氷室冴子のレビュー一覧
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女だから、女性として、というような属性の押しつけは、男からだけではなく、女同士でも行われる。妻として。会社員として。部下として。上司として。人は、歳を重ねるにしたがって、他者からの押しつけだけでなく自らすすんで属性を増やし、会話の内容もその属性に沿ったもの中心になっていってしまう。それを大人になることだと思い、そのような会話を疎む人を、あなたは相変わらずね、と見下げようとする。著者の視線は、友人知人のまとう属性ではなく中身に向けられている。彼ら彼女らが、属性にまつわる話ばかり語ることに悲しみを感じている。思わず私自身のこれまでを省みてしまった。
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ネタバレ※7~8巻までの感想をまとめてこちらに。
瑠璃VS.帥の宮の続き。
帥の宮に殺されかけたものの、煌姫の勘の良さに救われ一命をとりとめた瑠璃姫。
しかし瑠璃姫にはつらい状況だよね…1年前、吉野君に命を狙われた時と状況ダブるから。
でもただでは起きない瑠璃姫。体力回復の合間にも、着々と帥の宮を追い詰めていく…。
そしてついに対峙の時!
いやー、扇落とすまで驚いてくれちゃってまぁ~気分いいわ!笑
けれども、帥の宮が東宮位簒奪を目論んでいたと知れば哀しむ人が多すぎる/世の中への影響が大きすぎる~と考えた瑠璃姫は、帥の宮の出家および都からの出奔を条件に、すべてを忘れると交渉を持ちかける。
帥の宮は -
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ネタバレ※1~3巻までの感想をまとめてこちらに。
人妻編に突入!…絵が全ッ然ちがう衝撃w
まぁそれはさておき。
様々な苦難を乗り越え、晴れて夫婦となった瑠璃姫と高彬。
だけど新婚早々、煌姫が三条邸に居候することになったことで雲行きが怪しく…。
吉野で傷心から立ち直るきっかけをくれた峰男=守弥ということが分かったまでは良かったものの、その守弥が煌姫と組んで高彬と瑠璃姫の仲を裂こうと画策していたことまでバレてしまうし。
おまけに煌姫の策略で瑠璃の浮気を疑った高彬が三条邸に乗り込んできたりと、相変わらずのドタバタ劇。
さて。互いの利害のために帥の宮捕獲作戦でタッグを組むことになった、瑠璃・小萩・煌姫・ -
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電話代がかかり過ぎて、これなら東京に住んだ方が安い!と、東京にやってきた筆者の抱腹絶倒エピソード集。
携帯が出てくる前の「イエ電」黄金時代。一人暮らし始めたて、自由に電話ができるようになった頃を思い出します。
30数年ぶりに復刊。
ダイヤル回し過ぎで指が痛い。
とか、もはや何だかわからない概念ですね。
速く回したい時とか、ダイヤルに圧かけて、確かに指が痛くなったりしたよね。
ハンズフリーで話せる、ヘッドセットタイプの通話機も出たばかり。レシーバー型受話器の登場なんかもまだまだ新鮮な頃だった。コードレスですら新鮮だったし。
旧文庫版の解説は夢枕獏が担当。こちらは同時代作家としての視点 -
購入済み
原点
氷室冴子さんは『シンデレラ迷宮』が好きで、今回初期作品集が出来たというので初めて読みました。内容はライトから重いものまで様々だったけど、アルルカンや白い少女などこれぞ少女小説といった何とも言えない切実な潔癖な切なくやり切れない感情
になりました。 -
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なんだか「女である」ということに疲れていた、そんな時に出会った一冊。
20代の頃は結婚しなきゃと焦りを感じていた。
そして結婚して5年経つ今、私は出産に対して焦りを感じている。
周りからの「子どもはまだ?」という言葉にひっそりと傷つき、プレッシャーを感じ、勝手に後ろめたさと劣等感を感じている。
子どもはほしい。でもその私自身の気持ちの他に、他者からの重圧から逃れたい、という気持ちがあることがはっきり否定できない。それが悲しい。
周りも私自身も、「この年頃の女はかくあるべき」という過去の価値観の呪いから脱し切れていないのだ。
こんなこともあった。
職場でわたしはある役員の書いた原稿の校正作