平谷美樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレゴミソの鐡次、二作目。
うすら怖かったのは、「お化け大黒」。
歳の市で売られているの大黒の木彫りの像を「盗め」ば、
福を授かるという噂。
ある侍が妻を大病から救うため必死で盗み、
無事治ったものの、隣の家の同僚の妻が急病で亡くなる。
上役が亡くなり、お役目が回ってくる。
出入りの商人が辻斬りで亡くなり、新しい商人が多くの付け届けをしてくる。
とうとう主君が亡くなり、
手放すために歳の市でまた盗ませる。
前作でも出てきた人形の識神を使う惣助が、
悪い気を集める仕掛けた罠だった。
鐡次の敵としては丁度いい感じだが、
名前をもうちょっとかっこよくしてほしい。
前作で死んだ同心が現れた「湯屋怪談 -
Posted by ブクログ
ネタバレ蘭学探偵第2弾。
蘭学探偵淳庵が、居候先の辰巳芸者の豆吉の浮気を疑って、
しょぼくれてしまう話が面白かった。
結局、全くの勘違いで、
旗本の父を亡くし墓参りしているうちに、
詐欺に巻き込まれていた話だった。
本当に余計なお世話かと思うが、
この話を1巻目にした方が良かったのでは。
登場人物たちに色がついたというか、
肉がついたというか。
あ、血肉が通った感じという表現が正しいのか?
トリュフ豚ならぬ、マツタケ犬の話も面白かった。
淳庵にはかみつき、
火盗改組頭になつくあたりは、さすが空気を読んでる。
それと、Armchair Detective の日本語訳は安楽椅子探偵ではなく、
炬燵 -
Posted by ブクログ
ネタバレTさんのおすすめ。
長崎生まれの蘭学育ち。
江戸に出て来たが、暴力沙汰を起こし、
学問で身を立てることも出来ず、
辰巳芸者の豆吉の居候になっている。
蘭学の知識を使って事件を解決していくが、
どうものっかれない。
タイムスリップして現代の科学技術で事件を解決する女十手持ちの話の方が、
よほど真実味がある。
いきなり女連れで沼津まで旅に出たり、
富士山を爆発する計画と話が大きすぎるのかもしれない。
船に乗って石巻にも出かけるし、
潜水船も登場するし。
どうでも良いが「仕舞屋」が、
商売をやめた店のことを差しているとは知らなかった。 -
購入済み
怪談とは言え
作者があとがきで記している通り、怖い話ばかりではなく、哀切な話、心温まる話なども収録されていて、
バラエティーに富んでいる。こういうのは、集めようとするのではなく、自然に集まって来るものなのだろう。これが最後と言いつつ、本書がシリーズ六作目。次回作が出るのも時間の問題か。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小禄の掃除之者の跡取り問題は、なかなか厳しい。
山野小左衛門の二人の息子も、嫌がっていた。
が、ここにきて長男、左馬之祐の様子が変わってきた。
初めは口も聞かなかった者だが、時折仕事の様子を聞いているように。
御書物蔵の蔵書が3冊行方不明事件。
浜御殿のお掃除お手伝いの件。
中奥の煤払いの中の、抜け穴事件。
江戸城の秘密や、当時の将軍の考え方と施設の管理などなど、興味深い三事件が起こり、長男も初めての煤払い見習いが二人の距離を縮める。
家族問題、跡取り問題、世代のギャップ、などなど現代にも通じる問題を絡ませた内容が、新しく面白い!