土屋政雄のレビュー一覧

  • 千の輝く太陽

    Posted by ブクログ

    読んで良かった。
    約半世紀に渡って、アフガニスタンで女性が置かれた過酷な状況について、どんなノンフィクションよりも雄弁に伝えているのではないかと想像する。同じ名前の女性が同じ場所に実際にいたわけではないはずだが、マリアムとライラに自分の人生を重ね合わせられるアフガニスタン女性がたくさんいるのだろう。
    とにかく重い。

    マリアムとライラに、そして彼女たちの子どもたちにも共通しているのは、幼い頃からそれが当たり前の状況の中で成長しているということ。まだ判断力のない幼い子どもたちにそのような思いをさせないために、大人はもっと思慮深くなければならないと思った。

    重い話だがラストはとても感動的な余韻が

    0
    2018年11月23日
  • 忘れられた巨人

    購入済み

    忘れられた巨人

    ともかく、読んで下さい
    全ての描写に感動する筈です

    0
    2017年10月12日
  • ダロウェイ夫人

    Posted by ブクログ

    ヴァージニアウルフは『灯台へ』と本作しか読んでいないけれど、最も魅了される作家のひとり。

    意識の流れを繊細に描写した文体は、登場人物への深い共感を可能にし、内容は一見すると平凡だが作品は不思議な明るさに包まれている。

    0
    2017年01月21日
  • ダロウェイ夫人

    Posted by ブクログ

    存在するっておかしなこと。

    昔読んだ時は、クラリッサ=セプティマスなのがよくわからなかった。読み返してみて、本当に、ものすごいシンクロっぷりに驚いた。どうして前読んだ時、気づかなかったんだろう。

    0
    2016年02月20日
  • ねじの回転

    Posted by ブクログ

    霊を見た人の手記を他者が朗読するという形式の物語。ゆえに現実と虚構の境界がゆるゆるで、この本が多層的に理解可能になっている。いろんな気づきがあった面白い本です。

    0
    2016年02月07日
  • 千の輝く太陽

    Posted by ブクログ

    アフガニスタン人筆者によるアフガニスタン女性二人の話。因習、歴史、文化、戦争、政治、色んなことが絡み合って動いていくアフガニスタンで、「実際に」生活を送る人の様子にすごく臨場感があった。少しアフガニスタンが自分の中で近くなったと思った小説だった。こんな人たちが暮らしてて、その人たちがこんな風に苦しんで、こんな風に翻弄されているんだ、と。

    0
    2014年09月21日
  • 日本文学史 古代・中世篇四

    Posted by ブクログ

    いよいよ歴史は武士の時代へ。歴史(政治)が文学を変えていく動因だということがよくわかります。そして、そんな変化の時代は、芸術が一瞬のきらめきを放つ時代。平家物語、新古今和歌集、方丈記が、13世紀初頭という同時代に成立しているんですね。キーン氏の筆もさえにさえてます。

    0
    2014年08月09日
  • 守備の極意(上)

    Posted by ブクログ

    2年前に原書で読んで、今回は訳書で再読。
    再読すると、アパリシオの『守備の極意』が小説全体のテーマになっていることに(ようやく)気づいて、「ああ!」となる。この「守備の極意」の文章、冒頭の練習場面の文章など、まさにきらきらしていてかっこいい、達意の訳文。原文ではあまりに時間をかけすぎて、かえって味わいきれなかったところを、たっぷり愉しみながら上巻を読み終えた。

    0
    2014年05月30日
  • ねじの回転

    Posted by ブクログ

    なんだろう、天使のような子供たちが一転、悪魔のような振る舞いを見せ始める、というモチーフはこの作品からなんだろうな。

    確かに恐怖を感じるかも知れない、先生なような潔癖そうな人物は特に。
    子供の不気味さを感じる。
    幕切れはあっけない。

    恐怖を感じるのは、あくまで子供の悪意にであり、底知れなさ。
    2人の幽霊には恐怖は覚えない。

    巻末の解説で詳細に語られるが、2人の幽霊の怖さは、社会的にタブーな領域に踏み込む怖さらしい。


    恩田陸が大好きそうだが、恩田陸は怖いと言うより賢い子供が出てくるし、子供視点で話が進む。

    0
    2012年11月11日
  • ねじの回転

    Posted by ブクログ

    ひええ。おそろおもしろい。イギリス。お屋敷。家庭教師。ひたひたと忍び寄る恐怖。恐ろしいのは、亡霊か、人間か。みんな大好きイシグロ作品でお馴染みの信頼感がある土屋訳。圧倒的に美しい日本語。読書会の課題本にしたい。
    (再読)一日で二回も読んでしまった本は久しぶり。

    0
    2012年10月06日
  • ダロウェイ夫人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    とても好き。
    どうやったら、この内容で、こんな文が書けるのかわからない。
    事件といえるような事件はおこっていないと思う(ピーターが帰ってくることや、サリーがパーティにやってくることは事件にはいらないと思った)。それでも読ませる力があるし、心を動かされる。それがすごい。本当にすごい。

    これを読んだ後に、「めぐりあう時間たち」(映画)を見ると、また二つの作品が相互に影響しあって、より楽しむことができる、と思う。

    0
    2011年11月19日
  • 日の名残り

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    内省的で抑制された文章、よく考えられたプロット。
    イギリスを舞台とした日本の私小説のようでいて、
    それでいて英国精神がに根底に流れる本。
    日本の作家でいえば村上春樹氏と近いのかもしれないが
    イシグロの方が剛直か。

    0
    2026年04月20日
  • ダロウェイ夫人

    Posted by ブクログ

    6月のとある一日における、ダロウェイ夫人を初めとした登場人物たちの意識の流れを描いた小説。
    改段もなしに別の人物の意識に次々とすり変わっていくので、あまり真面目に読み込もうとすると大変だけど、さらさらと読み流していけば、様々な人々の様々な意識の流れの交差点が見えてきて面白い。
    生と死、若さと老い、美と醜、性、金銭・・・誰もがそれぞれの頭の中でそうしたものに囚われて生き続けるわけだ。

    0
    2010年08月02日
  • 日の名残り

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    戦前のイギリスの執事が、数日間のドライブでの旅を舞台に、自分の人生を振り返る。執事という仕事にささげてきた自分、父親、そして元女中頭のミス・ケントンなど、旅の場面場面で多くの回想を交えながら、誇りとやるせなさの混じったような気持ちを吐露していくような内容に、古い時代の異国の物語ながら、郷愁を感じてしまう作品でもあった。著者の作品は初読で、他の有名作も読んでみたい。

    0
    2026年06月07日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    Posted by ブクログ

    最後の盛り上がりまでが長い…読んでて単調すぎて辛くなりましたが、最後のところはまぁ良かったかなぁと。最初は施設にいるキャシー視点からずっと物語が進むとこがとても単調。キャシーたちは『臓器提供』のために生まれてきたことは薄ら分かっている。あるとき、外から自分たちがどう思われていてどう扱われているのか、キャシー達がちゃんと気づいたとき、はっとさせられました。

    0
    2026年06月06日
  • 日の名残り

    Posted by ブクログ

    イギリスの大きな屋敷で執事をしている主人公は、雇い主からの提案で小旅行をする。

    旅行中、
    以前の雇い主の元での様々な出来事を思い出し、
    読み手に語る。

    その語り口調がイギリス上流階級の、
    伝統を重んじるかんじで、
    主人公の真面目さを感じた。

    真面目さでいうと、
    ジョークをよく飛ばす今の雇い主への対応に
    気を揉んでいる様子が面白かった。

    ラジオや本を読んでどう冗談を言ったらいいか
    勉強して雇い主のジョークに適切に答えることを
    「新しい任務」として大真面目に頑張ったり、、

    冗談を冗談で上手く返して、
    雇い主を楽しませられないのは職務怠慢にあたるのではと考えたり、、

    架空のことをいつまで

    0
    2026年06月04日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    Posted by ブクログ

    カズオ・イシグロさんの著書は2冊目でしたが、やはりクライマックスまでが長い。笑
    気が短い自分なので早く結末が知りたくなってしまう。
    ただ圧巻のラストでは、登場人物の運命に泣きました。

    科学技術と倫理という普遍的な問いを残酷に突きつけてくる一冊でした。

    0
    2026年06月04日
  • クララとお日さま

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    AF(Artificial Friend:人工親友)の女の子であるクララの目線で語られる、未来の世界の物語。
    他のカズオ・イシグロ作品でもしばしば見られるように、柔らかく優しい語り口でとんでもないディストピアを描き出す。(好き!)

    クララは病弱な女の子、ジェシーの家に買い取られ、ジェシー、その母親および家政婦と共に暮らすようになる。ジェシーの"親友"としての役割に邁進するクララだが、ジェシーの病状は次第に悪化し、さらに家族の仄暗い秘密も明らかになっていく。
    物語の世界において当たり前に存在するらしい、優勢思想的な技術もストーリーに影を落とす。

    クララは非常に優れた人工知

    0
    2026年05月24日
  • 日の名残り

    Posted by ブクログ

    最初から最後までなにもなく静かに流れていく日常
    でも世界は確実に動いていて、それをある執事の語り口から垣間見ていく不思議な体験でした。
    自分はスティーブンスはプロ意識の高い優れた人だとおもったけれど、感想を語った相手のAIが反論してきて少し面白かったです。
    わたしは歪んでいるのだろうか、、、

    0
    2026年05月23日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    Posted by ブクログ

    グッとくる言い回し、作者の新奇性に富んだメッセージ、みたいなものは良い意味でない。精緻に主人公の内面が積み上げられていく過程で、物語世界も解像度が上がっていく感覚が唯一無二。遺伝子工学の発展やその倫理的問題について議論がなされる現代において、作者自身の思想や意見を表面化させずに描ききるところに感動した。あと、最終盤での昔のトミーの癇癪について触れる場面が良かった。

    0
    2026年05月20日