山口謠司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『日本語の奇跡―「アイウエオ」と「いろは」の発明』の続編のような書だが『ん』の発音や表記、意味について言及した書。
空海について多くの頁が割かれており、また、その内容も面白かった。
膨大な文献から、歴史的にも「ん」の有り様を解説されているが、なんとも難しかった・・・。
しかし、歴史の中でも「ん」について、多くの方が論じているのは興味深かった。
それらの考察をこの書にまとめてあるので、非常に内容の濃い本となっている。
現代では、あまりにも無意識に使われている「ん」が、こんなにも深く語られていることに驚きだった。
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【目次】
第1章 「ん」の不思議
第2章 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「五十音図」に代表される論理的な「カタカナ」、いろは歌に代表される情緒的な「ひらがな」、そして中国から渡来した漢字。
これらを巧みに組み合わせることで、日本人は素晴らしい言葉の世界を創り上げてきた。
空海、明覚、藤原定家、行阿、本居宣長、大槻文彦…先師先達のさまざまな労苦の積み重ねをわかりやすく紹介しつつ、これまでにない視野から、日本語誕生の物語をダイナミックに描く。
[ 目次 ]
序章 「ひらがな」と「カタカナ」
第1章 国家とは言葉である
第2章 淵源としてのサンスクリット語
第3章 万葉仮名の独創性
第4章 『万葉集』が読めなくなってしまった
第5章 空海が唐で学んできた -
Posted by ブクログ
そうだったのか!と思うところがいろいろあって、とても面白かった。(主の中古の)古文で「ん」は表記されないということに、前々からどういう事なのだろうと疑問を感じていたのだけれど、突き詰めて調べたこともなかった。「ん」という表記が実はいろいろな発音をひっくるめたものだということ、濁音や撥音は「下品なもの」だという言語感覚があったこと等々、なるほど!という知識の連続であった。ただ、まん中あたりで力を入れて論じられる密教との関わりは、正直論旨についていけなかった。「ん」と仏教思想がどう密接につながっているのか、にわかには理解しにくいのだが、これは私の知識が浅いためだろう。