではなく「和製漢語」を通じてその概念を把握しようとした。ゆえに彼らは西洋文明の本質を理解しなかった。そもそも和製漢語を生んだ日本語と日本に対する理解も、表面的なものに過ぎなかった――。サントリー学芸賞受賞者が、最新の研究成果を踏まえて真摯に綴る一冊。
...続きを読むPosted by ブクログ 2015年11月15日
日中関係が難しい局面にある現在において、過去の日中関係を振り返り、中国に対する「完全な認識」を得ようとすることは意義あることであると思われる。その点で、本書は、古代から近代までの日中関係の歴史を大局的に把握できる良書である。ただし、本書ではあえて1920年代以降の日中関係に触れていないので、その部分...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年11月01日
日本が中国の影響を一番受けたのは江戸時代だというのが驚き。でもまぁそうだろうなと思う。律令制にしたってほんの上っ面だけ真似してすぐに形骸化してしまったし。儒教だってずいぶん前に入ってきたはずなのに江戸時代になるまでは為政者の間にすら広まらなかった。もういいかげん、中国の日本に対する影響を過大視するの...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。