土屋政雄のレビュー一覧

  • 忘れられた巨人

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    やはりカズオ イシグロの作品はとても面白いですね♪
    記憶が霧に消されている時代の老いた夫婦が息子を訪ねる旅に出るところから始まった物語は不思議な臨場感を伴いながら読者をブリテンの神話世界に誘うけど門外漢の私達にも違和感無くいにしえの世界を旅させて呉れる。「忘れられた巨人」との邦題になっているけど原題(埋められた とか葬られた)のほうがピッタリな気がする。それにしても面白かった!

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    2018年12月14日
  • 千の輝く太陽

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    読んで良かった。
    約半世紀に渡って、アフガニスタンで女性が置かれた過酷な状況について、どんなノンフィクションよりも雄弁に伝えているのではないかと想像する。同じ名前の女性が同じ場所に実際にいたわけではないはずだが、マリアムとライラに自分の人生を重ね合わせられるアフガニスタン女性がたくさんいるのだろう。
    とにかく重い。

    マリアムとライラに、そして彼女たちの子どもたちにも共通しているのは、幼い頃からそれが当たり前の状況の中で成長しているということ。まだ判断力のない幼い子どもたちにそのような思いをさせないために、大人はもっと思慮深くなければならないと思った。

    重い話だがラストはとても感動的な余韻が

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    2018年11月23日
  • 忘れられた巨人

    購入済み

    忘れられた巨人

    ともかく、読んで下さい
    全ての描写に感動する筈です

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    2017年10月12日
  • ダロウェイ夫人

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    ヴァージニアウルフは『灯台へ』と本作しか読んでいないけれど、最も魅了される作家のひとり。

    意識の流れを繊細に描写した文体は、登場人物への深い共感を可能にし、内容は一見すると平凡だが作品は不思議な明るさに包まれている。

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    2017年01月21日
  • ダロウェイ夫人

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    存在するっておかしなこと。

    昔読んだ時は、クラリッサ=セプティマスなのがよくわからなかった。読み返してみて、本当に、ものすごいシンクロっぷりに驚いた。どうして前読んだ時、気づかなかったんだろう。

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    2016年02月20日
  • ねじの回転

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    霊を見た人の手記を他者が朗読するという形式の物語。ゆえに現実と虚構の境界がゆるゆるで、この本が多層的に理解可能になっている。いろんな気づきがあった面白い本です。

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    2016年02月07日
  • 千の輝く太陽

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    アフガニスタン人筆者によるアフガニスタン女性二人の話。因習、歴史、文化、戦争、政治、色んなことが絡み合って動いていくアフガニスタンで、「実際に」生活を送る人の様子にすごく臨場感があった。少しアフガニスタンが自分の中で近くなったと思った小説だった。こんな人たちが暮らしてて、その人たちがこんな風に苦しんで、こんな風に翻弄されているんだ、と。

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    2014年09月21日
  • 日本文学史 古代・中世篇四

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    いよいよ歴史は武士の時代へ。歴史(政治)が文学を変えていく動因だということがよくわかります。そして、そんな変化の時代は、芸術が一瞬のきらめきを放つ時代。平家物語、新古今和歌集、方丈記が、13世紀初頭という同時代に成立しているんですね。キーン氏の筆もさえにさえてます。

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    2014年08月09日
  • 守備の極意(上)

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    2年前に原書で読んで、今回は訳書で再読。
    再読すると、アパリシオの『守備の極意』が小説全体のテーマになっていることに(ようやく)気づいて、「ああ!」となる。この「守備の極意」の文章、冒頭の練習場面の文章など、まさにきらきらしていてかっこいい、達意の訳文。原文ではあまりに時間をかけすぎて、かえって味わいきれなかったところを、たっぷり愉しみながら上巻を読み終えた。

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    2014年05月30日
  • ねじの回転

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    なんだろう、天使のような子供たちが一転、悪魔のような振る舞いを見せ始める、というモチーフはこの作品からなんだろうな。

    確かに恐怖を感じるかも知れない、先生なような潔癖そうな人物は特に。
    子供の不気味さを感じる。
    幕切れはあっけない。

    恐怖を感じるのは、あくまで子供の悪意にであり、底知れなさ。
    2人の幽霊には恐怖は覚えない。

    巻末の解説で詳細に語られるが、2人の幽霊の怖さは、社会的にタブーな領域に踏み込む怖さらしい。


    恩田陸が大好きそうだが、恩田陸は怖いと言うより賢い子供が出てくるし、子供視点で話が進む。

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    2012年11月11日
  • ねじの回転

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    ひええ。おそろおもしろい。イギリス。お屋敷。家庭教師。ひたひたと忍び寄る恐怖。恐ろしいのは、亡霊か、人間か。みんな大好きイシグロ作品でお馴染みの信頼感がある土屋訳。圧倒的に美しい日本語。読書会の課題本にしたい。
    (再読)一日で二回も読んでしまった本は久しぶり。

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    2012年10月06日
  • ダロウェイ夫人

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    ネタバレ

    とても好き。
    どうやったら、この内容で、こんな文が書けるのかわからない。
    事件といえるような事件はおこっていないと思う(ピーターが帰ってくることや、サリーがパーティにやってくることは事件にはいらないと思った)。それでも読ませる力があるし、心を動かされる。それがすごい。本当にすごい。

    これを読んだ後に、「めぐりあう時間たち」(映画)を見ると、また二つの作品が相互に影響しあって、より楽しむことができる、と思う。

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    2011年11月19日
  • 日の名残り

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    ネタバレ

    内省的で抑制された文章、よく考えられたプロット。
    イギリスを舞台とした日本の私小説のようでいて、
    それでいて英国精神がに根底に流れる本。
    日本の作家でいえば村上春樹氏と近いのかもしれないが
    イシグロの方が剛直か。

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    2026年04月20日
  • ダロウェイ夫人

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    6月のとある一日における、ダロウェイ夫人を初めとした登場人物たちの意識の流れを描いた小説。
    改段もなしに別の人物の意識に次々とすり変わっていくので、あまり真面目に読み込もうとすると大変だけど、さらさらと読み流していけば、様々な人々の様々な意識の流れの交差点が見えてきて面白い。
    生と死、若さと老い、美と醜、性、金銭・・・誰もがそれぞれの頭の中でそうしたものに囚われて生き続けるわけだ。

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    2010年08月02日
  • 月と六ペンス

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    最初の3章はつまらなく感じて、なんの本を読んでいるのか分からなかった。
    でも、次第にほんの世界にのめり込んでいって結局夢中で読みました。
    時代も土地も違うから、俯瞰で読んでいる。なのにすごく想像ができる、不思議な本でした。
    画家はとんでもない人間で、周りの人々の人生をめちゃくちゃにする、とあらすじを(途中で)読んだので、ストリックランドには嫌悪感を覚えてこの本を読み終わるのだろうと思っていました。
    しかし、たしかにストリックランドはめちゃくちゃですが、とても魅力的に描かれていて、彼を嫌いだと思う暇はなかったです。

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    2026年04月17日
  • 日の名残り

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    優しい文章。読みやすい。
    イメージする執事の典型な感じ。執事としての矜持が素晴らしい、古き良き時代を感じた。

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    2026年04月16日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    描かれている物語は残酷なのに
    登場人物は自分たちの人生に対して残酷だと思っていない
    クローンであることを当たり前のこととして認識している

    『運命を仕組まれた子供達』的な設定が大好きだけど
    この作品はまた違った良さがあった。

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    2026年04月15日
  • クララとお日さま

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    AFという存在が子どもにとってなくてはならない親友なのに、成長したら型落ちの廃品扱いなのが悲しい。
    どこかディストピア感があって、カズオイシグロらしい寂寥さがあちらこちらにあるのが良い。

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    2026年04月15日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ネタバレ

    読み終えると様々な思いが生まれ、不思議と心がかき乱される。古くからある題材だし、結末も予想できるものなのに。劇的な展開を排し、我々と変わりない日常生活を丹念に描き、理性的な主人公にその心情を語らせる。その手法が共感を生むのだろう。この悲劇の裏側では、我々の現実世界では救えない命が救われている。どちらがディストピアか。エミリー先生とルーシー先生のどちらが正しいのか。登場人物たちが行わなかった手段(反乱や逃亡や抗議の自死など)を自分はとるか。我々の人生もこの物語の悲劇性を内包しているのではないか。どれも答えはでない。

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    2026年04月08日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ゆっくりと謎が明かされていく構成で、静かに進むが読後強く心に残る作品。
    ヘールシャムとは何だったのかを考えながら読む中で、登場人物たちの何気ない会話や感情に、言いようのないもやもやが残った。
    当たり前のように与えられている「選べる将来」について考えさせられ、時間の大切さを改めて感じた。
    これまでにない、少し変わった読書体験だった。

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    2026年04月07日