岡本隆司のレビュー一覧

  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史

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    人名はあまり出てこず、政治体制や経済などについて書かれている。中国史は一応知っているつもりだが、本書のような見方に出会い、目から鱗が落ちた。元を評価していておもしろい。本来中国は多元的な世界だったと。清のくだりは少なかったが、おもしろかった。

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    2021年12月17日
  • 一冊でわかる中国史

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    中国史全体のさわりを知るのにちょうど良い本、という印象。
    特定の王朝や人物、事件、文化について調べる前に全体の流れを知っておきたく、読みやすい本を求めていたのでよかったです。

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    2021年12月12日
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史

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    アジアの東西は繋がって、寒冷化・温暖化→農業生産性の増減、民族の移動を同様に繰り返し社会構造が変化。中央アジアの遊牧民が中国の歴史の重大なプレーヤー。モンゴルの力ではなく商業的交流によるグローバリゼーション。次は逆張りの明の漢民族純化。清の超小さな政府。南北の差から東西の差へ。地域分業・地域割拠から「国民国家」への苦闘。共産革命も含めた近代の革命も多元社会から国民国家を作るための方便。中国がなぜ「一つの中国」に拘るのか。そもそも多元的だから。西洋史観ではない見方が必要。私にも分かり易かった。良書。

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    2021年12月07日
  • 中国史とつなげて学ぶ 日本全史

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    非常に面白い。中国史と相対化されていることで、日本の形成され方、特徴がより立体的に見えてくる。細かい差異にこだわらず、ざくっと大きく時代をくくっているのもいい。歴史の流れに集中して理解できる。

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    2021年11月28日
  • 中国の論理 歴史から解き明かす

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    漢字を使い、その他文化も一見日本に似ているように見える中国だが、実際は全く違う論理をもとに動く国である。その論理を歴史から解き明かそうというもの。
    まずは史学から始まる。儒教は諸子百家の一つだったが前漢時代に勢力を広げて一種の国教となった
    中庸を重んじるように常識的であるため、一定以上の合理主義が育たない。そして自分を中心に上下関係で外界を整理する思想となり、平等といった概念が希薄となった。また、思想の具体例となる史学から正統といった観念が生まれ、例えば偽満洲国といった呼び方をするなど、建前が史実を動かすパワーを持ちうる。
    前漢からの安定した400年間の間に貧富の差や身分が生まれ、貴族制となっ

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    2021年10月05日
  • 一冊でわかる中国史

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    こんなに分かりやすく中国の歴史を網羅できる本は、今までで読んだことないです。
    日本の教科書も日本がひどいことをしたというような嫌日感情を植え付けるものでなくて、このようなフラットな立場で書いてもらいたいです。
    日本史を勉強している人は、こちらも読むと日本との関係性がよく分かると思います。
    文化大革命がどのようなものかイマイチ分かっていませんでしたが、読んでスッキリ理解できました。

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    2021年09月02日
  • 教養としての「中国史」の読み方

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    一気読みしてしまいました。「中国」という文字が作り出す意味。そして、なんと中国の本流は漢民族ではなく「胡漢一体」。冷静に考えれば当たり前ですよね。民族が入り乱れる大陸国家なのだし。筆者指摘のとおり、私も西洋史観で毒されていることを実感。大陸の両端で地球規模の気候変動が歴史に影響を与えてきた、という指摘は今風で魅力的。そして、とにかく、素人にも大変分かりやすく解説して頂き、ありがとうございました。

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    2021年08月07日
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史

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    黄河文明から現代までの中国史を大掴みできる良書。
    明朝を契機とする多元化と官民の乖離が、現代中国まで及ぶ構造的課題であると理解した。そして、漢人・満洲人・モンゴル・チベット・ムスリムそれぞれの在地在来システムをほぼそのまま活かして統治を行う、清朝の「因俗而治」というのはなかなかの知恵だったのだと思う。また、気候が世界史に大きな影響を与えてきたことも再認識した。

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    2021年07月31日
  • 腐敗と格差の中国史

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    宋のあたりから構造的に!続いてきた格差と腐敗であれば、そんなに簡単には片付かないのも納得ではある。でも、それでうっかり納得しているわけにもいかないのがスマホを持った民衆ではあろう。スマホはどっちに向かって効くんだろうか。国民総背番号制と行儀のよい中国人というのは、数百年ぶりの解かも。さて、そうなると情報改変にお金使うのかな。

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    2021年07月18日
  • 「中国」の形成 現代への展望

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    清朝から現代へ。「清朝なかりせば、東アジアの多元勢力をとりまとめ、平和と反映をもたらす事業はかなわなかった。」しかし、清朝滅亡後、中国の一体化に向かって突き進むが、「一つの中国」は実現せず、多元共存にも程遠い。今の中国は混迷の只中にあることがよくわかる。

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    2021年05月01日
  • 「中国」の形成 現代への展望

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    p105の図が衝撃的。私たちが「国家」というと、近代の国民国家を想定してしまうが、清が達成した盛世はそれとは全く違った社会であることがわかる。未だに、明が直面した課題に中国は格闘し続けているのだなぁと掴むことが出来た。清の「成功」は、「因俗而治」で、緩く統合することに成功し、平和を達成したこと。そこには、西洋から大量の銀の流入がインフレをもたらし、空前の繁栄をもたらした。
    p89「分岐」は、世界史としての問いを浮き彫りにしてくれた。現代にも通じる移民の問題。そして、なぜイギリスが「財政=軍事国家」として、資本主義を発達させることができ、同時期、同じように発達できる条件を備えていた清が、そうなら

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    2021年02月08日
  • 「中国」の形成 現代への展望

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    ほんとに、面白かった。中央と地方、漢人とそれ以外、いろいろな対立が日本に比べて大きくて、ため息が出る。大元ウルスが大日本帝国1941の地図なんだろうなあ。だとすると一衣帯水は本気で言ってるんだな。ようやく一衣帯水が少しわかった気がする。

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    2021年02月04日
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史

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    岡本先生の本は2冊目であるが、非常に読みやすい。
    平易な文章、展開、図説などを、利用して頭に残るように記述されているのではないかと感じる。

    中国史を理解する事で、日本史や西洋史観に対する認識を再確認した。

    何回も読む本になりそうである。

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    2020年12月12日
  • 教養としての「中国史」の読み方

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    通史かと思って適当に読み始めたら相当にヘビーな内容でとても面白かったです。
    大学で東洋史を勉強していたので、中国の歴史には親しんではいたはずですが、目から鱗というか。

    日本は中国文明の影響を受けて発展してきましたし、渡来人も来てたし、それなりに貿易もあり、何より書籍が大量に入ってきていて、中国のことはよく知っている…という思い込みが、確かに自分の中にもあったのかも。
    それで今の中国人は「日本人の知ってる中国人と違う」

    王朝時代と共産党時代で中国人が変わったわけではなく、もともと中国人はそうなんだ、と。確かに日本人は中国人のことを全く知らない。どんな考え方で行動し、何を信じ、何を大切にしてい

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    2020年12月10日
  • 「中国」の形成 現代への展望

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    清朝による分割統治と瓦解、割拠の中夥しい数の革命が巻き起こる混乱を経て現代中国にたどり着く過程がダイナミックに表現されている。
    秩序から混沌へ向かう要因は様々あり、教科書にある「アヘン戦争」「辛亥革命」など単一の事象で全てが一変したわけではないということがよくわかる。

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    2020年08月16日
  • 中国の論理 歴史から解き明かす

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    【そんな百年,中国の思考・発言・行動は,目まぐるしい転変をくりかえした。けれどもその経過を貫いていたのは,中国の言動を根底で枠づける社会構造,論理枠組の本質が,いかに変わらなかったか,という事実ではなかろうか】(文中より引用)

    思考の枠から中国を紐解いてみようという中国入門書。史書や科挙といったキーワードを元にしながら,いかにして中国が思考し,現実と直面したかを概観していきます。著者は,京都府立大学で教授を務め,近代アジア史を専攻している岡本隆司。

    大枠で中国という存在を捉えるのにうってつけの作品かと。しかもそれが平易な言葉で記されているというところがまた高評価を与えたくなる点。中国の論理

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    2020年08月10日
  • 中国の論理 歴史から解き明かす

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    理解しがたい隣人の行動を、歴史や家族観、文化の
    基盤まで掘り返して「あちらの論理」を平易に解説してくれる
    好著。
    戦略的に日本を悪者にしているというのでは
    説明がつかない、広範な反日感情や、
    やり過ぎて逆に中国の国益を損なうようなことが
    なぜ起きるのか、理解できた。

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    2020年07月25日
  • 「中国」の形成 現代への展望

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    岩波新書のシリーズ中国の歴史全5巻の完結編は、岡本隆司氏の「「中国」の形成 現代への展望」。扱われるのは、清代を中心に現代まで。

    16世紀から18世紀までの時代は最近流行のグローバル・ヒストリーでいう「大分岐」の時代に当たるが、著者はグローバル・ヒストリー学説に対しては、「アジアを端から異質で、落伍していた存在とみていた従前とちがって、確かに新しい。西欧中心史観の非を悟りはじめた西洋人なりの反省なのだろう」と一定の評価(?)を与えつつ、しかし、「経済指標に目を奪われるあまり、社会構成・統治体制のあり方に対する洞察に乏しいことがあげられよう」(pp.viii〜ix)と述べる。

    17世紀幕開け

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    2020年07月25日
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史

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    長い中国の歴史を、一気呵成に語り、
    現代中国を理解する視座も与えてくれる好著。

    朝貢外交が、明限定だったことなど
    これまでの思い込みを是正してくれた。
    国民国家体制でまとめるには
    多様すぎる国がどうなっていくのか。

    歴史を踏まえて今後の中国の動向を見てみたい。

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    2020年06月20日
  • 近代中国史

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    中国といふ国を考へるのに、非常に有益な本。多くの人に薦めたい。あとがきに、日本の中国研究は世界一の水準だとあつて、意外な感じがしたが、歴史的な日中の深い関係を想へば、当然か。教育が相変はらず欧米偏重で、自分を含めて、一般的な日本人の中国に関する知識水準が低いのが問題なのだらう。

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    2019年02月02日