土屋政雄のレビュー一覧

  • 忘れられた巨人

    Posted by ブクログ

    この作家さんの3冊目ですが、やはり独特の雰囲気がありました。外国の作品だからでしょうか?途中解りにくい所があるので、何回も読むぐらいな熱心さが必要かもしれません。

    0
    2024年01月26日
  • 夜想曲集

    Posted by ブクログ

    なんかお洒落な感じの短編集だった。人生の黄昏的なところを描く人なのかな。ちょっと沁みるところもある。夫婦関係が悪化する様子とか。
    若いとき読んだ「日の名残り」はものすごい退屈だったけど、今読んだら面白いのかな。クララ~は面白かったし。

    0
    2024年01月22日
  • 月と六ペンス

    Posted by ブクログ

    ゴーギャンをモデルにしつつ、かなり相違点多いそうです。いろいろぶっとんだイカれ男だったので、史実とは異なると知ってなぜか少し安心した。

    株式仲買人→画家、西洋文明→未開のタヒチ、まるで対極にあるようなものを切望しながら前半生を苦しみ生き続けてある日ようやく解放されたのか、あるいは漠然とした憧れを秘めたまま平穏に生きていたところ、ある日突然天啓にうたれて考えが変わってしまったのか、ぜひゴーギャン本人に聞いてみたい。

    ストリックランドのねじくれた天邪鬼な嫌らしい性格、個人的には読んでて全然嫌ではない。一応は筋が通っているし、なんなら魅力的ですらある。
    彼の人生そのものへのスタンスとして、知人・

    0
    2023年10月26日
  • クララとお日さま

    Posted by ブクログ

    ・ 人間と同様の観察能力を持つAI搭載アンドロイド、クララ。「子どもの親友」としての機能ゆえか、やや幼い。とくに、科学的知識と科学的観察方法が不十分であるため、因果関係を誤って認識してしまう。冒頭の物乞いと犬の「復活」についての、誤った因果関係の認識が、その後のストーリーでの重要な意味を持つことになる。この点は、原始宗教の萌芽ともとれる。
    ・ 科学技術の発達が、子ども達の環境を歪めていく。そのことを純真なAIの目を通すことによって、中立的に描くことができている。
    ・AIは人間をコピーできるのか、人間の「心」は複雑すぎないか、そもそもコピーできない魂のようなものがあるのか、という問いかけもある。

    0
    2025年12月07日
  • 忘れられた巨人

    Posted by ブクログ

    "まるでおじいちゃんおばあちゃん版のドラクエみたいだな"のレビューが気になって手にとりました♪

    ドラクエと言えばFC版のドラクエⅢ
    あのこわ〜い音楽に合わせて、「おきのどくですがぼうけんのしょはきえてしまいました」のメッセージが出たときのショックは今でも覚えています…w
    けど、本書は大丈夫!
    途中でしおりを挟んでおけば消えることはないでしょう!
    安心して続きから始めれます!


    ドラゴンクエスト風に

    カズオ・イシグロエスト 〜忘れられた巨人〜

    主人公はアクセルとベアトリスの老夫婦
    遠い地で暮らす息子に会うために冒険に出かけます
    冒険に出るこの大地は人の心や記憶に影響を

    0
    2023年05月08日
  • 忘れられた巨人

    Posted by ブクログ

    老夫婦が息子に会いに旅に出るのですが、戦士や鬼に噛まれた少年や年老いた騎士と会い、寄り道?をしつつ旅を続ける話。

    ファンタジーでした。

    竜の吐く息により、記憶を失ってしまう世界が舞台。

    老夫婦の仲がとてもよく、解説にも老夫婦によるファンタジーと書かれてありましたがその通りです。

    ただ、とても読むのに時間がかかりました。(特に最初の方)
    読み終わったあと、一瞬、?となりますが、事態を把握すると切ない話でした。

    0
    2023年02月02日
  • ねじの回転

    Posted by ブクログ

    一見すると論理的に見えなくもないけれど、その実、決め付けと憶測による強行的な推測ばかり。あまりにもヒステリックな推論のオンパレードに、昔だったらいざ知らず、現代において幽霊説を唱えるのは厳しくないか?と思ったらここの感想でも幽霊説を唱えてる人が結構いて驚く。うーん。 あの映画とかあの映画を見てしまった後だとアイデアの新鮮味は感じられなくて残念ではあったけど、ラストシーン(ヒステリー説をとるなら圧殺だ)はダークな捻りが効いていい。

    0
    2022年12月20日
  • 夜想曲集

    Posted by ブクログ

    カズオイシグロの短編集。タイトルにある「夕暮れ」とは、サンセットタイムだけではなく、人生の夕暮れ(中年から初老の世代)とか男女関係の夕暮れ(別れの予感がある状態)を指しているようだ。熟年離婚、旅先での喧嘩、不安を感じる結婚相手など、何かしら影を感じる設定である。
    登場人物はいずれも「若さ」「付き合いたての頃」「才能」への憧れを持っており、やるせなさを織り交ぜながら切ないストーリーが展開する。それでも、コメディの要素が含まれる話も2話入っていて、ユーモアたっぷりの登場人物とぶっ飛んだ展開に驚かされ、思わずクスッと笑ってしまう場面もあった。切ないストーリーでテンションが下がった読み手としては救われ

    0
    2022年11月23日
  • 夜想曲集

    Posted by ブクログ

    短編集。‥‥の割に情報量が多い。一気に読むと疲れるかもしれない。ユーモアは感じたが、いつものすっとぼけたような趣きは感じられなかった。

    0
    2022年08月20日
  • 夜想曲集

    Posted by ブクログ

    音楽と夕暮れをめぐる五つの短編集
    相変わらず靴の中に小石が入ったような
    微妙な違和感は相変わらず
    音楽のオチがついてるのはそのうちの二編

    長年連れ添った妻にヴェネツィアで唄を捧げる
    『老歌手』、不思議な才能をもつ美女との
    レッスンを繰り返す『チェリスト』が好き

    0
    2022年06月05日
  • 月と六ペンス

    Posted by ブクログ

    解説を読むとよりおもしろい

    どこまでも心が求める「なにか」を追い求め苦悩する

    己の中の芸術を突き詰め続ける

    0
    2022年02月07日
  • ダロウェイ夫人

    Posted by ブクログ

    生きることを歓び、パーティで幸せそうに振る舞うダロウェイ夫人。でもその心の奥には、恐怖や悲しみがあふれている。本心を押し込めて日常の美しさを眺める姿が、上流階級の女性の典型的な生き方のひとつだったんだなあと思う。自分の周囲にもいそうな気がする。

    0
    2022年01月30日
  • 夜想曲集

    Posted by ブクログ

    「日の名残り」「わたしを離さないで」のカズオ・イシグロによる、音楽をテーマにした5作の短編集。著者の言う通り、5作は個別の作品でありながらも根底に流れているテーマのようなものは繋がっている。

    それは主人公らしき人物の描写に表れている。皆一様に招かざる人か、あるいは本人が望んでないのにこの場所にいる人である。さらに独り身であり、社会的立場が不安定で自分の才能に懐疑的である。

    対して彼らが出会う人々の大半は夫婦であり、野心家で社会的に成功することに価値を置いている。しかもある程度自分の才能について確信がある。しかし成功に対するアプローチはバラバラで、それが基になって人間関係が不安定になっている

    0
    2022年01月12日
  • 忘れられた巨人

    Posted by ブクログ

    過去の歴史、愛憎、民族、伝説、記憶。一気に編み込まれている。呪いが解かれ、記憶が全て取り戻すことは幸せか。老いていく人は記憶をはっきり持っていることだけ望んでいるわけじゃないかな。イギリスの曇った自然が目に浮かびます。
    『クララとおひさま』を読んだ後なので、まだ霧が晴れない重い感じか残ってしまいました。

    0
    2021年11月29日
  • ねじの回転

    Posted by ブクログ

    怪奇が起こる屋敷についての話だと思って読み始めたけど、だんだんこの語り手が恐れている亡霊は二人の子供たちに迫る「性の目覚め」を象徴するものなんじゃないか?という気がしながら読んだ。解説を読むに当たらずも遠からずというか、いろいろな解釈が可能であるように書かれた話のようで、怪奇の正体に思いをめぐらせて楽しんだ読者としては、書き手の狙ったとおりというところか。

    巻末の訳者あとがきが軽快で地味に楽しい。読みやすい訳文で、原文の難解さはだいぶ緩和されていたのでは。

    0
    2021年10月07日
  • 忘れられた巨人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    忘却も世の営みには必要。
    アーサー王の時代のファンタジー世界を舞台に民族間対立・夫婦関係を描く。持って回った描写が著者流。

    0
    2020年12月06日
  • ねじの回転

    Posted by ブクログ

    本当は岩波文庫だったけど表示されなかったので。
    表現が遠回しすぎて解説がないとわからない部分もあった。
    やっぱ教師がノイローゼ説に1票。

    0
    2020年11月05日
  • 月と六ペンス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    夫が出奔したのが絵を描きたいという理由に納得できず、あくまでも女に一目ぼれしてその女を追ってパリへ行ったという流言を自発的に流すストリックランド夫人の心情がよく理解できなかった。自分より魅力のある女性に負けたという方が恥じゃないか…?男の庇護にあることこそ価値があるという今では考えられない思考が当たり前だった時代なんだなと思うとこういったところに通俗小説としての価値があるのかなと感じた。
    ストリックランドがゴーギャンをモデルにしているというけれど、晩年のクレイジーさと、亡くなってから名声を浴びるというところから私がイメージしたのはゴッホだった。

    0
    2019年09月19日
  • 忘れられた巨人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    奇妙。読みにくいことはないのだが、なにやら奇妙な話だったなあっというのが正直なところ。
    アーサー王伝説あたりの知識があればもっと面白かったのかも。
    大事な記憶をいつのまにかなくしてゆく。
    それは悲しいことだけれど同時に救いでもあるのかもしれない。
    記憶をなくす原因が竜、というのはなにかの比喩的なものなのかとおもっていたけど、ほんとにいた。
    確かにファンタジー。
    でもそうしたのはマーリンだったという驚き。
    憎しみを忘れさせることで、平和を保つ。
    そもそも憎しみが生まれるようなことをするなよ、と思うのだけれど…
    メインの老夫婦は強く想いあっているようで、
    決定的に分かり合えてないのでは、とも思った

    0
    2019年05月19日
  • 忘れられた巨人

    Posted by ブクログ

    都合の悪いことに目をつぶって幸せに暮らすことはできるけれど、それでは本当の心の充足は得られない…ということか。都合の悪いことを受け止めて、なおかつ心の平穏を保って生きていくことも困難なことだとは思うけれど。関係ないのだが、読み終わってから、SNS時代の情報収集のあり方に思いを巡らせてしまった。

    0
    2019年05月06日