平谷美樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
岩手と言ったら、新型コロナウイルス流行期の日本47都道府県で、感染者ゼロを長いこと記録していた県という記憶が強い私ですが、本作はお勉強になりました。
座敷わらし、大蛇、大百足など、いわゆる古風な怪談話は岩手に限らず、全国各地で語り継がれていると思います。一方で東日本大震災後の怪異は岩手の県民性が垣間見える話もあり、なんとも複雑な気持ちになります。
ついつい怪談話と聞くと肩に力が入って身構えてしまいますが、本作冒頭の「怪異を書くことは供養にもなる。」に背中を押されて、最後まで読むことは出来ました。振り返ってみると怖さより、そういう怪異をどう捉えるか考えさせられる作品だったかなと感じます。
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Posted by ブクログ
平谷美樹、岡本美月『岩手怪談』竹書房怪談文庫。
2人とも初読み作家。2人とも岩手県在住作家とは知らなかった。しかも、平谷美樹に至っては女性作家と思っていたら、髭面の男性作家であったことに驚いた。
竹書房怪談文庫の存在は以前から知っていたが、『岩手怪談』というズバリのタイトルに飛び付いた。
岩手県を舞台にした怪談の掌編集である。
東日本大震災の津波被害を題材にした怪談や座敷童、狐、民話の古里遠野を舞台にした怪談、全日空機と自衛隊機とが衝突し、遺体が散乱した雫石の慰霊の森で起きた怪異、親戚が亡くなる際のお知らせ、などなど、既視感の強い掌編ばかりが並ぶ。
東日本大震災による津波被害を題材 -
Posted by ブクログ
設定は面白いが、内容は平凡。
序盤、採薬使の佐平次がごく自然に同心の手伝いをしていることの違和感があった。中盤でようやく御庭番的役割を担っていることの説明があったが遅い。トビイロウンカを使ったテロというテーマは非常に面白く、享保の大飢饉の実態や政治的思惑など興味深い点は多かった。
採薬使らの学者としての存在感も薄かった。ビードロの解明は理系であれば思いつくであろうし、今回の鍵となるウンカも植物に寄生するとはいえ虫であり、植物学者だから解決できたという展開を期待しただけに消化不良。採薬使全員が武芸者なのも違和感。文武、性格ともに完璧な主人公はやはり魅力に欠けると改めて感じた。やはりどこか不完