永井紗耶子のレビュー一覧

  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    とても良い小説だった。江戸中期、松平定信の改革の頃、江戸・木挽町の森田座近くで仇討ちがあった。父の仇討ちを成し遂げたのは、元服前の若侍、菊之助。事件から1年半後、この仇討ちの真相を探るべく、菊之助に縁のある加瀬総一郎が森田座を訪ねる。読者は、加瀬の立場に立って、木戸芸者の一八、立師の与三郎、女形のほたる…と5人から話を聞いていく。菊之助との関わりと5人の人生が語られるなか、徐々に真実が明らかになる。滑らかな語りかけるような口調の文体がとても読みやすく、人々の優しさと正義に触れ、温かな気持ちになった。

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    2026年05月17日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    初めての時代小説
    読めるかな? 映画化されてるし
    おもしろいかも…と手に取る。

    木挽き町の芝居小屋の近くで起きたあだ討ち。
    その目撃者たちの証言から始まる物語……

    第四幕くらいから
    あ〜もしかして〜? となるワクワク感。

    そして終幕
    主人公と一緒に目撃情報、それぞれの来し方を
    聞いてきたからこその
    この伏線回収には心から感動。

    悪所といわれている木挽き町の芝居小屋の人々の
    温かい人情にうるうる

    初めての時代小説は
    涙と感動の
    最高におもしろい1冊。









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    2026年05月16日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    映画を先に観てから読みました。普段は、原作→映画のパターンですが今回は結末を知りつつ、登場人物は映画のキャストをあてて読む…という感じでしたが、最初のあだ討ちのシーンは映像のおかげかよりイメージが深まりました。
    設定は若干異なるものの、最近の江戸時代マイブーム(蔦重)もあり芝居小屋や悪所と呼ばれる場所の背景が理解できた上で読めたのは良かったな。
     
    武士としての矜持、木挽町の人々の人情、芝居小屋のこと、舞台に立つものと支えるものの絆みたいな。
    でも結局は、どんな場所で育っても、地位が違っても、人と人なんだなと思わせてくれる、真剣に付き合って向き合えばわかりあえると信じられる物語でした。
    あだ討

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    2026年05月14日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    寝る前の寝落ち寸前を読書タイムに当てていて、読破まで時間はかかったけれど、読みやすく内容も分かりやすく、なるほど なるほどと読み進めていけました。
    読み返すとしたら…仇討という意味やその成り立ちなどをじっくりと読みたい。

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    2026年05月14日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    これは面白い。
    ただの仇打ちの話だと思い、最初はそこまで面白いと思わなかった。
    しかし、読み進めるうちにこれはただの仇打ちではないぞ、何か裏があるな、と少しずつ情報が解放されていく。
    また、話は誰かが木挽町の人々から話を聞いている内容で進められるのだが、その人々の背景も全て面白い。
    なぜタイトルがあだ打ちなのか、最後まで読み終わった時の爽快感が半端ない。
    久々にいい小説を読んだ。

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    2026年05月10日
  • 秘仏の扉

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     奈良は法隆寺夢殿、その厨子に安置された秘仏は千年以上ほとんど誰の目にも触れることなく長い時を過ごしてきた。時は明治、開けば災いもあると言い伝えられるその扉は開かれることになった。日本美術の評価に尽力するフェノロサと岡倉天心を中心にして。ついに姿を現す夢殿の救世観音像を前にして、彼らは何を思うのか――。

     ということで本書は明治期の日本を舞台にして、秘仏の開扉をめぐる人々のドラマを描いた連作集です。写真家や僧侶など様々な立場の人物が配されて、時系列を行ったり来たりさせて、それぞれの短編がゆるやかに繋がり、物語の奥行きが増していくのがとても心地の良い作品でした。ラストである人物が、「黎明の時代

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    2026年05月10日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    時は江戸。歌劇座がひしめく一角で、朗々とした口上とともにあだ討が成された。
    仇は悪名で鳴らした博徒で、それを打ち取ったるは色白の美少年である若殿。
    父の仇である博徒を打ち取った若殿は仇の首を持ち上げて、ここにあだ討は為されたことを宣言すると夜の闇に消えていった。

    そんな事件から2年が経ったころ、あだ討が成された通りにある歌劇座に一人の武士が訪れる。
    なんでもその時のあだ討の様子だけでなく、話し手の来し方も聞きたいという珍妙な客であった。

    と、この珍妙な客に応対する様々な人の答弁という形で話が進んでいく。

    話の進み方。ミステリー要素。そして何より喜悲こもごも綯交ぜにした人情劇。
    見事という

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    2026年05月06日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    いい話だった!とても清々しい良い気分で明日を迎えられそう。仇討ち話が多面的に語られる中で、少しずつ仇討ちの本当の姿が見えてくる構成も良かったです。仇討ちを語るそれぞれの人物の過去を聞いていくことで、菊之助に皆が力を貸したくなる気持ちに共感して、ますますラストの感動が高まるのでした!ご都合でもいい、こんな話が私は好きです。

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    2026年05月06日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    最初は少し難しいというか、読みにくい印象だった。途中から流れが分かり、それぞれの登場人物の背景を深掘りしながら、最後のどんでん返しは流石でした。やっぱり物語の終わり方はハッピーエンドの方が良い。

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    2026年05月05日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    武士の哀しさと芝居小屋の江戸っ子の意地。緻密に張り巡らされた伏線の末のあっと驚く結末。

    2年前に芝居小屋野前で起きた仇討ちを、目撃した芝居小屋の関係者を訪ねて回る一人の武士。複数の視点から次第に明かされていく仇討ちの真相。

    題名含め伏線が見事。クライマックスに向け読者の感情も盛り上がる。

    さすがの直木賞受賞作で映画化された作品。芝居がテーマかと見間違うほどディテールにも凝った素晴らしい作品でした。

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    2026年05月03日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    面白かった。
    江戸の風景が、芝居小屋が、語り手たちの人生が本当に目に見たように浮かんでくるようだった。

    時代小説苦手かもなんて思ったけど、
    むしろ好きかもしれない。
    今より縛りが多い時代だからこそ
    生き様や信念が苦しい中でも豊かに生きる術になっていたのではないかと思った。

    今さら過ぎるけども映画も気になる。

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    2026年05月03日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    ネタバレ

    木戸役者の口上に耳を貸したら、気づけば枡席で極上の芝居を見入っていた。

    とてもいい小説だった。粋でありながら、軽やかだ。古いけど新しい。昔ながらの歴史小説家には怒られるかもしれないが、歴史小説初心者の僕にとっては非常に読みやすかった。

    まず文章がいい。本当に小気味よく頭に入ってくる。語り部によってその読み口が異なるのだけど、どれも味わい深い。特に『枡席の場』は格別だった。

    森田座の人たちの来し方もいい。時代背景は違うはずなのに、不思議と胸を打つエピソードがいくつかあった。人が何かに悩み、それを乗り越えることはいつの時代だって同じなのだと勇気づけられた。

    そしてなんといってもあだ討ちに秘

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    2026年05月02日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    芥川龍之介の「藪の中」を思わせる群像劇。大河ドラマのべらぼうの時代とほぼかぶっていて、江戸時代のサブカルの世界が、蔦重とは別の世界で地続きに繋がっているような感覚。物語は、「仇討ち」ではなく「あだ討ち」であることに読者が気づいた時点で、一気に加速する。謎が解けるにつれて、主人公が不条理な世界から解放されていく展開が良かった。

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    2026年04月29日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    大好きな作家さんがもう1人増えました。何故"仇討ち"ではなく"あだ討ち"なのか?語り部となる木挽町の人々の来し方と菊之助の仇討ち、読み進める毎に裏にあるストーリーが明らかになり止まりませんでした。そして読み終わった後の爽快感がたまりません。厳しさや世の無情さの中にある人の暖かさを感じられました。暫く余韻に浸りたい気分です。

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    2026年04月27日
  • 青青といく

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    ネタバレ

    海保青陵という人を、この小説で初めて知った。
    江戸時代の封建制に似合わない、自由で柔軟な考え方を持つ。藩の縛りを解いて、経済を活発にする手立てを考える、経営コンサルタントのような人だ。
    こういう人に、武士の勤めができるはずがないし、商家の主人にも向いてはいない。その人生は、彼が亡くなった後に明らかになる・・・。

    最後の弟子となった弥兵衛は、16歳。弓を商う家の跡取りだが、弓職人も、商売も苦手で、海保青陵に惹かれていき、弟子となる。海保の死後、兄弟子の暁鐘成とともに、師が世話になった知人を訪ね歩く。その様子はちょっとした、弥次喜多道中のようだ。弟子たちは、海保青陵を知るにつれ、一つの謎に突き当

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    2026年04月16日
  • 秘仏の扉

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    昨年奈良旅行に行き
    法隆寺愛に溢れたガイドさんから
    2時間濃いぃ案内を受け、
    飛鳥の風を感じて本当感動しました。
    本著に登場する秘仏、救世観音は残念ながら公開時期ではなかったので拝見できませんでしたが
    宝物館で百済観音にはお会いできました。
    百済観音も目の前にすると畏怖というか、ほんとなんとも言えない気持ちになり、しばらく動けなくなりました(語彙が、、)

    そんな法隆寺にこんな苦境の時代があったなんて、、
    日本史で「廃仏毀釈」という言葉を教わった記憶はありますが
    1300年?の歴史ある法隆寺のようなお寺にまでその塁が及んでいたとは全く知りませんでした。

    秘仏開帳に関わった六人の男たちの話がオ

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    2026年04月10日
  • 大奥づとめ―よろずおつとめ申し候―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    2026/3/14
    江戸時代のお仕事小説。
    おもしろかったなぁ。別小説で出てきてた祐筆の人が出てたね。

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    2026年04月04日
  • 秘仏の扉

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    ネタバレ

    「光の在処」 小川一眞
    「矜持の行方」 九鬼隆一
    「空の祈り」 千早定朝
    「楽土への道」 アーネスト・フェノロサ
    「混沌の逃避」 岡倉天心
    「千年を繋ぐ」 町田久成

    『あの本読みました?』で見て気になっていた本。
    廃仏毀釈の話はあまり知らないので、色々驚いた。法隆寺の秘仏開帳に関わった人たちの人生。これはとても面白かった。岡倉天心以外は名前も知らない人たちだけど、色々興味が出てしまう。永井紗耶子さんは『木挽町の仇討ち』も良かったし、他の作品も読みたいな。

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    2026年03月24日
  • 青青といく

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    堅苦しい武家社会で、自由闊達な生き方を貫き通した儒学者、海保青陵。願わくば直に訓を説いて欲しいくらいである。読めば読むほど、弟子や仲間に慕われた彼の人柄が目に浮かぶ。最高潮の第五章に注目。家族の絆に感動。

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    2026年03月22日
  • 青青といく

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    江戸後期の経世家、儒学者の海保青陵。「経世在民」を唱え、自由自在を旨とし、江戸の世に自由な生き方を説いた青陵が亡くなるところから話が始まる。
    彼の最後の弟子である堺屋弥兵衛が、師の遺言である「遺灰は空に撒け」の言葉を胸に青陵ゆかりの人々を訪ね歩くいわばロードストーリー。

    「変人」と評される青陵の人となりがなんとも魅力的。弥兵衛が訪ねる先々で出会う青陵縁の人々が語る彼の逸話がいちいち面白い。
    膠着した武家のしきたりに異を唱え、自由な意見の交換を何より楽しむ姿。前例踏襲の悪弊を説き、変化を求めることの難しさも知りながら、「自由自在」を若い者たちに伝えていく過程。

    そんな師の姿を見聞きし、改めて

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    2026年03月15日