山口謠司のレビュー一覧
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「隣から、また甲高い声が聞こえてくる。今日は奥さんを叱っているのだろうか、いや、一番下の子供だろうか・・・まったく、あんなにがなり立てなくてっても良さそうなものなのに。・・・(略)・・・それにしても、いったい、あの亭主は、なにをしている人なのかー学校の先生みたいだと近所の連中は言うが、朝から晩まで毎日出かけるってこともない。出かけるのは散歩くらいのものだ。・・・(略)・・・それから木曜日になると、大勢、大の大人がいっぱいやってきて、夜中には騒ぎが大きくなる。いったい、あの背の低い、偉そうな髭を蓄えている亭主は、どんな人なのだろうか・・・」
最初は、明治時代にタイムスリップして隣に住む人の生活 -
Posted by ブクログ
書店で見かけて以来前々から読みたかった『ん―日本語最後の謎に挑む (新潮新書) 』を、電子書籍で購読。
五十音図から一文字だけ仲間はずれのようにされている「ん」の文字に関して、ひらがな書きとカタカナ書きの字体・字形の成立の歴史的変遷だけでなく、万葉仮名から文字の使い方で知ることの出来るこの文字の発音の歴史的変遷や、文字が内在している意味・概念の歴史をも解き明かしている良書。日本語に興味のある方には必読の本である。
なお、内容に多少専門的知識のいる書籍名なども含まれているので、一般的な教養という範囲をやや超えた内容の本でもあることに留意しておきたい。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
日本語には大きな謎がある。
母音でも子音でもなく、清音でも濁音でもない、単語としての意味を持たず、決して語頭には現れず、かつては存在しなかったという日本語「ん」。
「ん」とは一体何なのか?
「ん」はいつ誕生し、どんな影響を日本語に与えてきたのか?
空海、明覚、本居宣長、幸田露伴など碩学の研究と日本語の歴史から「ん」誕生のミステリーを解き明かす。
[ 目次 ]
第1章 「ん」の不思議
第2章 「ん」の起源
第3章 「ん」と空海
第4章 天台宗と「ん」
第5章 サンスクリット語から庶民の言語へ
第6章 声に出して来た「ん」
第7章 「ん」の謎に挑む
第8章 「ん」の文字はどこから現