土屋政雄のレビュー一覧

  • 忘れられた巨人

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    読みにくいよねぇ・・・
    なんでかな・・・
    全体の構成というか、そんなものはわかった気がするが、なかなかストンとくるものがない、というか、
    でも、「わたしを離さないで」だってそうだったかも。
    後でじわじわ考えさせられるというか・・・
    息子のこととか雌龍のこととか、騎士と戦士、修道院の役割、エドウィンの母親についてとか。
    忘れられた巨人ってなんなのか、一言だけその言葉が出てきて、そっか、とは思ったが、それかな、やっぱ大事なのは。

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    2019年04月17日
  • ねじの回転

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    うー。素敵な本だな。お屋敷に家庭教師として雇われた若い女。子供らの美しさ、住み込みの生活に満足するも、前任者の幽霊らしき物を見てしまう。あの二人は子供達を連れ去ってしまう!幽霊はいるんでしょうよ。描写も間違ってないようだし。そのストレスによる神経の揺らぎが話のメインであり、海の堤防が決壊するのを今か今かとハラハラするように、頼りない彼女の精神状態の描写が素晴らしかった。ナニー(子守り)のグロースさんがいい人すぎ。自分だったら主人公にキレる。

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    2019年04月06日
  • 忘れられた巨人

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    カズオ・イシグロの本を読んだのはこれが初めて。
    目に留まったから読んだのだけれども、
    異世界のファンタジーだった。
    夢の中にいるようで、夢だと合わなくなるつじつまも、最後まで合わせてくる。とはいっても現実世界、夢の話か実体験の記憶か、案外わからなくなる時がある。個人の記憶、集団の記憶、作られ書き変えられるもの。
    この本を通して得た想像の記憶も、少しずつ薄れるし何かと混ぜ合わされるんだろうな。
    そうやって想像力とか世界とか、広がればいいなって思うし、同時に唯一確実な今、今自分が感じること、今目の前にいる人、をしっかり向き合おうと思った。

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    2019年03月31日
  • 忘れられた巨人

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    カズオ・イシグロがファンタジーを!という点で話題になっているようだが、確かに竜や鬼や妖精などが出てくるものの、さほどファンタジー色は強くなく、やっぱり純文学の印象。
    6世紀頃のイングランドが舞台で、ブリトン人とサクソン人の争い、とかあんまりピンとこないのだが、荒涼とした自然を舞台にした冒険旅行記である。
    といいつつも、旅をする主人公は老夫婦であり、その他老騎士なども登場して、アクションシーンはあるものの全体としての流れはゆったりとしている。
    夫が妻を「お姫様」と呼ぶ、老夫婦の純愛が全編に通底し、『日の名残り』にも通じるような気品が漂っているのだが、その一方、霧が晴れたときにあらゆることが覆され

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    2019年01月06日
  • ダロウェイ夫人

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    ネタバレ

    秋から冬にかけては海外の文学をとても読みたくなる。今は名作漁りのターン。ウルフの代表作を。ウルフは最初、ダロウェイ夫人を死なせるつもりだったらしい。結局、やめたみたいだけど。

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    2018年11月07日
  • 忘れられた巨人

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    読んでる最中はハラハラしながらすごく引き込まれてあっという間に読み終えたのだけれど、終わってみれば霧の中、結局何が言いたかったんだ?と、呆然、立ち尽くす、そんな読後感。
    鬼、霧、赤い髪の女、夢、蝋燭、黒後家、兎、船頭、島、雌竜、戦士、山査子、全てが記号?でも一体何の?
    もう、置いてかれ過ぎて、考えてもわからないから、ネット上の色々な方の書評や考察、また、作者ご本人のインタビュー内容で答え合わせ。
    結果、全っ然違うこと考えて読んでたわ、自分。何故だろう、冒頭から一つの仮説に囚われ過ぎて、結局、物語終盤までその疑念が拭えなかった。
    その仮説というのも、実はこの物語に登場する人物全員

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    2018年08月30日
  • ダロウェイ夫人

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    大学で受講したイギリス小説の授業を思い出した。Stream of Consciousnessだっけ(スペルも怪しい・・)「めぐり合う時間たち」(だっけ?)も観たなあ。「灯台へ」とか他の作品も読んでみたい。

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    2018年07月07日
  • 忘れられた巨人

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    記憶を忘れた不安に揺さぶられながら物語がどう進むのかを這いながら読み進んで行ったのに、煙に巻かれて終わったような...私にカズオイシグロ作品は難しいのかも。

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    2018年07月02日
  • 忘れられた巨人

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    あのカズオイシグロ氏の長編。
    やはりイギリスにベースを置く作家は、ファンタジーの世界にも造詣が深くなるのだろうか?
    アーサー王が去り、円卓の騎士は年老いてもまだ生きていた時代のイングランドの話。

    イメージ的には、トールキン指輪物語の第一部旅の仲間に非常に近い世界だが、もちろんトールキンの焼き直しではなく、イシグロ氏の設定した世界での完全なオリジナル。

    派手に盛り上がるシーンはないが、情景描写が非常に細やかで、主人公の息遣いまで感じられるようなリアルさ。
    そして深まる謎とその解決、展開。

    じわじわと面白く、最後まで一気に読んでしまった。
    面白かった。

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    2018年06月22日
  • 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー

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    英語と日本語の両方が載っているのが良かった.不安定な世界に対してメッセージを送るのかと思っていたらそうでもなく,自分の生い立ち作家になる動機や作品誕生のあれこれとこれからの展望といったところが主な内容で,ストイックというか佇まいなど静かな感じがした.

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    2018年04月11日
  • ねじの回転

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    サスペンスだろうか。
    1世紀以上前の小説だというのに、結末を握り続ける著者が妬ましい。
    訳もわかりやすく、いわゆる古典はこちらを頼ろう。

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    2018年03月07日
  • 忘れられた巨人

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    今まで読んだカズオ・イシグロの作品の中では一番良かった。
    相変わらず会話がくどいところは勘弁して欲しいけれど、今回は、そういうシチュエーションなんだから仕方ないか。
    あと、最後は、もうちょっと変えて欲しかった。

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    2018年01月20日
  • ダロウェイ夫人

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    「灯台へ」のような劇的な展開がないのでやや退屈。また(方法論上仕方がないのだろうけれど)書き手の視点が目まぐるしく変わるので、注意していないとわからなくなりがち。当時の英国の世相がリアルに感じられる。

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    2017年02月23日
  • ねじの回転

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    ネタバレ

    クリスマスの夜に怪談を語り合う会で、「わたし」はダグラスという男が、彼の妹の家庭教師であった女性の手記を読み上げるのを聞く。物語の本体は、この手記を「わたし」が書き直したものである。

    家庭教師が田舎の屋敷に赴任するとそこで二人の亡霊を目撃する。女中頭のグロースに特徴を伝えると、屋敷の従者と前任の家庭教師らしい。生徒の兄は学校を退学になって屋敷に戻ってきているが、兄妹とも亡霊が見えているのかはっきりしない。グロースにも見えているのか分からない。何しろ家庭教師の一人称なので、その辺がとても疑わしい。
    最後に兄は死んでしまうが、この兄が手記を読んだダグラスのはずなので、辻褄が合わない。「わたし」の

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    2018年10月19日
  • ねじの回転

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    やっぱり、ダグラス=マイルズに思えて仕方ない
    と、なると最後、マイルズに起こったことは、何かの比喩なのかもしれない

    幽霊もヒロインの幻覚だったのだろう
    それに、マイルズとヒロインの間には何かを感じさせる

    人によって全く違った物語になると思う

    読み終わったら、冒頭の、暖炉の前で話されている内容に注目してみると良いかも

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    2014年01月26日
  • ねじの回転

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    東京創元社のよりは分かりやすく訳されていたと思う。ゴシック小説であり、たぶたび2人の幽霊が出る部分は読んでる側とし緊張した。最後マイルズの告白部分ではかなり息が詰る展開でしたが、結局フローラはあの後どうなったのかが気になるところです

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    2013年04月11日
  • ねじの回転

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    不協和音。出てくる人がみな、半ば口を閉ざしている。話が妙にかみ合わない。語り手も妙だ。いまいち信用できない。どんな展開でも起こりえそうだ。フィナーレへの期待感で読ませるが、最後まで神経をひっかかれるような、もやもやのまま終わる。
    明るい田園に美しい登場人物。しかし全員が重大な暗さを抱えている。もはや完全な白さは存在しないということか?いろんな読み方ができる。そこが1番のおもしろさかもしれない。

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    2013年04月03日
  • ねじの回転

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    死者は生者を束縛する。ある者は永遠の情愛の対象として、またある者は尽きぬ憎悪の対象として。19世紀のイギリス、幼い兄妹が住まう屋敷に家庭教師として雇われた私が体験した怪奇譚は、会ったことのない死者の話に振り回され、語られぬ謎を多数残したまま唐突に物語は終わる。語られ切らぬ物語はだからこそ想像の余地を残し、それは死者のように私の中へ侵犯する。だからこそ、語り手の私は既に死者である必要があるのだがーええと、一言で表せば、残された者の死者に対する「ふざけんなよ!」という感覚、それを適切に表現していると思います。

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    2013年01月06日
  • ダロウェイ夫人

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    意識の主体を次々と変えながら視界と心情を語っていくという独特の文体。蝶が舞うように、次々と視点が変わっていくのが斬新で面白い。

    全体として薄暗い閉塞感を感じる。作者が上流階級であることも意識させられるけれど、必ずしもその立場にとらわれていないのは救いだ。

    個人的には、セプティマスとピーターに同情する。

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    2011年05月28日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    購入済み

    淡々としたノスタルジー

    高評価のレビューがいっぱいの中、すいません。
    ノーベル文学賞を取ったというニュースで初めて知り、読んでみました。
    期待が大きすぎたのか若干がっかりしました。

    何の予備知識もなく、提供、3-4度目の提供で使命を終える、とのことから主人公たちがどういう子供たちなのか検討はつきました。
    不思議だった施設での授業や保護官とのやりとりが後に明らかにされますが意外性や驚きがなく終わってしまいました。

    こういう目的のために生まれてきた子供たちの話は日本の漫画でかなり昔にも読んでいたので、その時の衝撃が大きかったのと、内容もはるかに壮大(漫画的)だったからかもしれません。
    ちなみに清水玲子

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    2017年11月20日