【感想・ネタバレ】クララとお日さまのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年11月16日

この作品を読んでいる間、何故か、当時ビッグコミックスピリッツに連載されていた「ぽんこつポン子」(作·矢寺圭太)が頭の中をグルグル旋回していたのを覚えています。
まぁ、共通点は「ヒロインがロボット」って所ぐらいですが。
先日、矢寺さんの新作が刊行されたので、思い出しました

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Posted by ブクログ 2023年09月23日

 初めてカズオ・イシグロさんの作品を手にしました。

 敷居が高くて取っ付きにくい感じかな。
などと勝手に思っていました。

 それは大きな勘違いでした。

とても感じが良く、品があって素敵でユーモアもあり、自然と惹かれてしまいました。

 とても魅力的です。
 

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Posted by ブクログ 2023年08月28日

AIロボットが語り手というのがとても斬新で良かった。クララが混乱して(?)、情報処理がスムーズに行われていない時の表現が最初は意味が分からなくて「???」てなってしまったけど、ロボット目線だとこうなのかと分かったらちょっと可笑しかった。そしてクララがとても健気で良い子。最後の再会シーンは、場所が場所...続きを読むだけにとても切なかったなぁ。

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Posted by ブクログ 2023年08月26日

AIロボット、クララの物語はすべて、私たちの心や生き方に切実に迫り、深く問いかける。クララの脱線は、私たちの誰もが経験する脱線であり、俯瞰して見ればあまりにも滑稽で修復可能なように思えても、当事者にはそれが唯一の真実であり、到底修復し得ない、運命としか言えない脱線である。AIロボットの無垢、ひたむき...続きを読む、アルゴリズム、執念、献身、自己犠牲、そしてお日さまへの祈り。人間とロボットとの距離と境界は、鉄腕アトムから70年を経てここまで近接し、曖昧になった。『日の名残り』や『わたしを離さないで』で抑制のきいた美しいイシグロ作品との調和をみせた土屋政雄の翻訳が、静かな生命倫理のレッスンへと読者をいざなう。

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Posted by ブクログ 2023年07月10日

人工知能であるAFのクララと病弱の女の子ジョジー、主にこの2人の物語。

人工知能といえども、もはやそれは“心”を持ち、人を超えるくらい人間の知識を持つ人のような存在。

クララは見たもの全てを信じ、お日様という絶対的な存在を崇高するほど、いわば単純な面もあるが、一方で思いやりを持ち続けどんな時でも...続きを読むジョジーを支えるという使命を持って生き続ける。

だが、その使命を終えた時、果たして何を思うのか。指名を終えたと同時に命を絶つことだけが人間と異なる部分なのかもしれない。
AFはいわば誰かに依存することで成り立つ存在であり、その存在がなくなれば、用無しとなってしまう。

人の心って何のためにあるのだろう。

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Posted by ブクログ 2024年03月07日

 物語は人工頭脳を搭載したクララというAF(人工親友)と病弱な少女ジョジーとの出会い、生活、再生、そして別れ。

 「わたし」としての語り手はクララが担う。
 クララ、ジョジーそしてリックの交流が子供の視点から語られるさまはほんのり心地よい。

 しかしその子どもたちを取り巻く社会は、人工知能と人間...続きを読むとの相克、遺伝子操作等々まぎれもない格差社会である。
 そこでは、子どもに遺伝子操作「向上措置」がおこなわれ、「向上措置」を受けるかどうかの格差がその後の進学にも影響する。

 もしかしたら、ジョジーはその「向上措置」を受けたことにより発症したのかもしれないし、ジョジーの亡き姉も「向上措置」が原因で病没したのかもしれないと感じさせる。

 そうした現実の中で、ジョジーのAFであるクララはひとえにジョジーのことを想い、ジョジーの健康を考え、ジョジーが元気になるために何をすればよいのか、何ができるのかを考え、祈る。
 やがて、クララの祈りが奇跡を起こし、瀕死のジョジーを復活させ、ジョジーは成長してゆく。
 テーマは重苦しいにもかかわらず、その読後感は清々しい。

 しかし、現実の世界を見た場合、mRNAワクチンという核酸製剤によるDNA汚染が着々と進行している。
 2021年以降、コロナ禍という名のもとに、修飾されたmRNAが何十億人もの人体へ注入された。
 それにより、世界的な健康被害が発生し、世界的に超過死亡数が激増し、出生数が激減している現実がある。

 いま我々はカズオ・イシグロの描く世界と同じ道を歩んでいるのではないだろうか。



(商品説明から)
 人工知能を搭載したロボットのクララは、病弱の少女ジョジーと出会い、やがて2人は友情を育んでいく。
 愛とは? 知性とは? 家族とは? 生きることの意味を問う感動作。

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Posted by ブクログ 2024年02月28日

美しい言葉遣いと自分の役割を果たすことに全力を傾けるクララの姿勢に素直に感動と共感を覚えました。登場人物のこの後の人生が幸せであるように祈りたくなる作品でした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月13日

表紙は英語版のほうがいい。なぜひまわり?
「向上処置」「置き換え」「コミュニティ」など、はっきり語られない未来の社会の有り様が不気味。『百年法』を思い起こした。技術の進歩とは、幸せとは。この辺は『アルジャーノン』にも通ずるところあり。
人間の愛は移ろい、AIのクララのほうが無償の愛を示す皮肉…。AI...続きを読むがお日さまとを栄養源にするのも皮肉というか対称的で。
ラストシーンは哀しく切ないけれど一途さが美しい。
『わたしを離さないで』より断然よかった。
読後、道路工事を見かけるたびにクララを想う。

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Posted by ブクログ 2023年07月07日

我が子に、人工親友と呼ばれるAIロボットを買い与えるのが当たり前になった近未来。ある理由から病気がちになった女の子ジョジーと、ジョジーのために自己犠牲的に尽くすAIクララの物語。
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読みながら不可解、不可解、不可解。でもこれは不可解なまま読み続けた方がいいということを前作から学んで、実際そうやって...続きを読む読みすすめると、我が子を競争社会の勝者にするために金持ちの親たちがほどこすおぞましい“処置”と、その代償が明らかになっていく。

代償を埋めるために選ばれたAIクララが、社会や人間の感情を学んでいく一方で、人間に購入された無垢なロボットとして自己犠牲を厭わず、親友ジョジーの幸せが自分の幸せだと尽くす姿が健気で痛ましくて哀しくて、どうかクララに幸せをと、祈りながら読んだ。
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AIは、人間に置き換わることができるのか。
「人を、その人たらしめる特別な何かは、その人の中ではなく、その人を愛する人たちの心の中にある」。

人間以上の知識と感情を学んでも、人間になれないロボットクララは、役割を終える時どんな思いでこれを語ったのだろう。倫理観を問いかけられた作品でした。
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読後何年経っても「私を離さないで」の衝撃が醒めず、ノーベル賞受賞後初の長編「クララとお日さま」ずっと読みたくて、ようやく読めました。美しくて哀しくて、そこがもう童話的。おすすめ。

#クララとお日さま #読書 #読書記録 #カズオイシグロ

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Posted by ブクログ 2023年12月29日

 AIロボットは友だちたりうるのか。友情や愛情など人間的な関係を結べるのかを問うたSF問題作。
          ◇
 クララは、病弱な少女・ジョジーのお友だちとして購入されたAIロボットだ。ジョジーのためになるようプログラムされたクララが、生活の中で学習を続け、ジョジーとの関係を深めていく。2人...続きを読むの間に芽生える感情。それは果たして何なのか。

 やがてジョジーが成長し、病弱だったかつての少女ではなくなっていく。クララとジョジーが築いてきた関係は……。

      * * * * *

 設定は、現在の科学レベルから考えると、さほど遠くない(1世紀を越えない程度の)未来だと思います。そして物語の舞台は、科学の中でもロボット工学と遺伝子工学が発達した社会でした。

 未来 ― 希望に満ちた言葉です。そして科学は本来、人間の幸福のために進歩するもののはずでしょう。
 ところが本作を通して流れているのは、希望とは正反対の空気です。

 AI技術の進歩は多くの人間から仕事を奪うことで貧富の格差を拡大させ、ゲノム編集技術の進歩は「向上措置」を謳いながら子供の健全な成長を阻害しています。
 それは人間の怠惰と我欲によって歪められ、科学技術が人間を支配する社会でした。

 ジョジーの幸せのために献身し役目を終えた後、スクラップ処分場で微笑むクララ。
 このエピローグは作者が示唆する未来のかたちの象徴だと思いました。

 さて、私たちが現実に進もうとする道は希望に満ちているのだろうか。そんなことを考えずにはいられませんでした。

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購入済み

やさしい

2021年05月29日

この作品に対して言葉を尽くして感想を語ることは無粋な行いになってしまうのではないかと思うくらい、やさしい話だった。
AF(人工友人)クララの視点で人間の女の子ジョジーとの物語が語られる。クララは子どものように純粋で好奇心に満ちていながら、成熟した大人のような知識があり思いやりができる。
クララは対人...続きを読む関係において、どのように行動したら良いか迷うこともある。人間を何十年もやっているわたしでさえ何が正解なのかわからないことが多くある。クララの判断基準はジョジーが幸福になれるか否かであり、クララから語られる世界は美しく優しかった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月06日

やや『わたしを離さないで』の焼き直し感があったが、それでも面白く読める作品。人間を特別にするものはその人自身の中にあるのではなく、関わる人たちの中に生まれるものなのだという最後の部分が素敵だった。

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Posted by ブクログ 2024年03月28日

AFという人工親友とクララの物語。
クララのお母さん、リック、
おひさまのパワーで元気になってよかったー

翻訳だからなのか、ちょっと読みづらいトコロもあったのは確か。

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Posted by ブクログ 2024年02月04日

末恐ろしく、なのに温かい話だった。
AFという人工知能の子供の人口親友クララ。周りをよく観察し、よく考え、学んでいく。持ち主にとって最善を尽くそうとする従順なAFだ。
一方、人間は向上処置というものを受けた人と未処置の人とに分かれている。作中にそれがどのようなものか詳しく書かれていないが、恐らく能力...続きを読むを上げる処置であるが病気にかかるリスクがあり、クララの持ち主のジョジーも健康を害しているし、姉も亡くなっている。
ジョジーも死んでしまうことを恐れた母は、第2のジョジーを作ろうとしている。

人が人である所以とは何か…
私を離さないでと同様、深く考えさせられるカズオイシグロさんの作品。
冒頭に、母静子を偲んで…という一文に、この方も日本人だったんだな、母がいて息子なんだな、と人間臭さを感じた。読み終えてからそのことを思い出すと、なんだか余計に鼻がツーンとするようなセンチメンタルな気分になった。

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Posted by ブクログ 2024年01月28日

人工知能を持つロボットであるクララの視点で淡々と語られているけれど、のどかなタイトル、かわいらしい表紙からは想像できないなかなかのディストピア。クララは優秀で善良なロボットだし、バッドエンドではないはずなのに、終始不穏な空気が漂っているように感じたのは、AIの安易な利用に対する警鐘だろうか。クララの...続きを読む(ということは著者のということか)心というものの捉え方が分人主義と少し似ているように思った。

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Posted by ブクログ 2024年01月07日

一貫してクララの視点で語られることで、人が主人公の作品に比べて表層的な文章になっているにも関わらず、文章にはない余白の部分を想像してしまい、気づいたらクララに感情移入していました。人の心の内を主観的に描いていないからこそ、周りの人間が発する言葉やクララ視点の描写から、周りの人たちの気持ちの変化や葛藤...続きを読むがより鮮明に、リアルに伝わってくる感じがしました。

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Posted by ブクログ 2023年12月09日

人工知能を持ったクララが、難しい病を抱えた少女ジョジーの家庭に買われて、ジョジーだけではなく、彼女の母親、幼馴染のボーイフレンドとの交流を通じてさまざまなことを学んでいく。ジョジーを救うために彼女は犠牲になってでも尽くす。それがクララの喜びなのだろう。でも最後の章でのクララの姿を見るとなんだか切なく...続きを読むなる。著者の他の作品「わたしを離さないで」に出てくる臓器提供される子供たちを思い出す。これでいいのだろうか。そんな罪悪感を抱いた。これはハッピーエンディングなのか。

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Posted by ブクログ 2023年10月01日

カズオ・イシグロさん作品は『わたしを離さないで』以来2作目です。
SFチックな設定に濃い人間ドラマがハマっていました。
人工親友クララが語り手で、病気がちなジョジーに対する強い想いや献身ぶりが印象的です。
ロボットだから、とは割り切れないほどクララの感情はしっかりしていて、「お日さま」を信仰している...続きを読むような描写には人間らしさすら感じました。
一方、冷静さや観察力はさすが人工親友という感じで、ジョジーやその家族、友人に起こる色々な出来事を客観的に語っていて、とても読みやすかったです。
汚染や知能格差などの色々な問題にも触れていましたが、全部読み取るのは難しかったので、この世界観の中で他の物語も読んでみたいです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年07月09日

HRさんのおすすめ。

不思議なお話だった。
静かな語り口といい、
子供が登場するところといい、
クララがあまりに純粋なところといい、
最初はとても怖かった。
何かわからないが、
とても悲しい展開が待っている気がした。

最終的には、
クララが自分の身を危険にさらしてまで望んでいた、
ジェシーの病気...続きを読むが癒されて、
ハッピーエンドだったのだと思う。

だが、
「お日さま」とはなんだったのか、
マクベインさんの納屋、もなんだったのか、
「向上処置」やジェシーの病気についても詳しく語られないままに終わってしまったので、
すっきりはしなかった。

お勧めか?と聞かれたら、お勧めではない。

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Posted by ブクログ 2023年12月22日

人工親友のクララが、人間のジョジーを献身的に支える話。クララはAIといえど健気で泣ける。なんか…やっぱり人間て残酷。
AIなら理論的に物事を捉えそうなイメージなんだけど、クララの執拗なまでのお日さま信仰が意外でかわいい。なんだか見ようによっては不気味だし。

クーティングズマシンという謎のマシン。有...続きを読む害な煙を出す工事機械という事だけど、どうにも聞き慣れない言葉。向上措置とか、オブロン端末とか。まぁなんとなく解釈はできるんだけどね。

ラストシーンがね、切ない。あんなに尽くしたのにねぇ。

わたしを離さないでのドラマが大好きだったのですが、テーマ的には似たような系統。

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購入済み

始めての電子小説

2021年06月27日

小説は、本で読むべきと思っていたが、携帯でも違和感なく読めることに気がついた。最近文庫本の文字が小さく読みにくかったが、電子本だと、拡大できるので便利だった。

#ほのぼの #癒やされる #切ない

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Posted by ブクログ 2024年05月03日

悪者にされがちなAIだけれど、心優しく賢いAIも多分いるはず。
クララの献身は痛いほどで、ハッピーエンドだったのだけれどラストシーンは悲し過ぎる__自分が大切にしていたぬいぐるみ達を思い出してしまった。
多様な境遇にある人間にも、AIにも、草花やビルディングにも、平等に太陽の光は降り注ぐ。

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Posted by ブクログ 2024年04月30日

未来小説、ユートピアでは決してないが、全くのディストピアでもない、ゾッとするような未来ではあるが、全く希望がないわけでもない未来。未来の人間のありようを描くというよりも、そうではなくて感情さえも持つようになったロボットのその感情を丁寧に描いている。そのことによって、人間の奥深い複雑な数値計算すること...続きを読むがとうてい及ばない心模様を結果として映し出している。
数値計算と論理で全てを管理する社会においても、その範疇を超えた人間のありよう、それを把握できるのは、文学ではないか。文学が片隅に追いやられる風潮にある現代において、あらためて文学にお日さまの光を当てた作品だと思う。

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Posted by ブクログ 2024年04月20日

AIロボット「クララ」からみた描写で進む。
独特な世界観。結末は切なかった。
最後まで健気でひたむきだった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月07日

物語の第一部が重要な部分ではあるものの、なかなか話の核の部分にいかないため、この本の面白さに気付くのに時間がかかり、読み進めるのに時間がかかった。

死が迫っている人間が太陽の光で回復するという奇跡を起こし、その奇跡の為に動いたのは間違いなくクララだった。
にも関わらず、最後のシーンでクララが過ごし...続きを読むているのは廃品置き場ということに切なさを感じる。

母親の目的は別にあったものの、子供の遊び相手として迎えられ、病気がちの苦しい時間を家族のように共に過ごしていた。
持ち主の最善を考えて行動するようプログラミングされているのかもしれないが、ジョジーを助けたいと心があるかのような行動をするクララも、役目を終えたと判断されれば、物として捨てられてしまう。
ロボットが友達の様に過ごす未来が来た時、ドラえもんのようにずっと仲良く過ごすというのは難しいのかもしれないと考えさせられるお話だった。

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Posted by ブクログ 2024年03月01日

優しい繊細な感受性を持った人工知能と、病気がちな女の子のお話。引き込まれて一気に読んだ。
ただ、訳のせいか、会話がまだるっこしく分かりにくく感じた。文学的とも言えるし、はっきりしないもどかしさがあるとも言えた。
日の名残り、で期待したような感動はなかったが、発達していく人工知能をいつか廃品置き場に置...続きを読むけなくなる日が来るのでは、と考えさせられました。

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Posted by ブクログ 2024年01月31日

「生きる」を考えさせられた。
子供たちの環境もこれからどう変わるのだろう。向上処置を受けて、ロボットが友達なんてこともあり得なくない話だと思ってしまう。人間全員ロボット化。その方が生きやすいのかななんて。

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Posted by ブクログ 2023年11月30日

AIと少女の交流の話し。観察すること、会話すること、命の源の太陽、どれも大切だと感じた。読んでいると幼い頃を懐かしく思う瞬間があった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月25日

向上処置とか、独特の世界観がある作品。
通常かどうかを判断するものなのかな。
昔はそんなになかったけど
今は小学校でもそういう
括りがあるようにみえる。
その分、そのくくられた子たちにも
その子たちに合った教育が
施されているのは間違いないけど。

クララがひたすらに純粋で
(ロボットなので他の感情...続きを読む
入ることは無いのだけど)
その純粋さが、今の人間には
子供以外にはなかなか見られないなあ。
純粋でジョジ―の事を考えていた。

今は、AIが発明されて進化して
私達より賢いとされているけれど、
私が読んでいて思ったのは、
人間は時にものすごく残酷だということ。
考え方も変わるし、大切なもの変わる。
そう考えると、
1つのことだけに意識を
注ぎ続けることができる
プログラムがされている
ロボットの方がよほど良いのではと思えた。

この作品ではクララの
ジョジ―を救いたいという思いが
ジョジ―を最終的に助けたのに、
最後は捨てられてしまうなんて…
たしかにずっと一緒は
難しいかもしれないけど、
相手が“人間“だったら同じことが
できたのだろうか。
“ロボット“だからできるんだよね?
それが自分の子供や親や
大事な人でもそれができるかな。

科学が進歩するうえで
きっとこれからぶつかるであろう問題を
かわいい題名とは裏腹に
冷静に描かれている作品だった。

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Posted by ブクログ 2023年09月23日

クララはずっとジョージーのことを、ジョージーの家族を、ジョージーの友達たちを大切に思ってるのに、人間は日々成長して考え方や価値観が変わっていく。
当然だけど、ジョージーは成長するにつれて自分の世界が拡がっていく。関わる人が増える代わりにひとりひとりと関わる濃度は薄くなる。一方、AIクララはジョージー...続きを読むのためのAFで、クララの世界は拡がらない。そのずれの切なさをクララの献身的な優しさの中に感じた。

訳本の読みにくさと、AI目線の言葉選び、あと近未来の造語に慣れるのに時間がかかった。

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Posted by ブクログ 2023年08月30日

クララの中にジョジーに対する献身的な愛があることを感じられ、読んでいる間、心地良かった。
読み終えた今、その献身は人工知能としてプログラムされたものなのかと考えると、不思議な気持ちがする。
「プログラムされたもの」とは考えたくない気持ちが強いが、生身の人間における教育と本質的には同じなのではないかと...続きを読むも考える。

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Posted by ブクログ 2023年08月02日

カズオ・イシグロの本は初めて読んだ。
物語中では、ロボット、AFと表現されているのは、AIのことか?
見た目は人型のようだけれど。

人間の女の子と親友のような関係を築くけれど、ロボットは成長もしないし、人の心も学習することでしか、補えない。
太陽光が、エネルギー源。
それでも、人とこころを通わせる...続きを読むような関係を築くことができるのか。

どこかヒリヒリするというか、常に不安が、付きまとうような。

結末はAFのクララにとって幸せだったのか。

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