土屋政雄のレビュー一覧

  • クララとお日さま

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    クララは子供の成長を手助けするAF(人工親友)として開発された人工知能搭載ロボット。
    人間の言葉を理解できて、見た目で人間の年齢も推定し、人間の感情を理解しようと努める。
    ショーウインドーから街ゆく人々や来店するお客を観察し、外の世界を学び続け、自分を買ってくれる人が現れるのを待っている。
    ある日クララはジョジーという病弱な少女と出会い、この少女の家に買い取られてゆくのですが、それはとても感動的なシーンでした。

    今やAIアプリなどの普及で「人工の友人」との関わりが身近になってきている時代。
    新型のAFがどんどん開発され、お店で売られる日が本当に来るかもしれない…。

    クララは献身的で感受性豊かで、ジョジーとの間には確実に友情が深まってゆきます。
    大きな秘密を抱えた家族と暮らしながらも、クララは礼儀をわきまえていて、優しい心ももっています。

    人間の世界を冷静に見つめている、とても優れた能力を持つクララ。
    最後に、AFにも記憶(人間でいうところの思い出)というものがあるのではないかと思わせる場面では泣きそうになりました。

    「クララとお日さま」というタイトルにはとても深い意味が込められているのだと思います。読んでよかったです。

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    2026年07月02日
  • イギリス人の患者

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    第二次大戦末期、イタリアの元野戦病院であった廃墟のような屋敷で顔と名前の無い患者と看護する女性が暮らす。
    そこへ女性の父の友人、爆弾処理班の工兵が集まり4人での生活がはじまる。

    過去と現在、二つの愛、患者の正体、戦争の中で起きた様々な出来事、イギリスの事、爆弾、欧州とアジア様々な事象が絡み合い物語を成していく。

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    2026年06月27日
  • クララとお日さま

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    ノーベル文学賞受賞後の第一作目の作品。
    人工親友AFと呼ばれる太陽光エネルギーの人型ロボット、クララが販売店に陳列され、ジョジーという女の子に買い取られます。

    物語はAFのクララ目線で回想されるところから始まります。

    クララの語り口は優しく、常に敬語で、人間を敬っているのが読み取れます。そう開発されたのでしょう。それがいじらしく、切なく、親しみを抱きます。

    ジョジーに愛され、ジョジーの困難を全力で救い、自分の身を犠牲にしていくクララ。きめ細かい気遣いを見せるクララ。ロボットでありながら感情も情緒もあるクララ。だからこそその姿勢は痛ましく、涙を誘います。

    二人の関係は、あたかもドラえもんとのび太くん。でも大きく違うのは、その関係性の中に、人間の傲慢さが含まれていることです。

    シェル・シルヴァスタインの絵本「おおきな木」のような慈しみのある結末です。

    私もクララに会いたいです‥。

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    2026年06月25日
  • イギリス人の患者

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    オンダーチェは3冊目です。
    第二次大戦末期、砂漠に墜落し燃えた飛行機から生き延びた顔も名前も分からない患者とかつて野戦病院だった修道院で患者を看護する若い女性。2人の暮らしに外部からの来訪者が加わり、不思議な共同生活が始まる。
    博識な患者の話に耳を傾け、または図書室の本を患者に読み聞かせ、来訪者の1人、若い爆弾処理班の工兵と恋に落ちる看護師。
    登場人物の日常が描かれたと思えば波のように追想が始まり、患者の様々な古典についての語りがあり…風に揺れるカーテンのようにストーリーが移り変わって、何とも言えない不思議な心地良さの中読み進めました。
    解説によれば、オンダーチェは詩人でもあるとのこと。それでこのような展開なのだな、と納得です。
    読み始めて3ページくらいで、もう魅了されてしまった。久々の大満足読書でした。

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    2026年05月20日
  • クララとお日さま

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    とても素晴らしい作品だった!

    同じくカズオイシグロの「わたしを離さないで」と通じるところがあって、生きるとは何か、その人らしさとは何か、それを問い続けることがカズオイシグロのテーマの1つなのだろう。

    この作品でも、思いもかけないアプローチで生きることへの問いかけを試みている。

    最後に再びクララの前に現れる店長の姿は何を物語っていたのだろう。あれはもしかしたら「わたしを離さないで」とリンクしているのかもしれない。

    そして読後はもう、なんとも言えない気持ちに襲われてしまった。
    AIであるクララの言葉が清らかで淡々としていて、そのことがより一層読み手の感情を揺さぶるのだろう。

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    2026年05月17日
  • クララとお日さま

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    AFという新たな存在が、成長段階の子どもに寄り添い家族全体のお守りをするという発想。薄々感じているが、ゲームやパソコンから移行しつつある何かがやはりAIでよいのか。人間同士では不可能なのか。人間に失われた信仰心を設定し、神秘的な秘密裏の行動をAIが成せるのか。思いもしなかった内容に引き込まれた。
    恋愛相談をAIにするという冗談のような話に笑っていられない。

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    2026年04月12日
  • クララとお日さま

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    個人的に、カズオイシグロ作品で1番好みの一冊。

    主人公であるロボットから語られる世界からは、穏やかながらも残酷に、確かに、すぎていく時の流れを感じます。
    またクララが太陽を頑なに信じる姿は、人間で言うところの信仰にも近いものを感じます。人とロボットの境目なんて考えようによっては、もはや存在しないのかもしれないですね。

    映画化が楽しみ!

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    2026年03月28日
  • 忘れられた巨人

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    愛と平和は、雌竜が吐く霧によって保たれている。夫婦の愛と社会の平和は、忘却によって保たれている。
     雌竜の霧。いい表現だ。
     それはともかくカズオ・イシグロが導き出す現実は、身も蓋もないぐらいに厳しい。『私を離さないで』を読んだ後、目の前が真っ暗になるような思いをしたが、この『忘れられた巨人』も同様の読後感を持った。アーサー王物語も古代ブリテンの歴史も知識がほとんどないまま、ファンタジー的な物語なのかと思って読み進めていたが、終盤の終盤に一気に心が鬱になりかけた。
     夫婦の旅の目的地は、三途の川の向こうの死の世界だ、と私は読んだ。結局、死は一人で迎えるしかないものである。最後の場面、主人公の決断が胸に来た。

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    2026年03月29日
  • クララとお日さま

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    病弱な少女のために神頼みをするAIクララ。終始悲壮感が漂っていて切ない物語だった。 クララの意図を理解して協力してくれた父親に好感を抱いた。

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    2026年03月27日
  • クララとお日さま

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    ネタバレ

    自分のためじゃくてジョジーのためだけに全てを尽くすクララが持ってるのは、果たして人間的な心なのか。思いやりや憐憫は確かに心の一側面ではあるやろうけど、保身、嫉妬、依怗みたいな醜い感覚が排除されてるそれを心と呼んで良いのかは難しい。
    とはいえそんなクララが、人間を特別たらしめるものを看破してるのが何よりも尊い。

    お日さまとの約束とかいう、信仰に近い論理に心からの希望を見出してる感じ、映画『A.I.』と同じくSF作品の中でファンタジーに解決策を見出す矛盾と無力感があった。このパターン心が苦しいからやめて欲しい。

    最後の店長の「B3型には愛情を感じられなかった」という言葉、人間に近づき過ぎたものには抱けない愛情の存在な。

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    2026年02月21日
  • 月と六ペンス

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    名著と言われ尻込みしていたが、面白かった!話に緩急があって飽きさせない。ストリックランド(≒ゴーギャン)は確かにこういう人間だったんだろうと思わせる。自分勝手で女への愛情はほとんどないが、人目を一切気にせずひたむきに美を求める男。本当はストラードみたいな男と一緒にいた方が幸せになれるんだけど、結局ストリックランドみたいなやつを好きになり破滅するんだよね。

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    2026年01月29日
  • クララとお日さま

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    悲しい終わり方。クララに感情移入してしまった。そこは筆者の力技ともいうべきか。映画A.I.に近い筋立てだが、こちらは、人間の心の核というものを掘り下げている。登場人物は、現代と変わらない心の浮き沈みがあり、そこの描写も面白い。

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    2026年01月23日
  • クララとお日さま

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    カズオ・イシグロさんの『クララとお日様』を読みました。

    物語は、AF(人工親友)であるクララの視点で語られます。
    最初は聞き慣れない用語が多く出てきて少し戸惑いますが、丁寧な筆致を読み進めるうちに、徐々にこの世界の輪郭が見えてきます。

    ハッキリとは描かれていませんが、科学技術が進歩しすぎたことで様々な分断が生まれている、そんな「ディストピア」な社会であることが想像できます。

    そんな厳しい世界の中で、常に人に寄り添い、優しくあろうとするクララ。人間よりも、信仰心を持ち続ける彼女の方が、よほど人間味を感じられる点がとても印象的でした。最後にクララが見出した、「人間を人間たらしめるものは何か?」という考察にも心揺さぶられます。

    結末には少し物悲しさもありましたが、決して人を批判しないクララの姿は、現在私達が日常的に接しているAIにも通じるものを感じます。

    技術の早過ぎる進化や社会への影響など、本作にある要素は現代と重なる部分も多く、そう遠くない未来を見ているような気持ちになりました。

    個人的には、ロボットやAIと過ごす未来はもっと明るいものであって欲しい…と願ってしまうのは、やはり自分が「ドラえもん」で育った世代だからですね。

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    2026年01月17日
  • 月と六ペンス

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    面白かった!途中ストリックランドのヤバさに引いたけど最後はストリックランド、、、お前、、、ってなった。解説もついていて理解が深まった気がする

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    2025年11月12日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    「わたしを離さないで」について

    ノーベル賞作家のカズオ・イシグロが端正な筆致で綴る、ある女性の人生の物語。

    提供者を慰める介護人の職に長くついていた女性。彼女が職を辞めるにあたり、自分のこれまでの人生、特に生まれ育ったヘールシャムで仲間と過ごした日々を回顧する。

    提供者、介護人など説明なく出てくる言葉の意味が、女性の回想から次第に明らかになってくるにつれ、世界の残酷な姿が浮かび上がってくる。
    この世界の真実は、SF小説のファンならばすぐに見当がついてしまうだろう。

    読みどころは、むしろ小説としての巧さ、人間描写の厚みの部分だ。大きな状況に翻弄される主人公たちが、小さな人間関係にすがる姿がなんとも哀しく映るのだ。

    #切ない

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    2025年08月29日
  • クララとお日さま

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    「私を離さないで」を読んで深い感動に打ちのめされた私は、「クララとお日さま」が「私を離さないで」に共通した点があることに嬉しさを感じながら読み終えた。
    AIと人間を扱う小説や映画はすでに数多くあるが、AI側の視点に立った小説は異彩を放っている。
    綿密に計算された語り口はカズオ・イシグロ・ワールド全開だ。見事に「私を離さないで」と同類の感動を与えてくれた。

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    2026年09月23日
  • イギリス人の患者

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    「教皇選挙」を観て、レイフ・ファインズ熱が再燃。
    自分的No.、最も美しく儚い姿だった「イングリッシュ・ペイシェント」を思い出した。
    原作は読んでいなかったな、ということで手に取る。

    本書の解説にもあるが、映画と小説はかなり別物であった。
    なので、映画が好みだからと言ってこちらも気にいるかは別問題。

    しかしながら、小説にはこの形式でないとできないだろう展開・発展があり、その揺らぎが文庫版の訳者曰く「読む人を選ぶ本」だそうだが、私には合っていてすぐこの世界感に没入した。
    話者がコロコロ変わる、時間が自在に行き来する、ということだったがその変化に反発せずについていけ、こちらも時間も空間も地図上の移動も自由に旅することができた。

    なんという想像力だろう、こういう作品にあと何回出会えるだろう、と思う類の読書体験。特別な作品だった。

    “飛行機屋”からしたら、そりゃないぜなエッセンスもあるだろうけど、そういうことを突っ込むのは野暮だろう。
    もしそこを突っ込んだとして、この本の価値はそこではないし、これをベースにして作られたあの映画も色褪せはしないと思う。

    冒頭から最後まで、脳内ではレイフ・ファインズが語り、あの美しい様々なシーンが絵になってあらわれた。
    ハナとキップ、砂漠の風景、皆が住む廃墟など、印象的なことをあげたらキリがない。
    映像になっていなかった要所も、まるで文字を追っている目と本の間にスクリーンが立ち上がり、映像が浮かぶような心を掴まれる描写ばかりで、行ったことのない砂漠の乾燥した熱風を受けたり、日陰では涼しく暗い洞窟で、水滴の垂れる音だけ聞こえているような静謐を感じたり、あらゆるものが五感に語りかけてくる本だった。

    映画のことを言えば、あの時レイフ・ファインズは33,34歳だったらしい。
    信じられない程の悩ましい色気!
    美しい青い瞳と最高に切ないあの眼差し。たまらないね。

    何がどうなったらあのような造形に仕上がるのか...
    ヴォルデモートの姿しか知らない人は、ぜひ観てほしい姿だわ

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    2025年05月09日
  • 月と六ペンス

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    これまで読んで一番面白かった小説を一つ挙げて、と言われたら、有力候補の一つとしてこの本が挙がってくると思う。それくらい面白い。魅力的な本。

    本書のクライマックスは、やはりストリックランドがタヒチに行ったのちに命をかけて最高傑作をかけ上げていくシーンなのかもしれない。ただ個人的には、前半のパリでの出来事や、あのいかれていると思われるほど、お人好しの彼の切ない感じが大好き。

    自分にはストリックランドのような圧倒的な才能も、なぜだか女性を惹きつけてしまう野生的、セク書なるな魅力もないと自覚しているので、それに圧倒されつつも惹かれてしまう彼や彼の奥さんの気持ちがなんとなくわかる気がするのだ(もちろん、あそこまで極端にはなりきれないけれど)。

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    2025年05月06日
  • 月と六ペンス

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    ゴーギャンをモチーフにした小説。相変わらずモームの人間への洞察力はすごい。ストリックランドという人間を通じて、人間とはどうあるべきなのかわからなくなる。

    彼は確かに家庭を顧みずに絵画の道を選ぶものの、それが彼にとっての生きがいでもあった。そして多くの人に影響を与えた。何が良いかということは、本人しかわからないし、現世での評価が全てでもないのかもしれないと思う。

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    2025年02月13日
  • 月と六ペンス

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    ネタバレ

    月と六ペンス読みました。
    終盤のところが1番印象的で好きでした。
    生まれる場所を誤る人がいる、とゆう一文から始まる文章のところや、タヒチでのストリックランドの様子。
    物語中盤にストリックランドがブランチのことを、支配欲は激烈で魂の支配までする、ただ自分のものにしたかっただけだ、と言い放っていましたが、タヒチのアタは自分をほっといてくれるからこれ以上は望まないといい、最期をそこで過ごす。このふたりの対比は痛々しく、ブランチに同情してしまう私は似たものをどこかで持っているからなのかなと思ったり。
    世間はどうでもいいストリックランドと、ブランチの夫の他者に執着にも感じるような介入をしたがる様子との対比。人物像が生々しく、言い回しが難解なところが多々あって何度も読み直しては考えながら読みました。

    妻の元を去ってから出会った女性たちは、ストリックランドの何にそんなに惹かれたのだろう。
    主人公が彼を色んな角度から分析し描写していましたが、野生的さと肉体的強さ、官能的と書いてあるところがありました。お金や名誉をもたなくても、そのままのたたずまいや皮肉さ、仕草や肉体に惹かれたのだろうか、それとも理想を追う生き方に魅了されたのか、理性が吹き飛ぶような劣情を感じさせる人とはどんなものなのだろう、などと、女性側の視点に立って色々考えてしまいました。

    とはいえ、自分にはこの生き方しか生きれない、と決意した人には何を言ってもこちら側が滑稽に見えるだけで、手を伸ばしても届かない月のような存在と思うのが1番かも、なんて身もふたもないことを思った。
    モームの他の作品も読んでみたいな。

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    2025年01月20日