永井紗耶子のレビュー一覧

  • 木挽町のあだ討ち
    色々な賞を受賞していて評判もよかったのでかなりハードルを上げて読んだが‥うん、面白かった。
    途中この話はどう繋がるのか?と思いながら読み進めたが、なるほど、そういうことか。
  • 木挽町のあだ討ち
    素晴らしい。よくよく練られた筋書きと構成が本当に素晴らしいし、それぞれの人物の来し方のエピソードが本当に素晴らしい。インタビュアーはいったいどんな素性の者なのか?仇討ちの語り部たちはいったいどのような人物で、この物語の中でどんな役割を担っているのか?
    途中の描写で真相らしきものには気づかされるものの...続きを読む
  • 木挽町のあだ討ち
    ある雪の夜、芝居小屋のそば、衆人環視のなかで成し遂げられた仇討ち。
    その後、仇討ちをなした青年の縁者という武士が、目撃者である芝居小屋の関係者に詳細を聞きたいと現れるが、果たして真相は…
    徐々に明らかになる仇討ちの背景に、切なさと不可解さが増してくるが、その反面、最後の種明かしで顛末が明らかになった...続きを読む
  • 木挽町のあだ討ち
    仇討ちや芝居についての学びがたくさんありました。読み始めは読みづらいかも…?って思ってたけど、案外すらすら読み進められて面白かったです!
  • 木挽町のあだ討ち
    最初の語りからあっという間に江戸の街に連れて行かれ、そうかそうかと皆の話を聴きながら、江戸をブラブラしてるうちに、トトトーンと最後まで。最高なトリップでした。
  • 木挽町のあだ討ち
    あだ討ちをテーマにしている小説でした。
    私が不勉強な人間で、知らない単語が複数あったのですが、Googleで単語の意味を調べて小説を読み終えることが出来ました。
    とても勉強になりました。

    人それぞれ大事にしている生き方や、この人の助けになりたいという想いが素敵でした。

    登場人物は全員曲者で、全員...続きを読む
  • 木挽町のあだ討ち
    木挽町で行われた仇討ちを巡る話。
    木挽町にある芝居小屋の関係者に、ある武士が実際に仇討ちを見聞きしたことを丁寧に聞きまわる。小屋の人々の話には矛盾はなく、仇討ちを果たした武士菊之助を芝居小屋の皆は好意的に語る。そして聞きまわるうちに、次第に仇討ちの詳細が明らかになってくる。それぞれの人が芝居小屋にた...続きを読む
  • 木挽町のあだ討ち
    最初は変わった作りの小説だなぁ、と思い読み始め、一つの出来事を軸とした短編集かと思い読み進め、最後は綺麗に謎解き。「あだ」が何故ひらがな、なのか。なるほど。見事です。かと言って、一つ一つのお話も高質。凄い手腕。どうしようもなく行き詰まった時を「しなやかに受け止め生きる」という学びもありました。
  • 木挽町のあだ討ち
    どんな血生臭い話かと思いきや、木挽町の芝居小屋のみなさんが素晴らしい!
    最後の方は手が止まらなかった。
    タイトルが平仮名の部分はそうゆう事なのね。
  • 木挽町のあだ討ち
    後半に入ったあたりから先が読めてきたけど、それでも最後まで心温まりながら読めた。
    江戸人情ってやつだわね。
    誰しもいろいろな苦労や苦悩を抱えているけど、それでも近くの誰かのために親身になって骨を折る。
    今の世では消えつつあるのかな…
    過去に起きてしまったことはさておき、良い形に丸く収まるのはいいね。
  • 木挽町のあだ討ち
    二年前に起きた木挽町での敵討ち。
    その顛末を聞きにくる若侍。
    芝居小屋に関わっている人たちが生き生きと描かれていました。
    顛末は想像できましたが、登場人物があまりに魅力的で、あっという間に物語の世界に引き込まれました。

    永井紗耶子さんの他の作品も読んでみたいです。
  • 木挽町のあだ討ち
    若い武士菊之助が博徒作兵衛に対し見事にあだ討ちをはたす。
    芝居小屋の面々からあだ討ちについて聞くことで、菊之助の苦悩を知り、それぞれの過去を知ることで深みを増していく。
    武士とは。身分とは。人を殺めるとは。自分を偽らないとは。
    菊之助は、自分の国の中だけでは出会う事のなかった人々と芝居小屋で出会い、...続きを読む
  • きらん風月
    江戸時代の上方の文化人、栗杖亭鬼卵の半生を描いた物語。
    様々な人との出会い、愛する妻との死別、天明の大飢饉を経て、彼が本当に表現したかったものが明らかになる。
    それを隠居後の松平定信に語るという舞台設定が、より鬼卵の訴えたいことが伝わってくる。
    永井さんの人物の描き方が本当に好きなんだよなー。
    鬼卵...続きを読む
  • 木挽町のあだ討ち
    まず仇討ちが許可制だったという事に驚いた。というか届け出さえすれば仇討ち=人を殺してもOKというのもびっくりだし、いかにも武士の世界だなと。幇間や隠亡、木戸芸者などの仕事についても初めて知ることが多く、とても興味深かった。
    江戸時代の市井の人たちが身分制度や貧困などと戦いながらしなやかに力強く生きて...続きを読む
  • 木挽町のあだ討ち
    時代小説を読むのは初めてだった。

    難しい読みの漢字や言葉が出てくるたびにスマホで調べながらではあったが、どんどん引き込まれた。

    こちらのレビューで以前に読んだ、この作品がなぜ「仇討ち」が「あだ討ち」と表されているのか、という意味がわかった。

    その時代、悪所といわれた芝居小屋や吉原のこと、武家の...続きを読む
  • きらん風月
    直木賞受賞後の第1作。「木挽町のあだ討ち」が大傑作だったので期待して拝読。前作を超える傑作とまでは言わないが、時代小説を牽引する作家の一人になった印象をもった。恥ずかしながら栗杖亭鬼卵は知らなかったが、禁欲政治を断行した松平定信との老いてからの邂逅談という設定も面白く、歴史好きにはたまらなく興味深い...続きを読む
  • 絡繰り心中<新装版>
    「絡繰り」とは社会のシステムのことと解説の末国善己氏に教えられた。いまを生きる私たちも様々な絡繰りに絡めとられて生きている。本書の登場人物の悩みや苦しさは現代とあい通じる。つぶされずにどう生きるか。自分という主体を失わずに前を向くしかないと思った。
  • 木挽町のあだ討ち
    江戸の下町、悪所と呼ばれながらも人々を惹きつけてやまない芝居小屋界隈である夜、年若い武士が父の仇と無頼漢を討った。その見事な様子はいつしか口上となって広まるまでに評判となっていた。
    芝居小屋に流れ着いた様々な過去を持つ人々、そんな彼らが見た仇討ちとはなんだったのか。講談のようなリズム感のある文体、飄...続きを読む
  • 木挽町のあだ討ち
    最初は各キャラクターの人情話しの連作短編かなぁと思いきや、段々と物語の輪郭が見えてきて、最後はアッと驚かされた。すごい。芝居小屋の仕事も垣間見えて良かった。
  • 木挽町のあだ討ち
    時代劇ミステリー。
    人に会うごとに解き明かされていく謎。
    面白かった。
    最初は見事にだまされました。
    最後はタイトルのなぞもわかり納得の一冊です。