氷室冴子のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
大学生の脆さと強さを強く感じる作品だった。
前作の海がきこえるの続編である本作では、大学生として東京の地で慣れない生活を送る拓と彼を取り巻く多くの人々との関わり合いによる物語だった。
自分を守るために虚勢を張る2人の女性を中心に、それに振り回される2人の男子大学生という構図が目立っていたと思った。大学の先輩である田坂さんという境遇は違えど、女性に振り回される同士としてのキャラクターがいることで、拓を中心に巻き起こる事件にひとつ温かみを持ちながら読み進めることができた。
大学時代に経験する虚無感と情熱がよく表現されていて、ワクワクする作品だった! -
Posted by ブクログ
余命わずかな母・御影に安らかな死を迎えさせようと、真秀は真澄と共に母を連れて、ついに佐保を訪れる。それは次期首長である佐保彦が認めたことではあったが、予言された「滅びの子」が現われたことに、佐保の人々は畏れおののいて……?
そんななか、佐保彦の妹・佐保姫だけは、真秀たち母子にいたわりの心を寄せ、真秀たちが滞在する春日の狩屋を望む地へ、兄に願い幾たびも訪れていた。
瓜二つの容姿を持つ、佐保姫と真秀。
真秀は、佐保彦が己を助けてくれたのは、自分を助けたかったのではなく、妹に似ていたからだろうと、あえて佐保彦を怒らせる激しい言葉を放ってしまう。こみあげてくる思いがなんなのか、真秀自身にもわからない -
Posted by ブクログ
真澄に続き、真秀までもが強大な霊力に目覚めてしまった…!
それを知った美知主は、真秀たちを淡海から出すまいと配下に命令するとともに、佐保の一族を息長の手中に取り込むべく、佐保彦にある「交渉」を持ち掛ける。
脅しにも似たその言葉に佐保彦は何と答えるべきが逡巡し…
そして真秀は、真澄、御影を連れて、淡海を旅立つ覚悟を決めて…!
一方、大和国中では、伊久米の大王に嫁いだ美知主の大姫・氷葉洲姫が、大王の子を身籠もりつつ、悶々とした日々を過ごしていた。その煩悶の訳は、美しい異母妹・歌凝姫。淡海から突然やってきた妹が、あるいは他の美しい女たちが、夫である大王の心をとらえるのではないかと危惧した氷葉州姫