土屋政雄のレビュー一覧
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購入済み
抑圧される少女たちの姿に胸が痛くなります。
しかし、「暗い」「重い」というだけの話ではありません。
過酷な状況の中でも生きる強さ。何もかも奪われても大切な人に手を伸ばす優しさ。
周りがどんなに彼女たちを黒く塗りつぶそうとしても、彼女たちの命は輝いています。
カズオ・イシグロ作品の翻訳もされている土屋政雄さんの、読みやすくも格調高い翻訳が素晴らしい。 -
Posted by ブクログ
読んで良かった。
約半世紀に渡って、アフガニスタンで女性が置かれた過酷な状況について、どんなノンフィクションよりも雄弁に伝えているのではないかと想像する。同じ名前の女性が同じ場所に実際にいたわけではないはずだが、マリアムとライラに自分の人生を重ね合わせられるアフガニスタン女性がたくさんいるのだろう。
とにかく重い。
マリアムとライラに、そして彼女たちの子どもたちにも共通しているのは、幼い頃からそれが当たり前の状況の中で成長しているということ。まだ判断力のない幼い子どもたちにそのような思いをさせないために、大人はもっと思慮深くなければならないと思った。
重い話だがラストはとても感動的な余韻が -
Posted by ブクログ
ネタバレ忘れられた巨人
はじめての「カズオ イシグロ」でした。
物語はアーサー王時代直後のイングランド。血で血を洗う争いが収まり、竜の吐息のせいで人々が諍いを忘れ平安に暮らしている。
アクセルとベアトリスの老夫婦はある日忘却の彼方にある息子の元へ旅立とうと決意する。
鬼を退治した戦士と鬼にさらわれて咬まれてしまったために村を追われた少年と旅を続けるうち、忘却の原因が竜の吐息のせいだと知り、その竜退治につきあうことになる。
竜退治のために派遣され長年それを果たせずにいるドンキホーテのような騎士も加わりますが、騎士の本当の目的は・・・
竜が退治され記憶が甦ることによって、甦る殺戮の記憶、そして復讐の念。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「品格の有無を決定するものは、みずからの職業的あり方を貫き、それに堪える能力だ」
「私はダーリントン卿にお仕えしたことで、この世界という車輪の中心に、夢想もしなかったほど近づくことができた」
「もしかしたら実現していたかもしれない別の人生を、よりよい人生を──たとえば、ミスター・スティーブンス、あなたといっしょの人生を──考えたりするのです」
品格という言葉が多く出てきて、仕事のスタンスや取り組み方が良くも悪くも硬派だなと。プロフェッショナルであることに疑いはないが、いまのライフを重んじる考え方とはまた違うかも。
別の人生があったら…と思ってしまうのは古今東西変わらないのだろうと。最後は夕焼