岡本隆司のレビュー一覧
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太平天国の乱を鎮圧した湘軍の長、曽国藩の生涯。科挙エリートが騒乱を通じて、私兵をまとめ上げて中興の名臣までなる姿が描かれる。中興の名臣とはいえ、与えられた役割を全うしたに過ぎないと思えた。軍事は軍事指揮は振るわず、北京との関係も微妙と苦労は絶えない。また、西洋と現実的に付き合うと、郷紳ら在地エリートからの評判も悪い。
中国ではよくあることだが、政治的立場によって、死後の評価が著しく変わった。現在の共産党下では、農民運動と評価されている太平天国を鎮圧したことや、蒋介石が高く評価してたことで、否定的に取り扱われている。
同じ著者の岩波新書で出版されている、李鴻章や袁世凱は読み応えがあったが、業績の -
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中華思想から、つまるところ我のみが正しい。我以外は、間違っている。
とは言っても現実には相対的なもので不安定だから、我が正しいことを証明し続けなければならない。ぶっちゃけ、間違いを認めるわけにはいかない。無謬の存在であることを、暴力を使ってでも認めさせ続けなければならない。
だから、今度は暴力革命でぶっ倒されるんだな。倒した方が正しいという、究極の野蛮な後付けだ。
元々、国民国家に馴染まないところに、華夷体制ではまあ、国交のあるところを中華からしたら、属国とか属地とか失礼に言ってたのを、国境線を考えるときに、本来の意味と変わっているはずのその言葉を盾に、うちのもんじゃと言い張ってるわけだ。
著 -
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「中国四千年の歴史」(←かつてのCMで言っていた)を一冊でざーっと概観しようという本。
最近、世界史を復習しようと思っているのだが、世界史の教科書というのは、国や地域が変わるたび、時代を行ったり来たりするので、通史がわかりにくい。
それで、各国史や「タテ読み」の世界史本が流行っているようだ。
手始めに、まず中国史を読んでみる。
この一冊で、たしかに現代までの王朝の移り変わりはわかる……のだが、やはり地名・人名の羅列で、途中ちょっと……いや、かなり……眠くなってしまった。。。
ある程度、それらが頭に入っている人なら、効率的に復習できるかもしれない。
数十年前に受験生だった私のさび付いた記憶では、 -
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紀元前から現在までの中国の通史のシリーズ「中国の歴史」第5巻(最終巻)。最終巻は、清朝の始まりから現在までの通史が書かれているが、通史のため教科書的に事実を中心に解説されているため、それぞれの内容は薄い。残念ながら、岡田英弘氏や宮脇淳子氏の著作ほど興味がわかなかった。
「自らを「支那人」、自国を「支那」と呼んだ。China/Chineを漢字に置き換えた語であり、西洋人・日本人が当然と考える国民国家を含意する。だから当時の「支那」とは、まったく差別用語ではない。清新なニュアンスをもった新語・外来語であった」p161
「「社会主義市場経済」とは、依然として「社会主義」を信奉する共産党が、政治を