永井紗耶子のレビュー一覧

  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    サクサク読ませてくれる。時は明治の終わり、霊が見える帝大生が主人公の5話からなる連作集。
    ホラーじみてるけど一つ一つの文章がリアルで今の世に置き換えても不思議はない程。やはりこの作者は読ませて下さる方と平伏。

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    2026年08月04日
  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    ネタバレ

    今まで読んできた永井さんの本にはない感じで新鮮でした。
    ライトでサクサク読めます。

    思わずホロリとしてしまう人情の温かさは相変わらず。
    「祈り猫」「生きていた令嬢」が特に印象に残りました。

    凛ちゃんには幸せになってほしいです。
    縁があるとのことなので、続編で再登場があると信じています。



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    2026年08月03日
  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    視えることを受け入れられ、視えないことも強みになり。ひとりの事を皆が気にかけて行動し、その行動の糸は次にまためぐる。
    「厳しい世の中での人間同士の思いやり」を味わいたかったら、永井さんの本は間違いないなあ。

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    2026年07月26日
  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    明治時代。帝大生の啓吾には霊が視えた。周りの目を気にして視えないふりをしていた彼だったが、子爵家の次男坊である正周と出会ったことで変わる。正周は霊を視ることはできないものの怪異に興味を持ち、そして悪しきものを祓う力を持っていた。二人の青年が数々の怪異に出会い、その謎を解きほぐしていく優しい読み心地の作品です。
    連作短編集で、それぞれの物語は緩やかに繋がっていく展開です。人々の間に張り巡らされた糸のような「縁」もまた物語の中核。何かの導きのようにして出会ってしまった啓吾と正周。好奇心と行動力が旺盛な正周をやや疎みつつも、友人でいることに安らぎを覚えている啓吾の様子にほっとします。このコンビ、良い

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    2026年07月09日
  • 灯台を読む

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    「海と灯台プロジェクト」というものがあることを初めて知った。GPSの発達により、役目を終えつつある灯台を利活用していこうという活動とのこと。読むほどに、灯台という施設が日本の近現代史と深く関わっていることが感じられ、使わなくなったからといってただ放置するのは確かにもったいないなと思った。そして何度か文中に登場する映画『喜びも悲しみも幾歳月』にも描かれた、灯台守という仕事の過酷さ。自動化によって現在はなくなったというが、むしろ2000年代まで存在していたことの方に驚く。

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    2026年07月06日
  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    霊異ものの小説というのは初めてだったが、オカルト色は無く、優しい人情話として描かれていて大変面白かった。
    次回作がありそう終わり方に見えるので、凛のその後や啓吾・正周コンビのさらなる展開が描かれることを期待したい。

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    2026年07月05日
  • 絡繰り心中<新装版>

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    お元侍の娘が許婚が決まっていたにも関わらず吉原に売られ花魁の果てに心中を試みる。虚しい社会(法度)人生に悔やんでの行動は悲しすぎる。現代社会でも、人生はうまくいかない時が多い、それがたとえ罪が無いと言い張っても、場合によっては地位と権力で裁かれる。そして、それを悔やんで最悪な結果を招くことがある。特に人間関係は思い通りにはいかないのが常である事を悟って歩むべきだ。本文で気になる言葉、「絡繰り」とは世継ぎの難(法度)世継ぎがいなければ家は潰れる、長男が継げば、次男以降は無役のままで生涯を暮らすことになる。身分ははっきり分かれ、女郎に落ちたら這い上がれないし、武士に切られても文句は言えない。世を守

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    2026年06月28日
  • 大奥づとめ―よろずおつとめ申し候―(新潮文庫)

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    11代将軍徳川家斉の時代なのでおそらく一番御中臈が多かった頃の大奥にいたかも知れない大奥勤めの女性にスポットを当てた6つの短編。
    大奥と言われれば「女同士の妬みや争い」なイメージを持っていたけれど、こちらは「大奥で働く女性の夢と矜持」で安心して読めました。
    どの話にも、女性の強さ、逞しさ、可愛らしさがあってほっこりとなります。
    個人的には「つはものの女」の初瀬様がとてもカッコよくてステキ!

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    2026年06月27日
  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    変わらぬ流麗な文章で読むのが楽しい。既作品とは少し趣を異にする明治の怪異譚(霊異譚)。3話目辺りまでは普通に面白かったが、この終わり方は頂けない。ある程度の解決を読みたかった。「祈り猫」は秀逸。

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    2026年06月19日
  • 女人入眼

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    読んでいると『鎌倉殿の13人』と『平清盛』のキャストで脳内再生されるのでドラマを観返したくなりました。
    『鎌倉殿の13人』を楽しんだ方々にオススメしたい。

    文章自体が読みやすいく書かれているのですが、『鎌倉殿の13人』を視聴済みなので人物関係も分かりやすくて助かりました。
    主人公が大江広元の娘なので大江広元もガンガン出てきますよ!

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    2026年06月22日
  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    明治になってから40年ほど経過した時代が舞台。
    その頃は江戸時代とはガラリと変わり、文明開化の様相を呈している。
    しかしまだ、目黒は一帯が田畑だというから驚きだ。
    現在の東京23区でそんな場所はもう残っていないので、その時代の東京を歩いてみたくなる。

    物語自体は霊の視える青年と華族の青年コンビが謎を解いていくというものだが、怖ろしさはなく、優しい空気が作品を覆っている。
    そういえば大ヒット作の『木挽町のあだ討ち』も、思い返せばそうだった。
    本作は続編も刊行が決定しているので、そちらも期待したい。

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    2026年06月07日
  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    怖い話は苦手ですが、こちらは怖いというよりはクスッと微笑ましくなる場面もあり、ほろりとしてしまう場面もありつつ、なぜだろ?ときになって先を読み進めたくもなり、かなり好みの作品でした。
    霊異が見える啓吾と霊異をみたい、会いたいと願う若様もいいコンビ。
    連作になっていて様々な事件や謎を追いつつ、最後にはスッキリと謎が解け、モヤモヤが残らない読後感も好きです。

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    2026年05月31日
  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    怪異というので、もっと怖いというかぞくっとする話もあったりするのかと思ったけどそんなことは一切なく、人に見えないモノが視えるという啓吾が若様と謎を解決するお話。
    若様は視たいのに視えない人らしく、でも祓う力をお待ちとのことでややこしい笑
    若様がまた、いい塩梅にお坊ちゃんで人がよく善意の塊なのよ。
    怖い怪異じゃないけど、気になる謎でサクサク読める。
    皐月がキーポイントになって、続編が出たりするのだろうか、続編でたら若様に会いたいから買ってしまうな。

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    2026年05月27日
  • 秘仏の扉

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    廃仏毀釈の波を受ける明治の日本
    法隆寺夢殿の扉を開け救世観音と対面した6人の男たちの物語。
    救世観音を写真に納めた小川一眞
    宮内省役人の九鬼隆一
    法隆寺大僧正の千早定朝
    帝国大学教授のアーネスト・フェロノサ
    美術学校長の岡倉覚三
    帝国博物館初代館長・町田久成

    面白かった!!!
    法隆寺が明治の日本で重要視されておらず、廃寺の危機に陥っていたとは驚きでした。

    これは永井さんにとって褒め言葉ではないのかもしれないけれど、原田マハさんのアート小説を読んでいる錯覚に何度も襲われました。

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    2026年05月23日
  • 青青といく

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    永井さんは『木挽町のあだ討ち』の映画化も手伝って若い読者にも支持層を増やして来たようだ。私は本作で5作目となり、今回もまた永井さんワールドに分け入った。前作の『きらん風月』に似ている雰囲気を思い返しながら読み進む。
    主人公・海保青陵は早々に他界してしまい、青陵の弟子・弥兵衛と兄弟子・鐘成のふたりが青陵の足跡を辿る旅に出る構成になっている。弟子・弥兵衛の出自が結末に明かされる前に、たぶん読者には真実が推測できるだろう。
    青陵の遺言である「遺灰は空に撒け」の発想はなかなか。今でこそ散骨はデビューしているが、家を大事にする武士社会の江戸時代に墓を作らず空に撒くとは思いきったものだ。生前青陵と交流の

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    2026年05月23日
  • 青青といく

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    江戸後期の儒学者、海保青陵の死後、2人の弟子がゆかりの人を訪ね、青陵の人となりや教えを辿るお話。
    本のタイトルと装丁の影響もあると思うが、読後、清々しい風が通り過ぎたような感じした。最後の方の弥兵衛の両親の関係性にじんわり。

    海保青陵、初めて聞く名前でした。
    この本がきっかけで興味がわき、知識が広がります。これも読書の醍醐味。

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    2026年05月15日
  • 青青といく

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    京弓師の跡取りなのに、弓作りが苦手な弥兵衛。そろばん勘定のほうが得意なことに、後ろめたい気持ちを抱える日々、儒学者海保青陵と出会う。

    兄弟子の鐘成とともに、青陵の訃報回りの旅に出ることになった弥兵衛の成長物語かな?と思って読み始めたが、縁ある人たちが語る海保青陵を知るほどに、自由自在の生き方の素晴らしさと難しさを感じ、彼の人生にわくわくする物語だった。

    自分を大切に心を養って、視野を広くしてふわりと構えて、この物語で青陵先生が植えてくれた種を自分のペースで育てていけたら素敵だと思う。

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    2026年05月06日
  • 女人入眼

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    源頼朝と北条政子との娘・大姫の入内という「鎌倉幕府最大の失策」といわれる出来事を、京の九条殿につかえる周子(衛門)を主人公にして描いた歴史小説。
    周子は、大姫を入内させるべく、また自らの女官としての出世につなげるため、鎌倉へ下る。
    しかし、大姫は気鬱の病で、周子に会おうともしない。何とか大姫の心を開かせた周子だったが、その周子の前に立ちはだかるのは、過ちを認めず、誰かの責にする政子だった。
    のちに尼将軍と呼ばれた政子も、その当時は、入内について「大姫自らが望むか、望まぬかなど、どうでもよい」と強弁する、娘をただ盲愛する一人の母親であった。
    やがて、周子の熱意により、心を開いた大姫であったが、「

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    2026年05月01日
  • 青青といく

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    2026.4.15
    青青陵上柏:青青たり陵上の柏

    「青青たり陵上の柏.....これは、短い人生、大いに楽しもう。旅に出て、共に唄い、飲み暮らせば、邸宅なんぞなくとも、王の如く楽しいと、人生を謳歌する詩でございますな」
    詩の中の風景が、弥兵衛の脳裏に広がるようである。
    丘の上に青青と枝葉を伸ばす柏の木、谷川に思うままに転がっている石、、、
    そして、友と酒を酌み交わし、町から町へ訪ね歩く。


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    2026年04月16日
  • 秘仏の扉

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    仏の微笑みも、観る人の心持ちによって天使にも悪魔にも。夢殿の救世観音菩薩それほどの感動はなかった。それにしても「英雄色を好む」とは言え、揃いも揃って酷すぎないか?女中に姪に人妻に…。それで審美眼誇られても…。

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    2026年04月10日