岡本隆司のレビュー一覧

  • 中国の論理 歴史から解き明かす

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    世が「嫌中」一色となる中、中国研究者である著者は、自身も中国・中国人が好きか嫌いかと問われれば「嫌い」と答えると言う。
    その一方で、こんなにおもしろくて興味をかき立てられる国はないとも言う。
    そして、そのおもしろさの源泉を歴史からのアプローチで紐解いていく。

    中国的な史書のあり方は「紀伝体」、人物本位で書いた歴史。
    客観的事実ではなく、個人個人の事績でドグマを説明しようとする。
    その根底には儒教的な思想がある。

    そして、上下分離の社会構造。
    かつての貴族制は、唐宋以降、科挙を土台にした官僚制へと変わる。
    いずれにしても、「士」と「庶」の厳然たる峻別が社会構造を規定する。

    さらに、独特の空

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    2019年01月06日
  • 近代日本の中国観 石橋湛山・内藤湖南から谷川道雄まで

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    近代日本の中国観と区切っているのは戦後のそれが階級論一色に染まったつまらないものであるという著者の評価を端的に表したタイトルなのだろう。谷川道雄は戦後世代であるが、面識のある京都学派の最後の系譜として登場させた様である。歴史学者がイデオロギーに依拠した論述を行うことの是非は最早中国史界隈では決着が着いた感があるのだが、戦後のつまらない時期は支敗戦や新中国で突然生じたものではなく、戦前戦中のマルクス主義史観が東洋史に及ぼした影響を軽視すべきものではなかろう。むしろ戦争末期に徹底弾圧され消滅した反動が戦後に「歴史認識の正しさ」という印籠を得て復活したとも言える。現在日本ではほぼ消滅したマルクス主義

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    2019年01月01日
  • 中国の論理 歴史から解き明かす

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    ・儒教は個人主義。儒教を軸にしていくと、紀伝体(天子の記録と個人の伝記を中心に編むもの)になるのは自然な流れのように思えるが、それが「歴史」として正しいかは疑問が残る。日本人が思う正しい史実と、中国にとっての「正史」は昔から違うものなのだ。
    中国を統一するものこそが天子、それこそが正統とする中国。ありのままの史実を第一とする日本。ここに差が生まれることになるほどと思った。
    ・貴族たちの支配から科挙制度に変わっても結局士と庶の溝は埋まることはなかった。
    ・その後の時代も「華」「夷」として社会的に分けられていた。
    ・18世紀後半、イギリスとの貿易でも、清国はイギリスを野蛮人(外夷)として扱った。イ

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    2017年11月10日
  • 日中関係史 「政冷経熱」の千五百年

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    日本が中国の影響を一番受けたのは江戸時代だというのが驚き。でもまぁそうだろうなと思う。律令制にしたってほんの上っ面だけ真似してすぐに形骸化してしまったし。儒教だってずいぶん前に入ってきたはずなのに江戸時代になるまでは為政者の間にすら広まらなかった。もういいかげん、中国の日本に対する影響を過大視するのはやめたほうがいいのかも。日清戦争前後を記述した部分(李鴻章が国際情勢や日中関係をどう捉えていたか等)がよく書けている。

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    2015年11月01日
  • 袁世凱 現代中国の出発

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    中国近代史について何も知らなかったことに愕然とした。現代の中国と日本の関係の根っこにあるこの時代の両国の出来事をなぜこれほどまでに無関心で無知であったのか。

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    2015年05月17日
  • 袁世凱 現代中国の出発

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    気を見るに敏な人物であったということか。
    あまり知らない中国現代史ですから、袁世凱の悪い評判もよく知らなかったのですが、著者の嫌悪感はきっと、信念を貫く・・・という姿勢が袁世凱にはないからなのでしょうか。

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    2015年03月12日
  • 李鴻章 東アジアの近代

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    督撫重権は著者の造語のよう。近代にはいり巨大化、複雑化した中国を独裁的な集権で統治することはもはや不可能となり、軍権をももつ実質的な統治は各地方単位となり、それをシンボリックに結わえる北京という清の統治の状態をさす。
    垂簾聴政と督撫重権、すなわち中央と地方のバランスのなかに李鴻章の立ち位置があった。
    清末を概観する良書なれど、誤字脱字が目障り。岩波といえども校正に人員をむけられないのかしら。

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    2013年01月30日
  • 世界のなかの日清韓関係史 交隣と属国、自主と独立

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     書題は「日清韓関係史」だが、実質的には16世紀から20世紀初頭までの朝鮮国の対外交渉史。特に19世紀後半の「属国自主」路線をめぐる清朝間のせめぎあいに紙幅を割く。

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    2012年07月25日
  • 李鴻章 東アジアの近代

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    これほどまで清朝、明治期の日本に関わった人であるのに、知名度はいまひとつ。権力に限りなく近いにもかかわらず、事務屋であり続けたのだろうか。

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    2011年12月28日