永井紗耶子のレビュー一覧

  • 秘仏の扉

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    ネタバレ

    明治に法隆寺の国宝・救世観音像を開陳させた男たちの連作集。

    「光の在処」写真師・小川一真
    「矜持の行方」宮内省図書頭・九鬼隆一
    「空の祈り」法隆寺の総代・千早定朝
    「楽土への道」フェノロサ
    「混沌の逃避」岡倉覚三(天心)
    「千年を繋ぐ」文部大丞・町田久成、
    の6編からなる。
    これを読むと年に2回特別開陳されている観音像が見たくなります。
    女性関係については時代とはいえさすがに大きな醜聞だったと思いますが、昔の芸術気風の人にありがちな感じもします。
    一番感動したのは「空の祈り」です。

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    2025年06月29日
  • 女人入眼

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    文庫本の帯にこう書いてある。
    「これは最も激しい女たちの戦い」
    「国の実権を争う鎌倉と京」
    「分かり会えない母と娘」

    私はここにこう付け加えたい

    「力を持つ女と持たない女の生きる道」

    主人公は、京の丹後局の使者として鎌倉へ下る「周子」。
    周子は大姫の入内へ向けて、準備を進めたいが大姫本人には気鬱の病があり、母政子の凄まじいまでの寵愛もあり、遅々として進まない。
    そんな中、ある事件を境にして距離を縮める糸口を掴む。

    少しずつ心の内を語ってくれるようになった大姫の本音を聞いた周子。
    この入内を成功させれば出世の道も開けるはずだと息巻いていた周子だったが大姫を守るため動いていこうとする。

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    2025年06月15日
  • 旅立ち寿ぎ申し候<新装版>

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    202504/こういう商い時代ものが好みというのもあるが、キャラも物語もとても良かった!旧題(福を届けよ)より今回のタイトル(旅立ち寿ぎ申し候)が良い。

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    2025年05月16日
  • 秘仏の扉

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    原田マハさんともまた随分と異なる趣
    久しぶりに美術に深く関連する小説を読んで、自分が絡めとられるような感覚(うまく表現できない)

    オール讀物での連載

    アーネスト•フェノロサ
    日本文化を、仏教精神、美術を
    深く理解し高く評価してくれた米国人
    親友、妻子との別れ、絶望、新たな人生
    岡倉天心との縁

    岡倉天心(改号前…覚三)
    英語が堪能で通訳として徴用され、日本の芸術振興、守護に貢献。渡米
    東京美術学校を創設、初代校長に。名だたる芸術家が教師、生徒に名を連ねる
    不倫しすぎで(昔の男性的価値観は理解し難い)スキャンダルや権力闘争に負け、失職するも、また新しい団体を立ち上げて妻とも再構築
    インドへ 

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    2025年05月06日
  • 旅立ち寿ぎ申し候<新装版>

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    冒頭 勘七は幼なじみの1人直次郎を桜田門外の変で喪う。

    三年後 奉公先の主人 善五郎に強く望まれ跡を継ぎ若旦那となった勘七。
    料亭の倅でありながら自らの信念に従い芸者の箱持ちとなった紀之介。
    武士の家に生まれながら武士として生きられなかった新三郎。
    商家に生まれながら武士となり武士として死んでいった直次郎。
    四人の幼なじみの若者達。折しも時は幕末。時代が大きく揺れ動いていた。

    主人公 勘七が時代に翻弄されながらも先代の「商人は人に福を届けることが務めだ」という志しを見失わずにいることができたのはやはり周囲の人々の支えがあったからだろう。
    それに比べて新三郎の生き様は読んでいて苦しい。
    四人

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    2025年04月14日
  • 秘仏の扉

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    やっぱり永井さんの歴史小説は面白い!
    法隆寺夢殿にある厨子の中には救世観音像があるが、秘仏とされてきた。だが明治期に開扉される。それに立ち会った岡倉覚三やフェロノサ、写真家の小川一眞らが、救世観音像と対峙することにより、自分の内面と向き合うことになる。
    それぞれが主人公の連作短編集で、各々の葛藤が読んでいて興味深かった。特に法隆寺住職の定朝が、救世観音像の開扉を「開いて、守る」という境地に至ったところで、開国にふみきった日本に照らし合わせたところはすごく納得できた。
    今ちょうど法隆寺夢殿の救世観音像が見られる期間らしいので、行ってみよう。

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    2025年04月12日
  • 秘仏の扉

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    法隆寺の秘仏『救世観音像』の開扉に立ち会った男6人の視点で物語は進行。伝統ある仏像が海外に流出せぬよう尽力した彼らの熱意が伝わる。歴史の隙間に覗く人間模様。楽しく読み易い。

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    2025年04月12日
  • 秘仏の扉

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     明治21年6月、法隆寺夢殿。今まさに秘仏、救世観音像の厨子が開けられようとしている。
     そこには、宮内庁図書頭かつ全国宝物取調局委員長・九鬼隆一、東京美術学校幹事・岡倉覚三(後に天心)、取調局委員・アーネストフェノロサ、外国人資産家・ビゲロー、写真家・小川一眞、その他役人記者たち。そして法隆寺大僧正・千早定朝。
     国内では廃仏毀釈の嵐が吹き荒れ、各仏閣、寺院は廃れ、日本国の伝統文化と芸術が壊されている。一方、欧米では東洋美術が評価され始めている。
     近代化と伝統の狭間で揺れる明治時代に、秘仏開帳に関わったものたち、それぞれの生きざまが群像劇として描かれている。

    「これから先の千年、遺すため

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    2025年04月05日
  • 秘仏の扉

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    少し前に廃仏毀釈を調べたり
    最近六角堂にいったばかりなのですごく楽しく読めた

    学生時代の歴史の勉強は嫌いだったけど
    こういう知識の入れ方だと興味もてるんだなあと
    本筋とはちがうけど

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    2025年03月20日
  • 絡繰り心中<新装版>

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    絡繰ってそういうことか!
    この時代のなんとも言えぬ膿がよく見えた。
    今の時代でいう政治家の第二世代とでもいうのか妙な役職への執着や偏見などこの世にずっとあるしんどさなんかな。これは人の世で切っても切れぬ縁というやつですか。

    ’思い上がるなよ金四郎‘

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    2025年03月18日
  • 秘仏の扉

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    もう随分前に行って、
    法隆寺の大垣(築地塀)や回廊の美しさに
    心うたれて、
    絶対また来よう!って思っていたのに。
    この本を読んだ今年こそ、特別開扉時に行こう!
    私には何が見えるだろうか?

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    2025年03月15日
  • 木挽町のあだ討ち 無料お試し版

    購入済み

    臨場感が溢れる

    この本は江戸時代を舞台にした復讐の物語で描写が細かくとても臨場感があり物語の世界に入り込む事ができます

    #ドキドキハラハラ

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    2025年03月15日
  • 秘仏の扉

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    未公開の法隆寺の救世観音像を開いた時にその場にいた写真家やフェノロサ、岡倉天心らはどんな人物なのか、

    非常に面白かった。フェノロサたちの人生が興味深い。

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    2025年02月23日
  • 秘仏の扉

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    法隆寺夢殿の秘仏、救世観音像の開張を巡る関係者たちの、災いをもたらすと言われた開張後の物語。
    秘仏の扉を開ける場面を、それぞれの章で取り上げた人物の視点から描くので、同じ場面が少し違った意味合いを持ち、話の展開を興味深くさせている。
    救世観音像の廟を開いたフェノロサとしか認識していなかった読者としては、廃仏毀釈からの救世観音像開張などの背景を面白く読ませてもらった。

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    2025年02月18日
  • 秘仏の扉

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    法隆寺の厨子、秘仏 救世観音像をめぐる歴史小説。
    章毎に主語が変わるが、とても読みやすく、歴史の知識が薄くても楽しめる。

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    2025年02月15日
  • 灯台を読む

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    作家さん達が全国18か所の灯台を巡り、紹介する紀行文。島国である日本人は古くから海と共生してきたが、現在のような西洋式灯台が建設されたのは明治維新以降になってからだという。風の吹きすさぶ岬の突端でポツンと立ちながら必死に灯を届ける様子は、孤高であり浪漫を掻きたてられる。
    近代日本の文化遺産として、灯台が見直されつつあり、各地域では新たな観光資源となっている。各地に旅行に行く際に、灯台へふらりと寄ってみるのも楽しそうだ。私の地元の灯台も紹介されていたので、まずはそこから訪問したい。
    また、どの作家さんも『喜びも悲しみも幾年月』という映画について言及されていた。近代日本を支えた誇りある灯台守という

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    2025年02月11日
  • 大奥づとめ―よろずおつとめ申し候―(新潮文庫)

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    11代将軍家斉といえば、側室数十人、子供も五十数人。庶民の生活苦をものともせず、遊蕩に耽っていたことで有名だが、その頃の大奥の物語。
    将軍お手つきの者を「汚れた方」というのだが、そうではない「お清」たちのお仕事小説集。
    さすが時代小説に造詣の深い著者の作品なので、当時の大奥のしきたりなどを読んでも説得力もあり、それを知る楽しみもあった。
    大奥に入るいきさつなど、当時も生きづらかった女性たちが、大奥に入ることで、自分の生きる道を見つけていく前向きな話が多く、読後感もよかった。
    高貴な方たちが飼う猫が、大奥の中を歩き回る「ねこめでる女」が一番好きだった。

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    2025年01月20日
  • どうした、家康

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    家康というただ一人の物語でも、こんなにいっぱいあるもんなんだなあ、って思った。王道系も、恋愛系も、色々あって、「家康」を楽しめる。

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    2024年11月09日
  • とわの文様

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    ネタバレ

    期待以上に面白かった。文体も読みやすいから、サクサク進むし。十和が体術習ってて強くてかっこいい守られる主人公じゃないところが気に入った。あと、お母さんがどうなったのかとか謎が残るまま終わったけど、続きは出るのかな?

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    2024年10月08日
  • きらん風月

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    大飢饉続発による財政逼迫、田村意次政策による庶民の幕政不信。それらの政治課題に対して老中として真っ直ぐに取り組んだ一方で、圧政が過ぎるとの誹りを受けた松平定信が、政務を退いてのちに戯作者栗杖亭鬼卵と交わる。己の施した政への市井の評価は如何なるやと気になる定信に、自らの生い立ちを語りつつ臆することなく飄々と応答する鬼卵。結局は語らう時点で是も非もないが「世の中の人と多葉粉のよしあしは煙となりて後にこそ知れ」とな。なるほど、改革をすれば利を得る者あれば損を被る者あり。総じてその評価は時を経て振り返るしかない。

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    2024年10月02日