氷室冴子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“「いや、ぶっちぎりの仲だと怒鳴るあたり、瑠璃さんらしいと思ってさ」
あたしはカッと赤くなった。
「あ、あれは、あんたと口裏を合わせただけよ。ああでも言わなきゃ、どうにもならなかったでしょ」
「……ふーん」
高彬はすっと笑うのをやめ、いやにまじめな顔でじっとあたしを眺めた。
あんまり長いこと黙ってあたしの顔を眺めるので、不覚にもますます顔が赤らんでくる。
高彬はようやく、口を開いた。
「なんだ、思い出したわけじゃなかったの」
「思い出す?何を」
あたしがぼんやり尋ね返すと、今度は高彬がほんのりと顔を赤らめた。
「べつに、いいよ。忘れてしまってるんなら、無理に思い出すこともない。昔の約束だし」
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Posted by ブクログ
本当はー、もっと可愛いー、1994年のー、表紙だったー!
・・・のですよ。夢の中のおとぎの国を思わす表紙で選び、氷室冴子さんだったので読んでみました。
童話の悪役から(?)見た童話の実際。
童話は分かりやすさが必要なので、それぞれが役に徹しているけど、実際にはこういう裏事情があってもおかしくない。
特に「白雪姫」はやるせなかった。人の弱さや傲慢さがあり、それを自覚しても流されてしまう弱さがつらい。
誰もがシンデレラ症候群のように「扉を開けてくれる誰か」を求めているけど、それを否定する強さをもっとハッキリ書いて欲しかったなぁ・・・。
共感を求めるのは十分過ぎるけど。 -
Posted by ブクログ
以前から事あるごとに瑠璃を持ち上げ、高彬の嫉妬心を刺激してきた謎の男・帥の宮。
三条邸に仕える新人女房の早苗が帥の宮邸の家人に言い寄られたり、瑠璃と喧嘩して居づらくなった煌姫を引き取ろうとしたりと、露骨なほど瑠璃の周辺に関わってくる。
高彬との円満な新婚生活がかかっている瑠璃は、帥の宮をおびき出して懲らしめようと、腹心の小萩、帥の宮の愛人の座を狙う煌姫、唯一の男手の守弥と協力して計画を練る。
守弥の一計にて、子宝祈願という名目で両親を含めた邸内ほとんどの人間を追い出し、ほぼ空の三条邸に帥の宮が忍んで来やすい状態を作り出すことに成功。
あとは瑠璃に化けた煌姫と間違いを起こせば、煌姫は愛人の座を確 -
Posted by ブクログ
晴れて筒井筒の高彬と結婚することができた瑠璃。
新婚早々、乳兄弟の守弥と宮家の煌姫が身分違いの恋人だと勘違いしたままの高彬の頼みから、守弥に恩を売るため、身寄りのなくなった煌姫を瑠璃の住む三条邸に居候させることに。
そんな折、高彬への使いとして三条邸を訪れた守弥の前に現れた瑠璃は、それが吉野で世話した記憶喪失男だと知って驚く。
ある日、高彬が実家で寝込んだとの知らせを聞いた瑠璃は、お忍びで見舞いに行き、守弥と再会。懐かしさから話をしていたところ、高彬が見舞い客と口論になる騒ぎが起こった。
堅物で礼儀を弁えている高彬が口論をした理由とは?! -
Posted by ブクログ
ジャパネスク2巻。
表紙は鷹男&…ですが、物語のほうは初恋の君が出ようがなんだろうが
高彬のターンでしたよ!!!
この巻を読めば彼がヒーローというのも納得であります。
高彬はいい意味で瑠璃姫の影響受けてますね。
常に相手を思いやれて、冷静な判断もできる。いわゆるボンボン気質があまりない。
逆に鷹男は男前でも、育ちがよすぎるゆえのボンボン気質が今回露呈したかも;
でも東宮→帝となった境遇の違いは切ないほどに出てました。
どうして吉野君と結ばれる話でないのか、この巻読むと痛いほど解りますね…
ここまで凄絶と思わず正直衝撃でした。
「ちぇんじ!」は怪我人も死人も出てませんが、こちらは
この巻だけで