本当によくできていて、大いに泣いたし、未来が少し明るくて慰められた。
アフガニスタンの70年代から今を生きる2人の女性の物語。
アフガニスタンに共産主義者居たんだという驚きや、どのように情勢が変わっていったかよく分かるし、その中で翻弄されていく女性達の痛みや苦しみがひしひし伝わる。
遠い国の話だが、
...続きを読むそんな彼女達の感情に共感できる事も多く、人間の普遍的なものを辿っていく小説でもある。
昔は、各国の小説はそれぞれの文化や歴史の差異を読んでいたが、今は見た目・境遇がちがっても本質的には同じだ、という同質性を読む時代、らしい。それだけ多様化してグローバルな時代になったということなんだろう。
所々に出てくるアフガニスタンの山岳地帯や料理の美しさ。今はなきバーミヤンの上に登って人や家畜が暮らす様子を眺める静かなひと時。
沢山の苦しみと確かな愛。
今の情勢ではとても足を踏み入れることはできないけど、いつか美しいアフガニスタンを見てみたい。
カーレド・ホッセイニは自らも医者であるからか、タリバンに支配されてる中でも必死に女性を助ける医師や、生まれてくる子供に罪は無いことを繰り返し書くなど、命の尊さと平等さ、人道的な事を入れていて、それが悲惨な状況を少し和らげてくれている。
とっても良い小説を読んだ。他の作品も読みたい。