土屋政雄のレビュー一覧

  • 千の輝く太陽

    購入済み

    抑圧される少女たちの姿に胸が痛くなります。
    しかし、「暗い」「重い」というだけの話ではありません。
    過酷な状況の中でも生きる強さ。何もかも奪われても大切な人に手を伸ばす優しさ。
    周りがどんなに彼女たちを黒く塗りつぶそうとしても、彼女たちの命は輝いています。

    カズオ・イシグロ作品の翻訳もされている土屋政雄さんの、読みやすくも格調高い翻訳が素晴らしい。

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    2019年11月20日
  • 忘れられた巨人

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    やはりカズオ イシグロの作品はとても面白いですね♪
    記憶が霧に消されている時代の老いた夫婦が息子を訪ねる旅に出るところから始まった物語は不思議な臨場感を伴いながら読者をブリテンの神話世界に誘うけど門外漢の私達にも違和感無くいにしえの世界を旅させて呉れる。「忘れられた巨人」との邦題になっているけど原題(埋められた とか葬られた)のほうがピッタリな気がする。それにしても面白かった!

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    2018年12月14日
  • 千の輝く太陽

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    読んで良かった。
    約半世紀に渡って、アフガニスタンで女性が置かれた過酷な状況について、どんなノンフィクションよりも雄弁に伝えているのではないかと想像する。同じ名前の女性が同じ場所に実際にいたわけではないはずだが、マリアムとライラに自分の人生を重ね合わせられるアフガニスタン女性がたくさんいるのだろう。
    とにかく重い。

    マリアムとライラに、そして彼女たちの子どもたちにも共通しているのは、幼い頃からそれが当たり前の状況の中で成長しているということ。まだ判断力のない幼い子どもたちにそのような思いをさせないために、大人はもっと思慮深くなければならないと思った。

    重い話だがラストはとても感動的な余韻が

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    2018年11月23日
  • 忘れられた巨人

    購入済み

    忘れられた巨人

    ともかく、読んで下さい
    全ての描写に感動する筈です

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    2017年10月12日
  • ダロウェイ夫人

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    ヴァージニアウルフは『灯台へ』と本作しか読んでいないけれど、最も魅了される作家のひとり。

    意識の流れを繊細に描写した文体は、登場人物への深い共感を可能にし、内容は一見すると平凡だが作品は不思議な明るさに包まれている。

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    2017年01月21日
  • ダロウェイ夫人

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    存在するっておかしなこと。

    昔読んだ時は、クラリッサ=セプティマスなのがよくわからなかった。読み返してみて、本当に、ものすごいシンクロっぷりに驚いた。どうして前読んだ時、気づかなかったんだろう。

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    2016年02月20日
  • ねじの回転

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    霊を見た人の手記を他者が朗読するという形式の物語。ゆえに現実と虚構の境界がゆるゆるで、この本が多層的に理解可能になっている。いろんな気づきがあった面白い本です。

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    2016年02月07日
  • 千の輝く太陽

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    アフガニスタン人筆者によるアフガニスタン女性二人の話。因習、歴史、文化、戦争、政治、色んなことが絡み合って動いていくアフガニスタンで、「実際に」生活を送る人の様子にすごく臨場感があった。少しアフガニスタンが自分の中で近くなったと思った小説だった。こんな人たちが暮らしてて、その人たちがこんな風に苦しんで、こんな風に翻弄されているんだ、と。

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    2014年09月21日
  • 日本文学史 古代・中世篇四

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    いよいよ歴史は武士の時代へ。歴史(政治)が文学を変えていく動因だということがよくわかります。そして、そんな変化の時代は、芸術が一瞬のきらめきを放つ時代。平家物語、新古今和歌集、方丈記が、13世紀初頭という同時代に成立しているんですね。キーン氏の筆もさえにさえてます。

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    2014年08月09日
  • 守備の極意(上)

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    2年前に原書で読んで、今回は訳書で再読。
    再読すると、アパリシオの『守備の極意』が小説全体のテーマになっていることに(ようやく)気づいて、「ああ!」となる。この「守備の極意」の文章、冒頭の練習場面の文章など、まさにきらきらしていてかっこいい、達意の訳文。原文ではあまりに時間をかけすぎて、かえって味わいきれなかったところを、たっぷり愉しみながら上巻を読み終えた。

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    2014年05月30日
  • ねじの回転

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    なんだろう、天使のような子供たちが一転、悪魔のような振る舞いを見せ始める、というモチーフはこの作品からなんだろうな。

    確かに恐怖を感じるかも知れない、先生なような潔癖そうな人物は特に。
    子供の不気味さを感じる。
    幕切れはあっけない。

    恐怖を感じるのは、あくまで子供の悪意にであり、底知れなさ。
    2人の幽霊には恐怖は覚えない。

    巻末の解説で詳細に語られるが、2人の幽霊の怖さは、社会的にタブーな領域に踏み込む怖さらしい。


    恩田陸が大好きそうだが、恩田陸は怖いと言うより賢い子供が出てくるし、子供視点で話が進む。

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    2012年11月11日
  • ねじの回転

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    ひええ。おそろおもしろい。イギリス。お屋敷。家庭教師。ひたひたと忍び寄る恐怖。恐ろしいのは、亡霊か、人間か。みんな大好きイシグロ作品でお馴染みの信頼感がある土屋訳。圧倒的に美しい日本語。読書会の課題本にしたい。
    (再読)一日で二回も読んでしまった本は久しぶり。

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    2012年10月06日
  • ダロウェイ夫人

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    ネタバレ

    とても好き。
    どうやったら、この内容で、こんな文が書けるのかわからない。
    事件といえるような事件はおこっていないと思う(ピーターが帰ってくることや、サリーがパーティにやってくることは事件にはいらないと思った)。それでも読ませる力があるし、心を動かされる。それがすごい。本当にすごい。

    これを読んだ後に、「めぐりあう時間たち」(映画)を見ると、また二つの作品が相互に影響しあって、より楽しむことができる、と思う。

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    2011年11月19日
  • 日の名残り

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    ネタバレ

    内省的で抑制された文章、よく考えられたプロット。
    イギリスを舞台とした日本の私小説のようでいて、
    それでいて英国精神がに根底に流れる本。
    日本の作家でいえば村上春樹氏と近いのかもしれないが
    イシグロの方が剛直か。

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    2026年04月20日
  • ダロウェイ夫人

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    6月のとある一日における、ダロウェイ夫人を初めとした登場人物たちの意識の流れを描いた小説。
    改段もなしに別の人物の意識に次々とすり変わっていくので、あまり真面目に読み込もうとすると大変だけど、さらさらと読み流していけば、様々な人々の様々な意識の流れの交差点が見えてきて面白い。
    生と死、若さと老い、美と醜、性、金銭・・・誰もがそれぞれの頭の中でそうしたものに囚われて生き続けるわけだ。

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    2010年08月02日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ネタバレ

    仕事の休憩時間を使って完読。
    静かに、かなり具体的な生活描写や出来事が語られる中、徐々に明らかになる事実が筋を持って物語を支えています。
    共感するのはかなり難しいですが、登場人物達の境遇を受け入れた静かな生が胸を打ちました。

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    2026年06月19日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ネタバレ

    『日の名残り』を読み終えた時は、ただただ、素晴らしい読書体験だった。という感じだった。
    けど、この作品は、どこに注目して感想を持ったらよいか、わからなかった。臓器移植を目的とされて作られたクローン人間の話しであることを知っていたのが悪かったのか?読んでいるときもどこが「盛り上がり」なのか、わからなかった。
    でも、今、わたしなりに思うことは、どんな社会であろうと「どこに立つか」で世界は変わるということ。そう気づくと、あらゆるエピソードが「盛り上がり」だった。すごすぎ。

    はぁ〜、トミー!早くキャシーを迎えにいってあげて。

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    2026年06月14日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    6年ほど前から読みたいと思っててやっと読みました。
    序盤では、寄宿学校での話かなーなんて思っていたらとんでもない。びっくりしました
    登場人物たちは抵抗をしようとしながら、結局は自分の運命を受け入れていくのもかなしい

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    2026年06月09日
  • 日の名残り

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    ネタバレ

    戦前のイギリスの執事が、数日間のドライブでの旅を舞台に、自分の人生を振り返る。執事という仕事にささげてきた自分、父親、そして元女中頭のミス・ケントンなど、旅の場面場面で多くの回想を交えながら、誇りとやるせなさの混じったような気持ちを吐露していくような内容に、古い時代の異国の物語ながら、郷愁を感じてしまう作品でもあった。著者の作品は初読で、他の有名作も読んでみたい。

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    2026年06月07日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    最後の盛り上がりまでが長い…読んでて単調すぎて辛くなりましたが、最後のところはまぁ良かったかなぁと。最初は施設にいるキャシー視点からずっと物語が進むとこがとても単調。キャシーたちは『臓器提供』のために生まれてきたことは薄ら分かっている。あるとき、外から自分たちがどう思われていてどう扱われているのか、キャシー達がちゃんと気づいたとき、はっとさせられました。

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    2026年06月06日