山口謠司のレビュー一覧
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「ん」という文字はいったいいつから、どういう目的で使われるようになったのか?
普通に昔から使っていただろうって?
しかし、例えば「源氏物語」の原文には「ん」が使われていない、いやこの当時は「ん」という文字がなかったから使えなかった。
そんな事ないだろうって?
「鳶」という鳥がいますが、なんと読みます?「とび」?
では、「鳶がクルリと輪をかいた」と言うときなんと呼びます?「とんび」ではないですか?
なぜ「とび」と「とんび」があるのか?不思議じゃないですか?
著者は日本の仮名のできる過程を古くは奈良時代にまで遡り、「上代特殊仮名遣い」の起源とその目的から語り始めます。
文字が中国から伝来した仏教の今日を読むため、しかも中国語ではなく、その原点のサンスクリット語と同じ発音で読むために、その音の微妙な違いを表すために漢字が活用され、イやエといった現代では一文字、一音で表される文字が嘗ては微妙に違うバリエーションがあり、それを漢字を使い分ける事で表現していたというところから解説していく。
途中、そういう仏教の歴史的な話になってしまうところがあるが、それも含めてとても興味深い。 -
Posted by ブクログ
こういう死語(オッサン語?)辞典は複数出ているが、これは勘違いを2コマ漫画にしているのが新しい。
日本語ネイティブでない人と日本語で話す時に避けるべき表現集と捉えることもできる。
「同じ言語を話す若者たちなのに話が通じない」は古今東西言われていることであり、特に有名なのが18世紀イギリスの作家スウィフトの論説である。
この本の編者も若者の語彙の貧困化を嘆いているが、例えば「了解」を「りょ」とするような省略は造語法では普遍的な方法であり、この本に載っている「泥縄」なども同じ造語法である。
力のあるマジョリティが好んで使うか、(マジョリティから見下されている)マイノリティが生み出したかの違い。 -
Posted by ブクログ
日本語から感じられる季節感にまつわる全100項の雑学的エッセイです。春から冬まで、25編ずつです。
夏目漱石が落語の影響を受けた文体であるとか、台風は昔は颱風と書きさらに昔は野分と言ったとか、枯れ尾花の尾花はススキのことだとか、日本の四季にまつわるなにげないのだけれど僕なんかは全く知らない雑学の数々が興味深かったです。さらに、蚊取り線香のあの渦巻き型を思いついたのは明治期の女性であったとか、ラジオ放送が始まったのが大正十四年でその影響で寄席が減っていったとか、エピソード的雑学もいろいろ語られています。
歳時記というくらいだから季語についてのエッセイなのだけれど、俳句に限らず、和歌や古典、中国の漢詩まで引いていろいろな「にほんご」に秘められた雑学を光の当たるところに引き出してくれている。ひと項目2ページの分量で読みやすいですし、なかなかおもしろいです。
松尾芭蕉の俳句と、清少納言の『枕草子』が多く引かれています。在原業平も何度かでてきました。僕が感じたのは、なんていうか、平安時代の和歌にこめられている心情ってぐっとくるものがあるなあということ。表現力がすごいですよね。今でいえば、切実な「LOVE SONG」の数々といった感じ。
というわけで、日本語というものを鍵にして開けた扉の先に知る、日本の面白いところ、佳きところを味わえる本でした。 -
Posted by ブクログ
学生〜社会人歴の浅い方が読むと非常に参考になる本。
具体的な方策の提示がされていることで実践的であった。
人間の情報処理能力の限界を鑑みるといかに短文で伝えたいことを伝え切るかはどの局面でも重要であり、研鑽を積んでいきたいと思う。
この点については理解もできるし、その力をつけるために本書を購読したが、意識化することに貢献する部分はあるが飛躍的な向上をイメージできなかった。
基本的には既に兼ね備えている思考や手法であったからだ。
また、文書の中で具体例が割愛されていることで理解がしにくい部分も幾度かあり熟知することができなかった点もあった。