【感想・ネタバレ】絡繰り心中<新装版>のレビュー

あらすじ

直木賞作家の珠玉にして衝撃のデビュー作!

旗本の息子だが、ゆえあって家を出て町に暮らし、歌舞伎・森田座の笛方見習いをしている遠山金四郎は、朝帰りの日本堤田んぼで、女の骸を見つけた。
花魁の雛菊が斬り殺されていたのだ。
昨夜、狂歌師にして、戯作者でもある大田南畝の御伴で吉原遊廓で戯れた折、金四郎の隣に座っていた稲本屋の女だ。
胸の靄が晴れぬ中、興行の手伝いに戻る金四郎だったが、急に遠国に派遣されていたはずの父・景晋に呼び出され、素行を糺される。
景晋と旧知の間柄で、金四郎を心配して顔を見せた南畝の咄嗟の機転で難を逃れるも、なぜか雛菊の下手人探しをする羽目に――。
雛菊に妙な縁がある、森田座の役者絵を手掛ける浮世絵師・歌川国貞とともに、事の真相を探り始める金四郎。
調べるうちに、雛菊は座敷に出るたびに相手の男へ心中を持ちかけていたことが知れる。
一体何が雛菊を死へ向かわせたのか?
心中を望む事情を解き明かしたはいいが、重荷を背負った金四郎は……。
直木賞作家の珠玉にして、衝撃のデビュー作。

※この作品は『部屋住み遠山金四郎 絡繰り心中』として配信されていた作品の新装版です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

「絡繰り」とは社会のシステムのことと解説の末国善己氏に教えられた。いまを生きる私たちも様々な絡繰りに絡めとられて生きている。本書の登場人物の悩みや苦しさは現代とあい通じる。つぶされずにどう生きるか。自分という主体を失わずに前を向くしかないと思った。

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2024年03月18日

Posted by ブクログ

絡繰ってそういうことか!
この時代のなんとも言えぬ膿がよく見えた。
今の時代でいう政治家の第二世代とでもいうのか妙な役職への執着や偏見などこの世にずっとあるしんどさなんかな。これは人の世で切っても切れぬ縁というやつですか。

’思い上がるなよ金四郎‘

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2025年03月18日

Posted by ブクログ

吉原花魁のむくろを金四郎が見つけたところから物語りは始まる。江戸時代の身分制度のしがらみに苦しむ人達。浮世絵師らと共に真相に迫って行く金四郎も又旗本の身分でありながら芝居小屋の笛吹き見習いとして長屋で暮らしている。東山裁きは有名だがそれは後のこと、この話はまだ若い金四郎の物語。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

旗本の息子でありながら、訳あって歌舞伎森田座で、笛方が見習いとして町に暮らしている遠山金四郎。

早朝の田んぼで花魁の骸をみつけ、花魁殺しの下手人探しをする羽目になる。

真相を探る金四郎。
関わった人々の知られざる過去が明らかになり、自分自身の境遇と重なる部分を感じた金四郎は苦悩する…。

江戸の町人達の生活の様子が色鮮やかに描かれており、時代物好きな私としては大変楽しめた。

あの遠山の金さんの若かりし頃のお話。
名奉行と言われる所以が少しわかったような気がします。

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2024年03月12日

Posted by ブクログ

著者の小説は”木挽町のあだ討ち”からの2冊目。
今回も芝居小屋の”森田屋”は出でくるけど話し登場人物はまったく違う。
金四郎(武士だけど、実家をを出て町人として”芝居小屋の笛吹の見習い”)が正面向いて刺されて死んでいた遊女の雛菊の死の真相をたどっていくというもの。
この時代の女性っていくら武士の地位にあっても両親が亡くなって家が没落してしまえば遊郭に売られていってしまって
死んだあとも遊女ってことで簡単に葬られてしまうなんてね。
その心中しそこねた男(雛菊のただの客のひとり)死にたい男と刀で人を刺殺したい男の間をこの金四郎の活躍でどうにか収めるという話し。
絵描きの国貞や金四郎を預かる南畝先生など魅力的な登場人物たちもいい。
旗本って武士の中でも上の方なんだね。
この本を読むまでそれも知らなかったわ。

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2024年02月23日

Posted by ブクログ

うーん、人情もののままならなさが存分に味わえる一冊。後に直木賞and山本周五郎賞を受賞した筆者の確かな力量を感じさせる処女作。
背景描写が巧みで、人物の生い立ちや取り巻く環境がまるで見てきたかのように感じ取ることができる。

森田屋の笛方である主人公金四郎の成長ストーリーかと思えば、そんな単純な話ではない。吉原の何が地獄って、さまざまな生い立ちの女性が一つ所に固められて、全員畜生の身分と見なされて生きていかないと行けない。こんなにひどい差別もない。
雛菊の生涯に美しさと狂気、諦観と覚悟が絢爛な絵巻のように感じられ切ない。

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2025年04月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

男性が主人公で遠山の金さんの若かりし頃なのかなって感じだった。容疑者と上がってくる人達の過去とか飽きさせない内容で面白かったけど、終わりがスッキリとしないから何か読んだ気がしなかった。

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2024年10月24日

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