氷室冴子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東宮(とうぐう)廃立陰謀事件を解決した瑠璃姫(るり)。
東宮が帝に即位して政権交代と言わんばかりに騒がしい京の街。
新しい帝の浮気癖は相変わらずのようで、しつこく瑠璃姫に恋文が届く。
なのに、高彬(たかあきら)は煮え切らない態度で全く頼りにならない。
ついにキレた瑠璃姫は、出家するために尼寺に駆け込む。
だが、その夜、実家が炎上した。
瑠璃姫を憎む何者かが放火したらしいが…!
この巻は、瑠璃姫の初恋の君が登場するわけですが壮絶です!
とても残酷で救えない運命です。
初恋の君を救うために、自らも省みず奮闘する瑠璃姫がとっても健気。
どんなに想っても結ばれない運命ほど悲しいものはない -
Posted by ブクログ
氷室冴子さん追悼レビュー。まだまだ書いて欲しかったのに・・・あのシリーズもこのシリーズも終わってないじゃないですか~、もう。
「なんて素敵にジャパネスク」との出会いは、小学生にまで遡ります。「花とゆめ」という雑誌に載っていた少女漫画の原作だったのですが、それがそのまま、氷室さんとの出会いになりました。このシリーズは当時既に6巻まで出ていて、夢中になって読み進みました。読み終えた寂しさを紛らわすために、氷室作品を集めたのです。せっせと貯めていたお年玉が湯水のように氷室さんに注がれましたよ…コバルト文庫とはいえ小学生には辛かったぜ。
平安時代を舞台にはしていますが、中身は恋愛ものでもあり、コメ -
Posted by ブクログ
男女数人の同居の話ということで、よくある恋愛モノかなーと思いきや、そうじゃないのがさすがの氷室さんv
実家に同居してる血のつながらないカッコいい叔父さん、その人への恋心から万能優等生を演じる主人公(でも実は奔放な女の子。そう。女の子って「演じる」生き物なんだよね!)、美しいホモの男友達(この頃からちょいBLは既に少女小説の領域に?)、変わり者のヒドラ教授、漫画家を目指して一人暮らしする氷室さんの投影みたいな女の子、お金持ちの浪人生と多彩なキャラクター。
その人たちが奏でるドラマがまた面白い。
あることを目指そうと思えば、それが上手く行かず、実は○○の陰謀で、壁にぶちあたるんだけど、知略をふりし -
Posted by ブクログ
ライトノベルというか、青春小説というか。何だろう?と考えてみて、正真正銘の「少女小説」だと気がついた。
少女特有の悩み、葛藤、劣等感、社会や異性に適応しきれていないあやふやさを、シンデレラ症候群、迷宮、森にかけてうまく書いてある小説。
あいかわらず、読んだ後、「うまいっ!」と思ってしまう、氷室先生の本。
ほぼ遺稿となってしまった「銀金」がリアル世代の私だけど、昔っから氷室先生の書いてるものは同じなんだと分かりました。
ミステリー仕立てなところ、国と国とかの政治話がからんでくるところ、愛すべき女の子がたくさん出てくるところ・・・。
河合隼雄がシェイクスピアと森について語ってる本を読んだ次に読んだ