平谷美樹のレビュー一覧

  • 草紙屋薬楽堂ふしぎ始末
    久しぶりに、面白い物語に出会えた気がします!

    手にしたきっかけは、高田郁さんの推薦文のかかれた帯。平谷美樹さんは、はじめましての作家さんです。

    戯作者志願の金魚(きんとと)と、戯作で食べていくのがおっつかっつの、けっこうイケメン本能寺無念のいいコンビが、江戸で起こる不思議を気持ちよく解決していき...続きを読む
  • 草紙屋薬楽堂ふしぎ始末 唐紅色の約束
    金魚が主人公の話の間に、聞き書き藥楽堂波奈志として、脇役の人たちを主人公とした話が入り、さらに本編でも登場人物の過去や、これまで表に出てきていなかった設定が明らかになってきていて、ますます面白くなってきている。3つの短編のそれぞれで、金魚の煙管や煙草入れの趣向が違っていて、季節ごとのお洒落の様子も楽...続きを読む
  • 義経暗殺
     途中ちょっと中弛みしたけれど、面白かった。
     現代に残されている資料と通説の裏側を描いた歴史ミステリ。奥州藤原氏と源義経、源頼朝らの思惑や生き方を、平泉の文官が解いていく。
     覚悟をして死んでいくものの凄まじさを感じる。
    2018/12/10
  • 草紙屋薬楽堂ふしぎ始末 絆の煙草入れ
    シリーズ2作目というのは、1巻の雰囲気からそれほど変化がないかと思っていたら、大きく動いた。必ずしも1話完結でなくてもいいというのもあるが、何と言っても只野真葛という新キャラクターの存在が大きい。巻末の参考文献を見ると実在の女性らしい。真葛と金魚の推理対決が面白く、この後も登場してほしい。
  • 百物語 実録怪談集
     著者の主な執筆ジャンルは「SF」である。だが著者は同時に「視える」人でもある。
     これは、著者が三十年あまりにわたって体験したり蒐集したりした怪奇譚を、嘘偽りなく本当に百話収録した実話怪談集である……。

     このシリーズも大好きです。「視える」人でありながら怪異を受け入れつつも、本来SF畑である人...続きを読む
  • 義経になった男(一) 三人の義経
    4巻本なので臆していたけどめっちゃ面白本である。読み終わるのに時間かかったのはカバンの奥にしまいこんでしまった為。
    二巻目が近所の本屋に無くやきもき。買っておけば良かった。

    本書で平泉に目覚めました。すみません、遅すぎです。これから本書と並行していろいろ読む予定です。
  • 百物語 第十夜 実録怪談集
     毎年刊行されているシリーズの最新作である。筆者の在地が岩手県ということもあり、今巻にはあの「東日本大震災」前後に起きた不可解な出来事も収録されている。
     まだ震災の傷が癒えきらないこの時期にそんな話を出版するのは不謹慎だ。そう主張する方もいるかもしれない。
     だが以前にも紹介した、稲川淳二さんが語...続きを読む
  • エリ・エリ
    神の存在を疑問視する神父がとても新鮮だった。でも、神父じゃなくても私でもそう思う時がある。だからこの作品は惹きつけられた。SF作品だけど、読みやすかったな。何度も読みたい本かな。
  • 賢治と妖精琥珀
    宮澤賢治を取り巻く幻想活劇。最愛のトシが亡くなった半年後、農学校生徒の就職依頼で樺太に行こうとした矢先、妖精が閉じ込められた琥珀を譲り受け、ロシアの怪僧ラスプーチンに狙われ……。突飛な発想この上ないのに、宮澤賢治ならそういう事態に巻き込まれる可能性もありそうだと納得してしまえるからすごい。道中、常に...続きを読む
  • 貸し物屋お庸謎解き帖~五本の蛇目
    貸し物屋お庸シリーズ5冊目。

    相変わらず神様が出てきたり、亡霊が出てきたりだが、
    とうとう神楽家がお庸の背中を見たがる理由が分かった。
    女湯の中にまで人を送り込んだのは、
    背中に三つならんだほくろがあるかどうかを
    知りたかったためらしい。

    そのほくろが三連様、みづら様の証らしいのだが、
    お庸の家...続きを読む
  • 貸し物屋お庸謎解き帖~五本の蛇目
    能管の翁/魚屋指南/五本の蛇目/野分の後/湯屋の客

    何かを借りに来るのに訳ありの人。そんな人の出す香りをお庸は嗅ぐのかもしれない。単なるもの好きかもしれないけれど。
    それで救われる人がいるならよいのかな
  • 大一揆
    題名からは 「一揆衆と施政者の戦い!!」と思ったら、
    帯には「一揆衆波乱の行軍」とあり、行軍??

    知略を尽くすことで命を守り要求を認めさせる。
    う~~ん ここまで考えられない、自分には。
  • 貸し物屋お庸謎解き帖 桜と長持
    貸し物屋お庸シリーズ(出版で)5冊目。

    なるほどなるほど。
    ここでお庸に気のある蔭間の綾太郎が登場するのか。
    先に「百鬼夜行の宵」を読んでしまって、
    勝手に作り出した謎が解けた。

    綾太郎が登場する「遠眼鏡の向こう」、
    人情幽霊話の「子猿の面」「大歳の客」と
    結構面白かった。

    「大歳の客」では、...続きを読む
  • 貸し物屋お庸謎解き帖 百鬼夜行の宵
    貸し物屋お庸シリーズ。

    思いっきり読む順番を間違えた。
    裏表紙のあらすじの中の「第二弾」という字だけを拾って読み始めたが、
    あなたは誰? 守り袋って? 女中の話って?
    といくつもはてなマークを頭から飛ばしてしまった。

    それもそのはず、このシリーズはどうも出版社をまたいで、
    出ているらしい。
    通算...続きを読む
  • 鍬ヶ崎心中 幕末宮古湾海戦異聞
    作品の題名から、凄く重くて救いようの無い話かと思ったら、読後感は、意外と希望が持てるものだった。庶民は強い❗
  • 江戸城 御掃除之者!
    軽妙で楽しい、チームワークも見どころ。
    江戸城のお掃除担当のお仕事小説。
    大奥がらみの怪談風の話もあって、面白く読めた。
  • 九十九神曼荼羅シリーズ 百夜・百鬼夜行帖2 台所の龍

    付喪神の命名が面白い

    不思議な力はあるが冷淡でつっけんどんな武家風の言葉遣いのヒロインの人物造詣が面白い。万人向けの人物像にしないところに作者のこだわりを感じる。
    相方の佐吉は典型的な江戸っ子の造形。こちらは万人向け。
    前作に続きこの作品でも付喪神のネーミングが凝っていて面白い。
  • 慚愧の赤鬼 修法師百夜まじない帖 巻之二
    修法師百夜シリーズ第二弾。

    相変わらず、鐡次は影も形も出てこない。
    一番弟子を勝手に名乗って痛い目にあう佐吉と百夜で、
    話がテンポ良く進むので、
    別に登場してくれなくても良いのだが。

    大工の庄七のところへ勝虫ことオニヤンマが
    現れるお話「勝虫」が良かった。
    延命草と呼ばれた江戸の煙草の事情が知れ...続きを読む
  • 草紙屋薬楽堂ふしぎ始末
    出版社と新刊書店と古本屋を兼ねていた江戸時代の本屋が舞台、謎を解くのは作家たちという江戸物ミステリー

    深刻な殺人や犯罪では無いので読後感が愉快なのが良いです
    登場人物たちのキャラ立ちも良く楽しめました

    登場人物たちに個性があって、そのどれもが時代背景をしっかり落とし込んで出来ているのが分かって、...続きを読む
  • 草紙屋薬楽堂ふしぎ始末 絆の煙草入れ
    江戸の作家と版元(本屋)を主役と舞台に謎解きをするシリーズ2作目
    幽霊や妖の噂話、それは口伝の果てに不可思議になった人為的な謎
    その謎や犯罪を解き明かしていく女流作家の卵、金魚と仲間達の痛快劇

    実在の女流文学者、只野真葛も登場して、さらに賑やかに楽しくなった今巻
    強烈なキャラクターだった故に、仙台...続きを読む