永井紗耶子のレビュー一覧

  • 大奥づとめ―よろずおつとめ申し候―(新潮文庫)

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    大奥を舞台にした女性たちのお仕事小説。芯のある女性たちの成長や気づきは面白い。温かな気持ちになった。

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    2021年07月01日
  • 横濱王

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    ネタバレ

    歴史・時代小説として原三溪の人となりを描いた本。といっても原三溪が主人公ではなく胡乱な若手実業家が原三溪を知る商売敵、元芸者、元女中、そして前田青邨や松永安左ヱ門という実在の人物との対話を通して原三溪の姿をあぶり出していく展開が秀逸。
    昭和初期の華やかな横浜の風景をキングの塔、ニューグランド、聘珍樓など実存する場所を織り交ぜ浮かび上がるような描写が読んでいて楽しい。関東大震災や第二次大戦の空襲といった横浜の苦難の時代もカバーしていて横浜生まれの作者の思いを感じさせる。
    ユニークな切り口とライブ感あふれるタッチでありし日の横浜を描いた秀作。

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    2021年01月15日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    同じシーンを、違う登場人物の視点から
    語られていく構成。

    初めの方は、また同じような話か…

    と、思っていたら徐々に物語が立体的に
    形をあらわしてきて、読み終わると
    お見事!と言いたくなる。笑

    語り手となる登場人物たちのサイドストーリーも
    魅力的で惹き込まれる。

    あんまり読んだことないタイプの一冊で
    新鮮だった。

    2026.07.05-81冊目/年

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    2026年07月19日
  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    明治時代。帝大生の啓吾には霊が視えた。周りの目を気にして視えないふりをしていた彼だったが、子爵家の次男坊である正周と出会ったことで変わる。正周は霊を視ることはできないものの怪異に興味を持ち、そして悪しきものを祓う力を持っていた。二人の青年が数々の怪異に出会い、その謎を解きほぐしていく優しい読み心地の作品です。
    連作短編集で、それぞれの物語は緩やかに繋がっていく展開です。人々の間に張り巡らされた糸のような「縁」もまた物語の中核。何かの導きのようにして出会ってしまった啓吾と正周。好奇心と行動力が旺盛な正周をやや疎みつつも、友人でいることに安らぎを覚えている啓吾の様子にほっとします。このコンビ、良い

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    2026年07月09日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    ネタバレ

    良質な本、仇討ちを軸に周囲の人たちの生き様を描き、最後まで読ませ切る著者の筆力は大したものです。オチは途中から予想できるけど…
    映画もあるみただけど、映像化には合いそうな描写でした!

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    2026年07月07日
  • 灯台を読む

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    「海と灯台プロジェクト」というものがあることを初めて知った。GPSの発達により、役目を終えつつある灯台を利活用していこうという活動とのこと。読むほどに、灯台という施設が日本の近現代史と深く関わっていることが感じられ、使わなくなったからといってただ放置するのは確かにもったいないなと思った。そして何度か文中に登場する映画『喜びも悲しみも幾歳月』にも描かれた、灯台守という仕事の過酷さ。自動化によって現在はなくなったというが、むしろ2000年代まで存在していたことの方に驚く。

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    2026年07月06日
  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    霊異ものの小説というのは初めてだったが、オカルト色は無く、優しい人情話として描かれていて大変面白かった。
    次回作がありそう終わり方に見えるので、凛のその後や啓吾・正周コンビのさらなる展開が描かれることを期待したい。

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    2026年07月05日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    読みやすかったです。
    長屋の場で結末は分かってしまったけど。
    これがもし実話であったなら、人に希望を見出せる話だな。こういう世の中であってほしい。
    映画も見てみたい。

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    2026年07月01日
  • 絡繰り心中<新装版>

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    お元侍の娘が許婚が決まっていたにも関わらず吉原に売られ花魁の果てに心中を試みる。虚しい社会(法度)人生に悔やんでの行動は悲しすぎる。現代社会でも、人生はうまくいかない時が多い、それがたとえ罪が無いと言い張っても、場合によっては地位と権力で裁かれる。そして、それを悔やんで最悪な結果を招くことがある。特に人間関係は思い通りにはいかないのが常である事を悟って歩むべきだ。本文で気になる言葉、「絡繰り」とは世継ぎの難(法度)世継ぎがいなければ家は潰れる、長男が継げば、次男以降は無役のままで生涯を暮らすことになる。身分ははっきり分かれ、女郎に落ちたら這い上がれないし、武士に切られても文句は言えない。世を守

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    2026年06月28日
  • 大奥づとめ―よろずおつとめ申し候―(新潮文庫)

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    11代将軍徳川家斉の時代なのでおそらく一番御中臈が多かった頃の大奥にいたかも知れない大奥勤めの女性にスポットを当てた6つの短編。
    大奥と言われれば「女同士の妬みや争い」なイメージを持っていたけれど、こちらは「大奥で働く女性の夢と矜持」で安心して読めました。
    どの話にも、女性の強さ、逞しさ、可愛らしさがあってほっこりとなります。
    個人的には「つはものの女」の初瀬様がとてもカッコよくてステキ!

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    2026年06月27日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ミステリのカテゴリーだと思って読み始めてしまったので、ミステリ好きとしてはタネや仕掛けに物足りなく感じる部分もありつつ、江戸の芝居小屋を舞台にした群像劇としてはとても面白かった。
    歴史ものの割に非常に読みやすく、読み応えのある大作というより落語を聞き流しているような心地よい読み心地と爽やかな読後感。非常に丁寧な説明を加えてくれているので、現代ものしか読んだことのない人にもとっつきやすそう。あまり悩まずささーっと読み切れる。
    キャラクターたちがみな魅力的で、巻末に近づくにつれ、菊之助と同様に別れを惜しむような気持ちになった。
    また森田屋の面々に会いに、再読したくなることと思う。

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    2026年06月23日
  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    変わらぬ流麗な文章で読むのが楽しい。既作品とは少し趣を異にする明治の怪異譚(霊異譚)。3話目辺りまでは普通に面白かったが、この終わり方は頂けない。ある程度の解決を読みたかった。「祈り猫」は秀逸。

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    2026年06月19日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    映画も原作もどちらも良かったけど先に映画を観て正解でした。
    原作ではそれぞれが芝居小屋に流れ着くまでの背景が描かれ菊之助に対する各自の思いがより伝わってくるし、菊之助の思いもしっかりと語られているので、原作を後から読めば映画をより深く味わえるように感じます。
    原作を読むとあらためて映画を観たくなるし、映画のキャストがホントにピッタリだと思います。
    蛍姐さんがとても好き!

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    2026年06月17日
  • 女人入眼

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    読んでいると『鎌倉殿の13人』と『平清盛』のキャストで脳内再生されるのでドラマを観返したくなりました。
    『鎌倉殿の13人』を楽しんだ方々にオススメしたい。

    文章自体が読みやすいく書かれているのですが、『鎌倉殿の13人』を視聴済みなので人物関係も分かりやすくて助かりました。
    主人公が大江広元の娘なので大江広元もガンガン出てきますよ!

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    2026年06月22日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    ネタバレ

    時代小説に慣れていなくても語り手と場面が転々と変わって軽快なテンポで進んでいき読みやすい。結末は想像できなかったもので面白かった。

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    2026年06月17日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    ネタバレ

    直木賞・山本周五郎賞なので読んでみた。
    山本周五郎賞は見つかれば読みたいと思っている。
    目についたものだけでもとメモしているが読み切れていない。

    最近話題のこの作品はすぐに買って積んでいたがやっと読むことができた。最後になってああそうなのかと、さっぱりほんわかした、ここが驚愕のミステリなどと紹介されている所以かなと納得した。初めて読む著者だったけれど、幕切れに驚いた。
    きちんと落とし前が付いているというのはこういうことかもしれない。驚いて納得。

    木挽町の芝居小屋ではさまざまな過去を持つ人たちが働いている。しかし木挽町という土地柄はあまりいい意味を持たないらしい。
    それでもここで働いている人

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    2026年06月13日
  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    明治になってから40年ほど経過した時代が舞台。
    その頃は江戸時代とはガラリと変わり、文明開化の様相を呈している。
    しかしまだ、目黒は一帯が田畑だというから驚きだ。
    現在の東京23区でそんな場所はもう残っていないので、その時代の東京を歩いてみたくなる。

    物語自体は霊の視える青年と華族の青年コンビが謎を解いていくというものだが、怖ろしさはなく、優しい空気が作品を覆っている。
    そういえば大ヒット作の『木挽町のあだ討ち』も、思い返せばそうだった。
    本作は続編も刊行が決定しているので、そちらも期待したい。

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    2026年06月07日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「あだ討ち」が何だったのか、さまざまな人の目線で語られ徐々に明らかになる物語。
    それぞれの章で、菊之助がお世話になった木挽町の人たちが語り部になることで、その人たちの人となりや菊之助がどんな人物だったのかがよく分かる。映画?かドラマにもなっているようだけど、どんなふうに編集されているのか少し気になる。
    この物語の登場人物たちのように相手のことを思って行動できる人間になりたいな。思いやられる側の人格にもなりたい。

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    2026年06月07日
  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    怖い話は苦手ですが、こちらは怖いというよりはクスッと微笑ましくなる場面もあり、ほろりとしてしまう場面もありつつ、なぜだろ?ときになって先を読み進めたくもなり、かなり好みの作品でした。
    霊異が見える啓吾と霊異をみたい、会いたいと願う若様もいいコンビ。
    連作になっていて様々な事件や謎を追いつつ、最後にはスッキリと謎が解け、モヤモヤが残らない読後感も好きです。

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    2026年05月31日
  • めぐる糸 明治浪漫霊異譚

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    怪異というので、もっと怖いというかぞくっとする話もあったりするのかと思ったけどそんなことは一切なく、人に見えないモノが視えるという啓吾が若様と謎を解決するお話。
    若様は視たいのに視えない人らしく、でも祓う力をお待ちとのことでややこしい笑
    若様がまた、いい塩梅にお坊ちゃんで人がよく善意の塊なのよ。
    怖い怪異じゃないけど、気になる謎でサクサク読める。
    皐月がキーポイントになって、続編が出たりするのだろうか、続編でたら若様に会いたいから買ってしまうな。

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    2026年05月27日