土屋政雄のレビュー一覧

  • 日の名残り

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    執事という職業自体が私にとっては、外国文学の中でしか触れることのない職業で、執事がどんなものかは作品の中で想像するしかないが、このお話の主人公は第二次世界大戦前から大戦後までをイギリスの貴族のお屋敷で働いていた1人の執事。初めは、世界大戦中の、貴族や国の重要人物のお話だったら、もっと面白そうなのに、なんで、執事のお話なんだろう?と思って読んでいた。主人のダーリントン卿が出会う国の中枢の人物たちとの話が漏れ聞こえてきて、執事は、ダーリントン卿がいかに立派な考えを持っているかということを説明していく。でも、何せ、漏れ聞こえてくる情報だけしか私たちには知らされないから、なんだか、曖昧でもやがかかって

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    2025年12月21日
  • 日の名残り

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    福大病院図書室で借りる。久々感動の本。何がよいのか?スッと言葉が出ない。が、読みながら残りページ(紙の厚さ)が少なくなっていくのが残念になるという初めての経験をした。まだ終わってほしくない、まだ読み続けたいと。主人公が「品格」にとてもこだわりがあり自分も「品格」ある行動をせねばと思うようになった。

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    2025年12月18日
  • 日の名残り

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     途中までよくわからなかったが、最後の方になってどういう話だったのかわかる気がした。
     スティーブンスが首相、外相、駐英ドイツ大使リッベントロップの会談をうまく凌いで幸福感を感じるが、その20年後に分かった女中頭の自分への恋慕の情がそれをふいにしてしまった。スティーブンスは鈍感すぎた。僕も読んでる最中全く気が付かなかったから鈍感なのかなと思った(笑)
     解説を読んで分かった気になったが、自分でわからなかったのが悔しい。また読みたい。

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    2025年12月17日
  • 夜想曲集

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    カズオ イシグロの短編集。男と女の惹かれ合う思いや言葉、外国のその地での情緒の他に、何よりも流れ出てくるメロディーの調べが心地よい。そしてくるりと笑ってしまう展開。これまで読んできたイシグロ氏の著作の中でこんなに面白みのある本、あったでしょうか。映像化されたら、どれもこれもまた違った楽しいものになるでしょうね。

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    2025年12月13日
  • クララとお日さま

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    クララに癒されながら、同時に不穏な世界観も楽しめた。
    この本はChat GPTに選書して貰ったので余計に感慨深い……クララと比べるとバカだけど選書センスが最高!

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    2025年11月25日
  • 日の名残り

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    カズオイシグロは難解だ、
    訳文だからか私の読解力不足だからか読みづらい、
    映画にもなってるそうなのでイージーそうなそっちから読めばよかったか?
    なんて逡巡を口笛で飛ばす読後感です。
    氷河期世代で仕事人間たる私には、重みが残りました。
    仕事を選んできた人生に後悔はないか?と問われるとイエスと即答できない。
    同じように仕事を選んできたあの人にも、読んで欲しい。

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    2025年11月23日
  • クララとお日さま

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    AFの存在が、こんなに大きくなる世界は、そう遠くないと感じる。
    身体性を持つことができるか?
    身体性が必要なのか? はわからない。

    自分(AF)の中で、正義を確立することができるのかは、ちょっと怖いとも思える。

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    2025年11月22日
  • 月と六ペンス

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    面白かった!途中ストリックランドのヤバさに引いたけど最後はストリックランド、、、お前、、、ってなった。解説もついていて理解が深まった気がする

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    2025年11月12日
  • 日の名残り

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    ネタバレ

     時代は第二次世界大戦の後,1950年代。
     執事スティーブンスは、現在はアメリカ人の主人に仕えているのだが、主人が帰省する間、かつて同僚だった女中頭に会いにいくことになった。かつてかれらは、有力貴族ダーリントン卿に仕えていた。物語は大半は、旅中で想起される戦前の出来事(1920〜30年代くらい)が中心となっている。
     ダーリントン卿は、政界にコネを持ち、その屋敷は幾度のなく国際政治上の密会の場となっていた。そして、スティーブンスは主人に心酔していた。彼は、ダーリントン卿がいかに偉いか、ということを何度も回想している。
     と同時に、そのように高らかに誇張されることによって、その陰にあった(が実

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    2025年11月06日
  • 日の名残り

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    こーれはすごい
    まるで実在する執事が滔々と自らの職業人生を語っているかのようで、ノンフィクションの自伝を読んでいるような錯覚に陥りそうになる
    確かな構成力に加えて生真面目な執事が時折見せる人間臭さや登場人物の会話など、ここまでのリアリティと緻密さをもって細部まで描き切る著者の筆致の力量に圧倒された

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    2025年11月02日
  • クララとお日さま

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    人間よりもいつしかクララに共感する。彼女と祈り、彼女の代わりに胸を痛めるうちに、共感を行動に移す力を自分こそが手放しかけていることに気づかされる。

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    2025年10月24日
  • クララとお日さま

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    AIが身近なロボットとして富裕層の家庭が手に入れられる時代があるならば、まさにこういう未来があるのではないかと非常にリアリティのある内容を、AI親友ロボットの一人称視点で語られる物語。
    今の世のAIが質問に何とか答えようとして情報を寄せ集め嘘をついてくることや、よく想像される人に取って代わるというような、興奮性の刺激となる流れでない。淡々と、静かに、しかし確かな川底に流れる熱さをもって、世や人間の美しさや不思議さ、愚かさ、差別、またAIのこころや信仰のような思考の波をとりあげていく。

    冒頭で、ショーウィンドウにいるAIロボットのクララが “コーヒーカップのご婦人とレインコートの老人” を見、

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    2025年10月21日
  • クララとお日さま

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    子供の良きAF(人工親友)になるべく開発された人型AIクララを語り手に、病弱な少女ジョジーとの出会いから別れまでが描かれる。

    クララは観察眼に優れ勉強熱心で優秀なAFだけど、人の心の機微には疎く淡々とした言動の描写からやはり人間とは違う存在なのだと改めて感じさせられる。観察と学習を繰り返した末に、人の心や感情は模倣できるのか。
    終盤、人間に作られた存在であるクララが文字通り自身を犠牲にして主人であるジョジーを救おうとする健気さに心打たれた。

    AIは人間の道具なのか、パートナーなのか。心とは、優しさとは。
    近い将来、こんな未来がくることもあり得るのだろうかと考えさせられる結末だった。
    機械が

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    2025年10月01日
  • クララとお日さま

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    AIロボットと人間の関係や、家族の在り方、知識の意味、人とAIの違いとは何かなど考えさせられることが多い本であった。
    AIは本当に人間になりうるものなのか、違いは何なのか、脅威となりうるものなのか。
    最近では、技術の進歩によって、自然に発生したものを改善する方法が多くでてきている。
    そのような技術に向き合い、どのように扱っていくのか、これから人間に課された大きな課題であると感じた。

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    2025年09月02日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    「わたしを離さないで」について

    ノーベル賞作家のカズオ・イシグロが端正な筆致で綴る、ある女性の人生の物語。

    提供者を慰める介護人の職に長くついていた女性。彼女が職を辞めるにあたり、自分のこれまでの人生、特に生まれ育ったヘールシャムで仲間と過ごした日々を回顧する。

    提供者、介護人など説明なく出てくる言葉の意味が、女性の回想から次第に明らかになってくるにつれ、世界の残酷な姿が浮かび上がってくる。
    この世界の真実は、SF小説のファンならばすぐに見当がついてしまうだろう。

    読みどころは、むしろ小説としての巧さ、人間描写の厚みの部分だ。大きな状況に翻弄される主人公たちが、小さな人間関係にすがる姿がなんとも哀しく映るのだ。

    #切ない

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    2025年08月29日
  • クララとお日さま

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    ネタバレ

    初めて読んだカズオ・イシグロ作品です。

    自分が非常に遅読なのもあり、主人公であるクララの(おそらく瞳の)「箱」で描写される風景を想像をするのに時々苦労してゆっくり読んでいました。

    少年少女の心に寄り添い支えるための人工親友=AF(Artificial Friend)であり本作の主人公でもあるクララ。
    彼女の目を通して一人の少女とその周りのことが語られていきます。

    「向上措置」やそれに関係する差別ともいえる風景などが垣間見えるディストピアのような世界観。
    クララが寄り添う少女ジョジーに忍び寄る死の影、ジョジーの母親クリシーの穏やかならぬ心、ジョジーの親友で措置を受けていないリックの将来・・

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    2025年08月26日
  • 夜想曲集

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    老歌手からもうすでにいい。構成とキャラ設定、ストーリーの流れ、全部拍手喝采。行を追うのが止まらない。

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    2025年08月19日
  • 夜想曲集

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    翻訳ものは誰が翻訳したかによっても評価が分かれると思いますが、とても読みやすかったです。訳されることを前提に書いていると知った時は驚きました。
    音楽をテーマに5つの短編が収録されていますが、一つ一つ異なるテイストで楽しく、すぐに世界に引き込まれました。
    余韻のある読後感も心地よい一冊だと思います。

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    2025年08月10日
  • クララとお日さま

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    「私を離さないで」を読んで深い感動に打ちのめされた私は、「クララとお日さま」が「私を離さないで」に共通した点があることに嬉しさを感じながら読み終えた。
    AIと人間を扱う小説や映画はすでに数多くあるが、AI側の視点に立った小説は異彩を放っている。
    綿密に計算された語り口はカズオ・イシグロ・ワールド全開だ。見事に「私を離さないで」と同類の感動を与えてくれた。

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    2025年07月20日
  • イギリス人の患者

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    「教皇選挙」を観て、レイフ・ファインズ熱が再燃。
    自分的No.、最も美しく儚い姿だった「イングリッシュ・ペイシェント」を思い出した。
    原作は読んでいなかったな、ということで手に取る。

    本書の解説にもあるが、映画と小説はかなり別物であった。
    なので、映画が好みだからと言ってこちらも気にいるかは別問題。

    しかしながら、小説にはこの形式でないとできないだろう展開・発展があり、その揺らぎが文庫版の訳者曰く「読む人を選ぶ本」だそうだが、私には合っていてすぐこの世界感に没入した。
    話者がコロコロ変わる、時間が自在に行き来する、ということだったがその変化に反発せずについていけ、こちらも時間も空間も地図上

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    2025年05月09日