恵三朗のレビュー一覧
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チーム医療
一部ご紹介します。
・「想像力は豊かなほうですか?ガイドライン通りの年数を待つことのできない患者が、彼女が今まで何を経て生きてきて、これからどう生きることになるのか、あんた想像できますか?」
・「腎不全の一番大きな合併症は、永遠に続く自制。何もかも一線を越えないように生きなくてはならない」
・「ありがとうございます。一緒に考えてくださって、臨床の先生と組んで向き合ってもらえてよかったと思えて。
…病理1年目で、岸先生みたいに信用してもらえてなくて、失敗もしてしまって、怖くて。
もう愚直にでも全部、臨床の先生に伝えて話し合ってもらうしかないって、ここに来たんです」
・「約束したのに、一晩かけても診断を出せませんでした。力を貸してください」
「貸すんじゃないだろ。源生さんは宮崎さんの患者で、泌尿器科(ウチ)の患者でもある。
診断が出せないのも、宮崎さんが未熟だからとは限らない。
現代医学で解けない問題はまだたくさんある。俺たちは普通に働いてるだけだ」
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ちゃんとした病理医
一部ご紹介します。
・「三原先生の診断に今まで私は逆らうことができませんでした。慈教大病院の中で私は完全にお荷物です。仕事もできない。世渡りも上手くできない、不器用な男なんです」
「『不器用な男』ねえ」
「そんな私が、岸先生と宮崎先生と話して、ちゃんと診断ができる、ちゃんとした病理医になりたいって初めて思ったんです。
東山さんの肝臓は、私には悪性の癌に見えました。私ももう間違えないでいきたいんです。
でも、今の環境じゃどうすることもできなくて。だから東山さんをセカンドオピニオンに…」
「『環境』ね。能力抜きにしても、あんた病理医として問題あるでしょ。
一柳教授の検体不適正騒ぎを起こして、バケケン技師の診断まがいに乗っかって、セカンドオピニオンで他院に患者を押し付けてね。
『環境に恵まれなかった』?
なら、10人の病理医が、あんたと同じ形で慈教の臨床病理に入ったとして、10人が10人、あんたと同じことしでかすんですか?
『ちゃんとした病理医になりたい』?
セカンドオピニオン仕込んだのが、あんただって誰も気付かなかったらどうするつもりだったの?筋が通ってないでしょう。
『不器用な男』?
むしろ器用にズルして誤魔化してるじゃないですか。
能力、境遇、環境以前に、伍代先生が何十年かけて築いてきた人間性の問題ですよ」
「…っ。それでも私は…ちゃんとした病理医になりたいんです」
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10割の診断
一部ご紹介します。
・「伍代先生、先ほどの言い分ですと、先生は癌を見逃しても構わないと思ってらっしゃる?」
「100%の正しい診断なんてありませんから」
「ありますよ」
「人間のやることに絶対なんてない」
「そりゃ、あんたが病理診断をただの絵合わせゲームだと思ってるからです。見た目だけじゃ白黒つけられない診断なんていくらでもある。
だから病理医は言うんです。『何故そう思った』『これではわからない』『確かめよう』『証拠を探そう』。臨床医と怒鳴り合いもする。
そして最後に、必ず病理医も臨床医も納得する診断にたどり着く。これが10割の診断です」
「それでも間違うこともある。どうしても診断付けられない症例もあるだろ」
「それはもう誤診じゃない。患者の病気が現代医療の限界を超えただけだ。伍代先生の診断とは違う。
あなた病理向いてないですよ。これからあなたに診られる患者が気の毒だ」
・「くだらないことかもしれないけど、私は本気で投げましたから」
「こんなことでよく本気になれるな」
「…私、どんくさくて不器用ですから。手を抜く方が疲れちゃうんっです。伍代先生が言ったことも、今回のことも、怒ったことも、絶対忘れません。明日もその先も間違えないでいきたいから」 -
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嘘がもたらす不幸
一部ご紹介します。
・「生きてて楽しかった。少なくとも悪くはなかった。彼にもそう思ってほしいんだよ」
・「噓をついても最後の瞬間には必ずバレるんですよ。そのことをずっと、後悔することになる」
・「嘘は人を不幸にするんだよ。親も医者も、みんなが君を助けようとしているのに、君は自分で遠くに追いやった。ひどいやつだな」
「うん。…ひどいね。みんなに謝らなきゃ」
・「本当に取り返しのつかないこと、そんなのこの世に一つしかない。最後に私は何もできなかった」
・「ハル君も嘘つきなんだよ。お父さんやお母さんに心配かけないようにとか、医者や看護師や同室の仲間にも、その瞬間、誰もが笑っていられるように、全部、自分の中に溜め込んで嘘つくんだよ」
「…そら悪人やな。二人そろいもそろって」
「…ごめん。…ごめん」
「…」
「…あかんよ、ごめんも言えへんくなったらどうするの?」
・「少しだけでも少なくしたかったんだよ。みんなが泣くのを」
「君は一人で泣いているのに?」
「…泣いてない」
「泣いてたじゃん、ずっと」
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告知
一部ご紹介します。
・「自分の症状を知らない患者に何をどう話せばいいんだろう。
もう使える抗癌剤はない。再発した小児固形癌は根治が難しい。
遠くない死を受け入れて、大事な時間を延ばすために治療をする。
僕は彼に本当のことを伝えるべきだと思う。
最後にみんなに嘘をつかれたと思ってしまうかもしれない。
たどり着けないゴールに走らせちゃだめだ」
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責任
一部ご紹介します。
・「なんで患者が死んだ後のことまで、医者がフォローしなくちゃならないんですか?
なんで家族の面倒まで見なきゃいけないんですか?一銭にもならないんです。今の制度下では医者の仕事じゃないってことですよ」
・「医者の仕事の半分は、無事に旅立たせることですよ。僕の仕事です」
・「プレッシャーにビビって退いちゃう病理医なんてゴミでしょ」
「…それは結局、病理医が自分に負けてるってことだ。患者もそんな病理医に命預けたくねえよ」
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推察
一部ご紹介します。
・「蹄の音が聞こえたなら、おそらく馬だ。シマウマのような珍しい動物じゃない。一番ありふれた病気から考えていけ、ということです」
・「患者は病気とどう戦ったか。もっと早く気づけなかったのか。剖検で分かることが、家族へのフォローになる事もある」
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次世代に向けて
一部ご紹介します。
・「感謝されたい、結構なことじゃないですか。きちんと仕事をこなしていれば、あなたの夢だの、心の中だの、患者にはどうでもいいことですよ。存分に感謝されればいいんです」
・「我々がどんな奴らで、何を大事にして仕事をしているのか、病理医を知ってもらうだけでも意味がある」
・「病理医に謝意を示してくれるのは、臨床医です。
いつか病院を出る患者さんと違って、臨床医は毎日病院にいます。じっくり何年もかけて、病理医は彼らと関係を作る」
「だから深い信頼が得られる?」
「そうなれたらいいですね。深い信頼を集める指針に私はなりたいです、って私なんかが偉そうですけど」
「…私、病理医になります」
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セカンドオピニオンの弱点
一部ご紹介します。
・「最初から無理だったんです。今の話だって、半分くらいしか理解できていません。そんな私が、先生方の意見を比べて判断するなんて」
「分からない事はいくらでもご説明します」
「そういう事じゃないんです」
・「あなたのおっしゃる通りですよ。結局、今の主治医の治療を受けるなら、要らない波風立てる必要はない。
それとも転院しますか?知ってる大学病院を紹介しましょう。
また初診からになり、治療は当然停滞しますが。骨髄バンクも登録し直しです。
また申請費と、ドナーの検査代で200万円くらいかかります。何のメリットもありませんね。
これは、息子さんの診断が今まで正しかった場合です」
・「もし、息子さんの診断が間違っていたとなった場合、これも、あなたのおっしゃる通りですよ。
二人のプロの意見が違ってしまったとなったら、あなたにはお手上げだ。そんなの素人に判断つくわけない。
セカンドオピニオンに行けば、正しい医療が受けられるなんて言うのは大きな誤解です。
もしプロの意見を判断したいのなら、自分が医大に入学しましょうか?
卒業までに6年、研修で2年、現場で5年もやれば十分でしょう。ざっと13年です。おまけに医師免許ももらえますよ。
でも、あなたは今、自分の意思で選ばなくてはならない。
セカンドオピニオンの最大の欠点は、選択の重荷を素人に背負わせてしまうことです。
リスクを伴わない選択なんて、どこにも存在しないのに」
・「状況に流されないでください。主治医の言葉に翻弄されているように見えます。
あなたは、まるで息子さんが人質に取られたかのように考えている」
「…はい、じゃあ、私はどうすれば後悔せずに済みますか?
「さあ?あなたの問題ですから。少し言い回しを変えてみましょうか?
何を選べば、失敗したときも胸を張っていられますか?」
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告発
一部ご紹介します。
・「副作用の隠蔽、誰だってわかる、やってはならないことだ。
だがしかし、アミノ製薬はリスクを承知で手を染めた。なぜか?罪を犯すリスクに倍するリターンが彼らには見えたからだ。
アミノ製薬だけじゃない。副作用の隠蔽が露見した製薬会社は、5社や10社ではくだらない。
そう、この事例はよくあることなのです。今、この瞬間も世界中の病院で、同じことが進行中だ。
この症例では患者は死亡しました。死後に剖検して、初めて見える壊死組織の冷たい色、苦しみに耐えながら患者が何を願っていたのか、アミノ製薬の連中は想像もできないのでしょう。
グローバル化による開発費の高騰、大手メーカーでさえも、一つの躓きでハゲタカたちに狙われる。
製薬会社はやがて考える。ミスはできない。
その考えが悪を生む。悪性で組織的に広がっていく癌と同じだ。
みなさんがた、臨床医の道具を守るためには、治療が必要です」
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答え合わせ
一部ご紹介します。
・「レアケースっていうのは、逆に言えば、”いつか必ず起こる”ということだからね。大事なのは、目の前の無駄に医者が心を折らないこと。
間違いは小さいうちに直せばOK。無駄と思われることを続けるのは大変だけど、やっておいてよかったと思える時が必ず来る。そう思えば、徒労に思える時間も君のためになる」
・「剖検するのは、医者を採点するためだ。答え合わせといってもいい。
診断は正しかったか、見落としはなかったか、治療は正しかったか、診療行為自体が患者の命を縮める結果にならなかったか。
臓器は雄弁だ。検査値やCTなどよりずっとな。だがね、もう何をやろうが、患者自身が生き返るわけじゃない。
じゃあ何のために?見ず知らずの未来の患者が、もう少しだけうまく治療される。
剖検される患者も、同意した家族も医者もそれだけのためだ。”未来の誰かの命のため”にだ。やった剖検には、必ず意味はある」
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見切り発車
一部ご紹介します。
・「病理の診断がつかないと治療に入れないんですよ」
・「状況証拠はそろっていると思われませんか?」
・「もう一回別の部位の組織を取れとおっしゃるわけだ?もう三回もやっているんですよ。検査自体も患者の負担になる」
・「…もう一回やりましょう」
「すいませんね、頭が固くて」
「ですが、患者は刻一刻と悪化の一途をたどるんです。迅速に治療に入れるように準備を始めます。…悪評通りでしたね。あなた、少しひどいよ」
・「これは提案ですが全身検索してみませんか?予想外の部位に大元の疾患がある可能性を、先に潰しておきたいんですよ」
「岸先生、もう患者にはクローン病の治療を始めました」
「見切り発車したことを患者には伝えてないと?」
・「信じてる?あんたらはいつもそうだ。真実を知っていながら、わざと誤解するように人を仕向ける。そういうのをなんていうか分かるか?噓っていうんだよ」
・「黙っといてやるからさ、お前のミス。だって良かれと思ってやったんだよね?早く治してあげたかったんだよねえ?そういう判断(見切り発車)してると、そのうち人(患者)を殺すよ?だから覚えておいてほしいなあ。いいかい?お前が医者である限り、僕の言葉は絶対だ」
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後悔
一部ご紹介します。
・「後悔するのは、今だったらもっとうまく出来るからですよ。その進んだ分を積み重ねたのが人生なんだって」
・「自転車に二人乗りしたの楽しかったです。秘密を明かし合うなんて恥ずかしい事したことなかった。癌になんてなりたくなかったけど、でも、いいこともありました。緩和に移るんです。その前に直接お礼を言えてよかった」
・「よくわかりませんけど、これからだって医者になれるんじゃないですか?それでも今の仕事を辞めないのは、今を気に入ってるからなんじゃないですか?」
・一曲だけ曲を書いた。あの子を助けた。たった一人だけど友達ができた。どうだい、十分でしょ? -
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無料のタイミングで是非!
入り口はドラマ化がきっかけでしたが、原作が至高でした。
こんなに何度も読み返して反芻することになるなんて…
病理について知るきっかけに出会えてよかった。