あらすじ
直木賞作家の珠玉にして衝撃のデビュー作!
旗本の息子だが、ゆえあって家を出て町に暮らし、歌舞伎・森田座の笛方見習いをしている遠山金四郎は、朝帰りの日本堤田んぼで、女の骸を見つけた。
花魁の雛菊が斬り殺されていたのだ。
昨夜、狂歌師にして、戯作者でもある大田南畝の御伴で吉原遊廓で戯れた折、金四郎の隣に座っていた稲本屋の女だ。
胸の靄が晴れぬ中、興行の手伝いに戻る金四郎だったが、急に遠国に派遣されていたはずの父・景晋に呼び出され、素行を糺される。
景晋と旧知の間柄で、金四郎を心配して顔を見せた南畝の咄嗟の機転で難を逃れるも、なぜか雛菊の下手人探しをする羽目に――。
雛菊に妙な縁がある、森田座の役者絵を手掛ける浮世絵師・歌川国貞とともに、事の真相を探り始める金四郎。
調べるうちに、雛菊は座敷に出るたびに相手の男へ心中を持ちかけていたことが知れる。
一体何が雛菊を死へ向かわせたのか?
心中を望む事情を解き明かしたはいいが、重荷を背負った金四郎は……。
直木賞作家の珠玉にして、衝撃のデビュー作。
※この作品は『部屋住み遠山金四郎 絡繰り心中』として配信されていた作品の新装版です。
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Posted by ブクログ
旗本の息子でありながら、訳あって歌舞伎森田座で、笛方が見習いとして町に暮らしている遠山金四郎。
早朝の田んぼで花魁の骸をみつけ、花魁殺しの下手人探しをする羽目になる。
真相を探る金四郎。
関わった人々の知られざる過去が明らかになり、自分自身の境遇と重なる部分を感じた金四郎は苦悩する…。
江戸の町人達の生活の様子が色鮮やかに描かれており、時代物好きな私としては大変楽しめた。
あの遠山の金さんの若かりし頃のお話。
名奉行と言われる所以が少しわかったような気がします。