永井紗耶子のレビュー一覧
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ネタバレおそらく時代小説を初めて読んだ。一八の江戸っ子口調?にあまり馴染みがなく、最初は少々読みづらく感じたが、読めば読むほど各登場人物の人柄がにじみ出てくるような感じで、まるで木挽町で一緒に話を聞いているような、そしてお芝居を見ているような感覚であっという間に読み終えてしまった。
仇討ちの目撃者の話を聞いていくごとに明らかになる真実。途中の職人の話の章で「もしかしたら…?」と思い、作兵衛が登場したところでそれが確信に変わり、思った通りの結末ではあったけれど、それでも本当にお芝居を見ているような感覚で、最後まで飽きることなく楽しめた。芝居小屋が舞台だからこそ成されたあだ討ち。タイトルがなぜ「あだ討ち -
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素晴らしい!ここ近年の1番‼︎めっちゃ面白かった!なんでこれ読んでなかったんだろう。一見地味なタイトルと最初にチラ見した時の語り口調で手に取らなかったんだろうな。アホだな自分。映画前の駆け込みで読んだけど映画を先に観るべきだったか先に小説読んで正解だったかどっちかなぁ。とにかく素晴らしかった。これはホント直木賞!軽妙な江戸っ子の語り口も心踊るしラスト近くはなんだか不穏な話からミステリー仕立ての経過をたどりハラハラドキドキもあり、芝居や芝居関係者たちだからこその粋なラストも痛快で楽しく、出てくる人たちみんな魅力的でそれぞれの人情溢れるエピソードも感動的で電車で読んでて涙が出てきて困りました…こん
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話の筋は全体的にも面白いが、要素要素も面白かった。
芝居小屋に集う人々の身の上話に大きなカタルシスがある訳ではないが、それぞれが異なる環境で生まれ育ち、それぞれに苦悩を抱え、そして時に他者に助けられ生きて来た様子は正に人生そのものであり、彼らの息遣いを感じるようで興味深かった。フィクションの存在には違いないのだろうが、歴史の中には偉人と呼ばれるでもないこうした名も分からぬ市井の人々が確かにおり、物語とどこか似たところのある人生もあった筈だ。自分自身もまたそういう一人であることを思うと、後世にはこうしてその時代にいたかも知れない自分と近しい要素を持つ架空の人物が時代小説の中に出て来て同じように読 -
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ネタバレ※未読の方へ。ネタバレは見ないほうがいいぞ!!
面白かった!!!!!読後最初の一言はこれに尽きる。あまり時代ものに興味を持たない自分だけど、ちょうど来週から実写映画が上映されるし評判良さそうだし、と読んでみたら読む手が止まらない。あっという間に読み終えてしまった。
ミステリ仕立てというのは実写映画に出演している役者が番宣で話していたので知っていたし、正直お与根さんの章あたりでこれはもしかして?と感じていたけれど、最後に全ての真実が明るみになってもその面白さは損なわれなかった。
何より、タイトル回収が気持ち良すぎる!!座って読んでたら本当に膝叩いてたと思うわ。
役者小屋の面々の一人ひとり森 -
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永井さんの作品を手に取るのは『木挽町のあだ討ち』以来でした。おもな登場人物は若き日の遠山金四郎、狂歌師の太田南畝、浮世絵師の歌川国貞。この3人が絶妙のチームワークで花魁殺しの真相に迫っていくというストーリー。
金四郎が笛方見習いとして、木挽町の芝居小屋森田座に出入りしていることといい、彼が事件にかかわる人々に次々と話を聞いていくという話のプロットといい、いずれも『木挽町…』に似ていて、もしかしたらこのデビュー作が下敷きになっているのかもと思いました。
本作は、時代劇にありがちな「勧善懲悪」の枠には収まらない、江戸の世の身分制度やしきたりに絡めとられた人々の、悲哀がずしんと腹に残るような読後 -
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ネタバレ単行本で2回読んで(2回目は歌舞伎観劇の予習)、今回は3回目。
単行本と文庫は同じ内容のようだけど、たまに、「この記述ってあったかな?」と新鮮に感じるところがあった。どんどん記憶がこぼれていく悲しさ……。
今回は、映画化に向けての再読。やはり、涙腺が緩むような、胸が熱くなる物語。やっぱり面白い!
大河ドラマ「べらぼう」を1年間観終えたばかりで、「あのあたりの時代か」と思い当たるところがちょこちょこあったのも面白かった(火山の噴火や、松平定信の娯楽の禁止など)。これは前回も感じたことだが(と言っても読み返すまですっかり忘れていたのだが)身請けが決まったなじみの花魁の花魁道中のシーンなど、「べら