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Posted by ブクログ
冒頭からわけありな始まりなのですが、連作短編集でもあるので、いろんな人々が出てくる事件を利一と十和が解決していくのはとても面白くて、楽しく読むことが出来ました♪
私は第一話の『麻の葉の文様』と第三話の『更紗の文様』が好きです。
『麻の葉の文様』は子供ができない武家の跡取り娘・奈緒が、夫と他の女性の間に子をなしてもらうのですが、それがこじれてしまいという物語です。
当時の武家にとって、子供ができないというのは大問題でしたでしょうし、貧しい家に仕送りをするためにその役目を引き受けたお豊も貧しい家にいる兄弟たちのためにというのが切ないです……。
その中で安産を祈願した肌着を奈緒が下手でありながらも自分で縫い上げて、お豊に着せているというのが、切ない(つд⊂)エーン
そして、子供が無事に生まれたときにお豊が選ぶ選択がいい、と私は思ったのです。
『更紗の文様』は利一がよくいく若竹という料亭が不忍池の側で雀屋という茶店で働いている茶汲み娘の千枝を助けたことが縁となり、彼女から染をした織物を扱ってもらえないかと頼まれる。
だが、扱っている布が荒くて、店で扱うことはできない。そこでその染めをしている職人のところへ店の人間をつかわせることになるのだが……。
そこで明らかになる千枝が家出娘で、しかもその染をした職人は姉の知津が恋い慕っているということ。二人の姉妹の互いを思う気持ちがここでぶつかりあってしまい……。
この話もとってもいい話でした。血がつながっていても喧嘩できるくらいの距離がちょうどいいと思う私なので♪
こちらはシリーズものなので、続きを楽しみに待ちたいと思います。