山口謠司のレビュー一覧
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<目次>
はじめに
第1章 本の読み方と「てんまる」の関係
第2章 「てんまる」は、いつから始まったか
第3章 明治時代以降の「てんまる」
第4章 現代文学の「てんまる」
第5章 マンガの「てんまる」
<内容>
山口先生の着目点が好きである。「ん」について追及したり…。今回は「てんまる」=「、。」である。まず結論的に言うと、「てんまる」を付ける際のルールはない。文科省も「読点は、意味と音調の両面から判断して打つ」と書かれているそうで(「おわりに」参照)、江戸時代までは、ルールすらなかった。幕末から明治の国学者、権田直助が研究の嚆矢で、その後も人によって定義も使い方もまちま -
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明治~昭和期の文豪たちの悪態な文を集め、背景等を解説。
〔第一章〕「馬鹿」「田舎者」・・・夏目漱石、尾崎紅葉等。
〔第二章〕文豪の嘆きとぼやき・・・永井荷風、小島政二郎等。
〔第三章〕喧嘩もほどほどに・・・太宰治、菊池寛、幸田露伴等。
〔第四章〕その「皮肉」も効いていますね・・・三島由紀夫等。
表題・文豪の語彙・文豪と相手の経歴での構成。
文に続き、言葉の意味からの導入は、ユニークです。
「しょげる」が江戸時代までは、どんちゃん騒ぎという意味とか、
これだけでも面白い。ですが、更に面白いのが、使う文豪さん。
文豪さんも人の子ですから、怒ったり嘆いたりすることがあります。
さすがに手は出ませんが -
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上田万年(かずとし)という人だけを扱ったわけではない、上田万年の伝記。明治時代~昭和初期にかけての、日本語の文字や表現をめぐるいろいろな事件が取り上げられていてとても興味深いし実際面白い本である。
板倉聖宜著『脚気の歴史』(仮説者)では、最後まで(自分が真っ先に勉強したからという自負心で)西洋医学のみにこだわってかえって脚気患者を増やしてしまった優等生の医学博士森鴎外(森林太郎)が、この本では、やはりこれまた文学博士として日本語の変革にブレーキをかける役をしていたことがよくわかる。誰彼かまわず論争を挑む姿は…自分が一番にならないとすまなかった超優等生が森鴎外だったんだなあ。悲しい人だ。ま、 -
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知的社会人とは、
知性と教養と創造力を兼ね備えた人。
創造力を養うには、本を自分の深くまで入れ込むように熟読する必要がある。
得た知識と今までの知識を組み合わせることにより
特異のモノコトをうみだせる。
最も印象に残ったのは、本から全てを学ぼうとしなくていい。
読書は著者との対話と考え、
他人の人生を疑似体験し、色々な事を学ぶものである。
知の巨人である本に、ちっぽけな自分を、
大きな自分へと変えてもらう。
そのためには俯瞰的に、客観的にイメージをわかせて読むことが大事である。
また、多くの本を読み多角的な視点でみれるようになりたい、できれば著者にツッコミを入れながら読めたら