【感想・ネタバレ】日本語を作った男 上田万年とその時代(集英社インターナショナル)のレビュー

あらすじ

明治維新を迎え「江戸」が「東京」となった後も、それを「とうきやう」とか「とうけい」と様々に呼ぶ人がいた。明治にはまだ「日本語」はなかったのである。「日本語(標準語)」を作ることこそが国(国家という意識)を作ることである――近代言語学を初めて日本に導入すると同時に、標準語の制定や仮名遣いの統一などを通じて「近代日本語」の成立にきわめて大きな役割を果たした国語学者・上田万年とその時代を描く。

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Posted by ブクログ

 上田万年(かずとし)という人だけを扱ったわけではない、上田万年の伝記。明治時代~昭和初期にかけての、日本語の文字や表現をめぐるいろいろな事件が取り上げられていてとても興味深いし実際面白い本である。
 板倉聖宜著『脚気の歴史』(仮説者)では、最後まで(自分が真っ先に勉強したからという自負心で)西洋医学のみにこだわってかえって脚気患者を増やしてしまった優等生の医学博士森鴎外(森林太郎)が、この本では、やはりこれまた文学博士として日本語の変革にブレーキをかける役をしていたことがよくわかる。誰彼かまわず論争を挑む姿は…自分が一番にならないとすまなかった超優等生が森鴎外だったんだなあ。悲しい人だ。ま、面白い作品は書いているけどね。
 その点、上田万年は、なかなか頼もしい人だったようだ。
 本書には、政治家や文豪など、名前も作品もよく知っている人、名前(作品題名)だけ知っている人、名前さえも知らない人たち有名人がたくさん出てくるよ~。みんないろいろつながっていたんだな。

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2020年07月21日

Posted by ブクログ

●「日本語を作った男」とはどういうことかと思ったが、現代日本語の発音を反映する新しい仮名遣いを使うことを決めた「国語」を作ることに上田万年という男が邁進したということであった。

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2021年05月22日

Posted by ブクログ

おそらく筆者の興味というか、専門は本書の前半にある。前半はおもしろくてたまらなかった。一方、後半になると、論点がずれるというか、興味が四方に散らばっていて、いまいち何を論じたいのかよく分からず読み進め、ついには読み飛ばすこととなった。最初の導入は最高に読ませるけど。

なお、文はもう少し推敲してほしいところ。ところどころ読みにくい。

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2016年08月28日

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