岡本隆司のレビュー一覧

  • 世界史序説 ──アジア史から一望する

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    西洋の視点から語られがちな“世界史”を、アジア史から見つめ直すという内容。気候変動や遊牧・農耕・商業の交流や影響について文字を追う内に、現代社会がどこから来て、どこへ行くのかを考えさせられる。

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    2019年01月24日
  • 歴史で読む中国の不可解

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    磯田道史さんの「無私の日本人」を読んでいて、1808年のフェートン号事件の段階で、佐賀藩は鎖国当時からして「捨て足軽」という戦術を採用しようとしていたことを読んで驚かされた。英軍艦との圧倒的戦力差を知り、爆弾を体に巻き付けてみんなで自爆しようというどう考えても「神風特攻隊」の源流となる戦法である。磯田道史さんの「無私の日本人」や「武士の家計簿」には日本の官僚的責任回避の意思決定法(意図的に誰が最終決断しかわからないようにするたらい回し政策)が数百年に渡って根付いたものだと感じさせられ、数百年に渡って染み付いた「歴史の重み」は今の日本人にも多大なる影響を与えていると思うようになった。「捨て足軽」

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    2018年11月21日
  • 世界史序説 ──アジア史から一望する

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    東洋史家の手になる「アジア史から一望」した世界史概説書である。
    学校教育以来、西洋史中心の世界史に馴染みが深い私にとっては、大変新鮮な視座を提供してくれる快著だった。

    近年、世界史のトレンドとして「グローバル・ヒストリー」の名の下に、西洋史家も自分たちの西洋中心史観を反省して、アジア史にも目配せした世界史の構築に勤しんでいる。
    著者自身も、人類全体の歴史を構想しようというその姿勢自体は歓迎なのであろう。しかし、著者に言わせると、グローバル・ヒストリーの担い手たちは、あくまで西洋史の成果から脱却できていらず東洋史の成果を顧みもしないで、間違った分析ばかりしている、とかなりお怒り。その偏向を正す

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    2018年10月05日
  • 世界史序説 ──アジア史から一望する

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    近年,グローバル・ヒストリーなるものが流行っているが,それに対する違和感をずっと抱いてきた。本書は,この西洋中心史観を脱却して生態環境など世界に共通する対象・問題を積極的に取り込み,世界史を描こうとする,最近学界で流行している方法であるグローバル・ヒストリーを「その視座・概念やデータの蒐集・使用などは,まったく西洋史の基準・方法そのままであって,それを無前提・無媒介・無批判に拡げただけである」と厳しく批判し,アジア史の個別的史実から歴史像を組み立てなければならないし,そうあるべきだと主張している。まさに同感である。

    新書というコンパクトな書物の中で世界のダイナミックな動きを明快に描き出す筆力

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    2018年07月13日
  • 叢書 東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ

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    叢書「東アジア近現代史」の第1巻として、豊臣秀吉の朝鮮出兵から日露戦争に至る清朝の歴史を通観。
    著者も指摘するように、明朝の一元的な秩序・イデオロギーに抗して、多元勢力の強体制をつくりあげたものの、やがて画一・同化を強いる「近代」の到来に呑み込まれ、存在理由を失い去った清朝の歴史は、現代の東アジア情勢を考える上でも、みつめなおすべき歴史であろう。
    著者の広博な研究成果を濃縮した本書の内容自体も非常に優れたものだが、著者の文体も、宮﨑市定などの過去の大東洋史家を彷彿とさせる名文で、それも素晴らしいと感じた。

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    2017年12月18日
  • 叢書 東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ

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    清は満洲人の国でありながら、明代の漢人の支配体制を利用し、新疆も含め、間接的な統治というか、連邦国家的な支配体制だったと理解しました。
    やはり華夷秩序の思想が連綿と続いていることも分かりました。

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    2017年07月23日
  • 中国の論理 歴史から解き明かす

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    隣国中国の「論理」を理解するためには、歴史に学ばなければならないが、日本人の中国に対する歴史認識には心許ない部分がある。本書は中国の「論理」を、謎の国・中国の「史学」(儒教と史書という大枠)、社会と政治(士と庶の分別)、世界観と世界秩序(天下と華夷)という視角から定位を試み、そして「近代の到来」、「「革命」の世紀」と直近の歴史を分析する。

    Ⅰ〜Ⅲ章が基礎編、Ⅳ章、Ⅴ章が応用編と言っても良いだろう。コンパクトかつ平易にまとまっていて学ぶところが多い。とくに近代に入って「西洋の衝撃」を受けてからの中国知識人の「附会(こじつけ)」の論理は、康有為 → 梁啓超 → 陳独秀へと明快に整理されており、わ

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    2017年01月22日
  • 近代中国史

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    非常に面白かった。専門書ならあるのだろうけど、こういう視点での中国史は読んだことがない。
    経済に詳しくなくてもわかりやすいと思う。

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    2016年05月10日
  • 袁世凱 現代中国の出発

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    袁世凱のイメージが変わった。確かにこれまでのイメージは幼稚な見方だという気がする。
    あと、文体がとても好き。

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    2015年04月28日
  • 近代中国史

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    Ⅰ.ステージ、Ⅱ.アクター、Ⅲ.パフォーマンス、Ⅳ.モダニゼーション の四部構成で中国社会の環境、社会構造、そして明清代の「伝統経済」の実態、最後になぜ中国の近代化がヨーロッパや日本と異なる形になっていき、今日の中国社会を形成していったかについての展望が示される。

    全体を通じて「官と民」、「士と庶」に分断された「二重構造」が中国社会の大きな特徴をなし、同時に「地域」ごとのアウタルキーと地域間における決済通貨の重要性、さらにその通貨が外国貿易と結びついたときの変容がクリアかつシャープに叙述されている。

    現代の中国を理解する上でも「経済史」の視点が非常に重要なのである。

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    2014年07月07日
  • 李鴻章 東アジアの近代

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    明治初期の東アジア情勢を説明するとき、常に朝鮮半島や琉球をバッファーゾーンとすべく立ち振る舞う日本の観点から見ることが多い。その一方で本書は朝鮮半島や琉球を清から奪う日本という形で、李鴻章から見た東アジアの姿を描く。
    そこには日清で条約を結びながらも、一方的に琉球を編入し台湾に軍事動員をする倭寇のように脅威を伴った日本がいる。
    李鴻章から見た東アジアの近代を新しく感じてしまうのは、日本から見た近代史にあまりに慣れすぎているからだろう。

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    2014年05月30日
  • 近代中国史

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    少々堅苦しく言えば、大変勉強になりました、という本です。でも、表現や記述はそれ程堅苦しくありません。「近代中国史」という表題ですが、近代中国経済史の観点から整理した中国社会構造の変遷と近代化の特質、とでも言ったような内容です。商業が古くから発達していたにもかかわらず、自然条件、地理的条件に制約された経済体制により、西欧的な近代国家になれなかった経緯を分かりやすく説明されています。これからも、否応なく中国と付き合わざるを得ない日本人として、大変参考になる本です。貨幣の歴史と本質についても考えさせられるところ大でした。

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    2013年12月27日
  • 李鴻章 東アジアの近代

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    清代、清末の中国を知らねば、現代の中国を理解することは不可能である。そして、その時代の巨人、李鴻章その人を知ることは、東アジアの近代を理解するに不可欠である。本書は新書というコンパクトな書物ながら、この李鴻章という知られざる巨人の生涯を辿りながら、中国が近代化の道を歩み始めた19世紀後半の東アジア世界を描き出す。

    李鴻章はエリート官僚である。清朝の最盛期であれば、出世はしたであろうが、平凡な人生を歩んだかもしれない。しかし、時代はそれを許さなかった。外国勢力と渡り合いながら、洋務運動を推し進め、淮軍を率いて太平天国の乱を平定した。近代国家を官民一体となって進める日本をいち早く警戒しつつも、日

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    2011年12月20日
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史

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    流れがわかって面白かった。
    短い本なので、全体的にさらっと扱った感じ。
    もう少し文化や生活面の描写もあると良かったかなぁ。

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    2026年01月26日
  • 中国史とつなげて学ぶ 日本全史

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    audibleにて。日本の文化の多くは中国経由で入ってきてるから、中国史とつなげて日本史を見る視点はとてもいいと思った。特に日本の富国強兵の時代と清朝の没落の時代は比べごたえのある局面だと思う。

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    2026年01月25日
  • 倭寇とは何か―中華を揺さぶる「海賊」の正体―(新潮選書)

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    倭寇の本質として「華夷同体」という構造を見出し、「倭寇」的なものは、狭義の倭寇収束後も中国史の中でたびたび立ち現れているということを論じている。
    近世・近代中国史を「倭寇」という観点で読み直すような試みで、知的面白さがあった。
    著者の文章を悪文と指摘する向きもあるようだが、個人的には、昭和以前の歴史家のような、漢文の教養を感じさせる味のある文体だと思う。

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    2026年01月08日
  • 二十四史―『史記』に始まる中国の正史

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    あるようでなかった本。中国正史24の全体の概略を記す。だいたいわかっていた話が少し。大半は初めて知る。正史とは言っても皆それぞれ事情が異なる。
    手元に置く辞書のような本になるか。
    付録の日本の訳書、解説書の解説がいい。ただあまりに訳書が少ない。残念なことである。

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    2025年12月16日
  • 倭寇とは何か―中華を揺さぶる「海賊」の正体―(新潮選書)

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    ネタバレ

    華夷同体を視座にして倭寇どころか習近平まで貫き通した、なかなかワクワクさせられた本。
    しかし、もう少し読みやすくできたのではないか

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    2025年12月02日
  • 教養としての「中国史」の読み方

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    日本人と中国人の考え方の違いを指摘しながら、中国の歴史を紐解く。中央集権の制度、単位、儒教について、民族と文化の変遷など。特に面白かったのは科挙の徹底化(初期は登用の目的だけだったが、次第に官吏になるためには全員科挙に合格しなければならなくなったこと)が結果として貴族がいなくなって、皇帝の権力が増す結果を招いた事とか、清の時代になって民衆に命じたことは辮髪になることくらいだったけれど、それは満州人の少なさを目立たせないためだったとか、満州人が漢人化していって漢語をしゃべるようになったこととかだ。

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    2025年11月20日
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史

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    全体的に堅苦しい文体でなく、語り口調なので読みやすい。
    各時代ごとに認識していた中国史を通して理解できた。

    世界史と繋げて、と書いてあるが、中国の各王朝がどんな外的要因でそうなったのかが書いてあり、そこは分かりやすいが、そこまでがっつり世界史。
    というほどではない。
    地球の気候変動で、遊牧民が南下してくることにより王朝の様子が変わるのというのが主かもしれない。


    P85「則天武后は、中国史上唯一の女帝といわれています。私自身はあまり関心がないのですが、興味を持った学生たちが色々調べて書いた論文によれば、確かにかなり面白い人物のようです。」

    関心のない内容を学生の論文から知り、面白く感じて

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    2025年11月19日