永井紗耶子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ廃仏毀釈に象徴される明治初期のアイデンティティー喪失時に『秘仏』に関わった六人は人生における何かの扉を開けてしまった・・・法隆寺夢殿救世観音像という千年の秘仏が坐す厨子が開かれた明治、欧米人と日本が交わる時代の変動は物語として興味深いが、秘仏開陳の場に立ち会った人それぞれの人生を繰り返し見るのは2~3人で食傷気味だったことは内緒
①写真家小川一眞②宮内庁図書頭(臨時全国宝物取調局委員長)九鬼隆一③法隆寺住職(代表)千早定朝④取調局委員アーネスト・フェノロサ(外国人資産家ビゲロー)⑤宝物調査責任者(その1)岡倉覚三(天心)⑥古器旧物保存方人町田久成
結構人間味あふれる俗人ばかりで時代がそうなさし -
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Posted by ブクログ
永井沙耶子さんの『木挽町のあだ討ち』を読んで面白かったのでこちらを。
『木挽町のあだ討ち』と話がほぼ一緒で、読む気分が下がった。
立派な武士が悪徳御上に汚名を着せられ殺されるとか、放蕩中に許嫁との縁談が破談になるとか、エピソードが被り過ぎ。
円山応挙や上田秋成とか実在の人物が出てくる部分は少し興味を持てたけど、あまりに似通っていて前半は楽しめなかった。
後半からはオリジナル感が出てきて前半よりは気にせず読めた。
でも、世の中に対しての作家の主張とそれを伝えたい気持ちが強く、臭いというか古いというか、私的には微妙。
最近の若い作家さんや最近の作品は世の中や政治に物申さなければいけないみたいな