土屋政雄のレビュー一覧

  • 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー

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    ノーベル賞を取った作家の自叙伝

    カズロ・イシグロさんのことを全然知らなかったので読んでみた。(そもそもノーベル文学賞もちゃんと認識できてなかったです。m_ _m)

    日本生まれながら、海外育ちという特殊なアイデンティティと歴史の波がグッと噛み合い生まれた作品たちなんだなと感じた。
    「記憶の中の「日本」を保存する」というのはオシャレな考えだった。

    また、常に自問自答と、作品を皆に見せフィードバックをもらいなら制作している様子は素敵だった。

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    2026年03月24日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ネタバレ

    恋愛ものだと思ってたよ!読み始め早々から、仲間たちを惜しみ、懐かしみだす主人公。不穏な空気を感じ、恋愛ものじゃねぇなとすぐ気づきました。はっきりと最後まで明言されないからこそ、主人公の回顧中での端々の単語がじわじわと嫌な想像をさせてきます。閉じられた世界、介護人、提供者、夢の抱けない生徒たち。これは、もしかしたら現実に起こりえる未来なのかもしれません。イシグロさんは帯に世界観のネタバレの記載OKと言われていたようですが、ぜひモヤモヤした想像と闘いながら読んでほしい。とてもきれいな、怖い物語でした。

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    2026年03月18日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    スムーズに読めた。最後のあたりは生徒視点で読むと酷だと思うけど、実際そのような治療法があったら自分も考えないようにするだろう。人道的に育てると感情が豊かになってしまって苦しむことも増えそう

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    2026年03月11日
  • 日の名残り

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    イシグロ文学は難しい1冊で貴族社会の執事における品格をテーマに描かれている。ダーリントンホール、ファラデー、ミスケントン、ソールズベリー、ミスターグレアム、ミスタースティーブンス、デュポン、ウェークフィールド、リンゼイ、カーディナル、大尖塔と伝統的な英国はわかりにくい。どこが大きな感動を呼ぶのか自分なりに考えてみたい。

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    2026年03月08日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ネタバレ

    再読。

    キャシーは介護人を辞めるって言っているけど、そのあとは?
    提供が始まるとも言っていないから、ルースが夢見たようにどこかオフィスで働ける未来もあるのかな?
    親が事故死したりして提供の必要がなくなったら生きられるのかな?
    でも他の人への提供が待っているのかなぁ。

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    2026年03月01日
  • 夜想曲集

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    表紙と、そして『音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』という副題から簡単に想像できる通り、この作品集には、人生の黄昏時の雰囲気漂う男女の別れを描いた短編が、五編収められている。

    思えば夕暮れは、最もロマンチックな瞬間ではないだろうか。
    一日で限られた特別な時間帯にだけ、目に映る独特の斜光。それは人によってはただの黄色い光線にしか映らないかもしれない。

    だがよくよく考えてみると、その光線とそっくりそのままの夕陽が、将来再び僕らの下を訪れることは決してないのである。
    そのような夕暮れ時に、同様にかけがえのない相手であったに違いない男女が、お互いに最後の別れを交わすのだ。

    この作品集は、このような悲

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    2026年02月25日
  • 日の名残り

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    アンソニー・ホプキンス主演の実写映画を鑑賞後、早速読んでみました。
    英国貴族ダーリントン卿が住んでいた荘厳な邸宅は、今はアメリカ人の手に渡っていた。ダーリントン卿に何十年と仕えていた執事スティーブンスはお屋敷に残ったものの、当時のスタッフ達は離れていき人手不足に困り果てている。
    そんな折、当時女中頭を務めていて結婚を機に屋敷を離れた元同僚ミス・ケントンからダーリントンホールでの日々が懐かしいと郷愁を滲ませる内容の手紙が届く。
    ミス・ケントンがお屋敷に戻ってきてくれるのではという期待を込めて、スティーブンスは彼女に会いに行くことを決めたその道中、素晴らしい故郷の風景に

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    2026年02月19日
  • 千の輝く太陽

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    マリアムとライラ、激動のアフガニスタンで生きる2人の視点で描かれる悲劇。

    女よ、聞け。常に家の中にとどまれ。女が目的もなく通りを歩くのは、正しい行いではない。

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    2026年02月18日
  • ダロウェイ夫人

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    ネタバレ

    第一次世界大戦を終えたイギリスの、6月のある1日を描き出す作品。
    「ダロウェイ夫人」が中心に据えられているが、作品の視点は周囲の人の頭の中を飛び回るような、独特の浮遊感で移り変わっていく。

    大勢を招いたパーティを開くくらい精力的で、魅力的でもあるようなクラリッサ(ダロウェイ夫人)が内面で仄暗いものを飼っていて、誰かわからない人の自殺を知りなにかしら自分の中に落とし込むくだり、表面的にはなにひとつ変わらないこのことを真に迫って伝えてくるのは正に小説の力だと思う。

    一番印象的だったのはヒュー。「完全無欠」ながら、本を読まない、ものを考えないと切って捨てる人もいるけれど、本人は本人の価値の置く世

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    2026年02月07日
  • 夜想曲集

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    短編集。カズオイシグロの「少し前に一世を風靡したのに今はもう若い世代の尊敬を受けられない初老の男」に対するこの執着はなんなんだ。日の名残も含めていろんな人種、いろんな職業を着せ替えては、若い頃から繰り返し「昔はすごかった男」の物語を描き続けていてcreepyでさえある。

    2話目の音楽の趣味のいい英語教師の話がいちばん書き手自身が投影されていそうなのに、プロットはメチャクチャで笑ってしまった。

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    2026年01月24日
  • 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー

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    ノーベル文学賞受賞記念講演
    途中で止めて、いったんトムウェイツのRuby's Armsを聴かずにはいられなかった

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    2026年01月24日
  • クララとお日さま

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    気になっていたクララとお日さま

    正直、読み進めるのに苦労した。
    それもそのはず。
    この物語は、人工知能搭載ロボット(AF)のクララが
    主役なのだから。

    子供の成長を手助けするロボット、クララ。
    病弱な少女ジョジー。
    ふたりの友情が育まれつつ、ジョジーを取り巻く
    大人たちの問題にクララが巻き込まれていくが、
    クララは、見聞きしている情報を正確に捉え分析し、クララなりの答えを出していく。
    その結果は。。。

    この物語は、クララを通じて多くのことを考えさせ
    られた。
    子供に対する大人の倫理観と感情論。
    環境に対する問題。
    クララは静かに分析し。
    ジョジーは冷静になりつつも大人達の考えに
    導かれる

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    2026年01月17日
  • 月と六ペンス

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    現実なのかドラマなのかぼやけてくるような不思議な感覚で、読み入ってしまった。
    1人の天才に周囲の人間が狂わされてしまう異様な光景を想像するのと併せて、頭の中で凄まじい美術を思い描いた。
    自分的には距離を取っているつもりが、傍目から見たらとっくに魅了されている主人公の姿も、ストリックランドの恐ろしさを加速させていた。

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    2026年01月01日
  • クララとお日さま

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    カズオ・イシグロは好きで何冊も読んできたが、なぜか読んでいなかったクララとお日さま。ノーベル文学賞受賞でものすごい話題になってからの第一作目で、推しがとんでもなく有名になりすぎてなんだか距離が…みたいな感覚?

    ようやく文庫版を手に取る。読み始めたらもう一気に読んだ。相変わらず静謐でシンプルな素敵な文章。「私を離さないで」のような、読者に隠されたままの世界の秘密(今回はとうとう最後まですべては明かされなかった)。そして、人工知能ロボットという、人間の世界を学習中の、語り手として信頼をしきれない主人公クララ。読者は足元がぐらつき、視野が制限されたまま、クララの目を通して、クララの主であるジョジー

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    2025年12月28日
  • 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー

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    ノーベル賞を受賞したカズオ・イシグロさんの講演録です。
    興味深い内容でしたので、イシグロさんのルーツについてもっと知りたいと思いました。

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    2025年12月19日
  • クララとお日さま

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    ネタバレ

    クララはユア・フォルマの通常アミクスのようではなく、自律的に思考する感情のある存在だったので、あのラストにはうーんとなってしまった。そんなことある?
    ラストでクララが廃棄場にいる時に店長さんが話しかけてくるシーン、あれってこれから廃棄されるクララたちAFにまた会えて嬉しいってどうなの。普通感情移入しない? ジョジーも、本当の親友って言いながらこれから廃棄されるクララに手を振りますか?
    人と見分けのつかない形をしているのかはわからなかったけれど(登場人物たちがクララをAFだと迷いなく判断していたので割とメカっぽいのかも?)、今まで幼少期に寄り添ってくれた存在をここまでぞんざいに扱えるものだろうか

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    2025年12月03日
  • クララとお日さま

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    ネタバレ

    読者として気になることや知りたいことにはっきりと触れることはないけど、ちゃんと所々から読み取れるようになってて、読後良いモヤモヤしか残らない加減がすごいなと思った。
    感情があるということと心があるということは別なのかな。
    クララには心がないのかも知らないけど、語り手がクララなのもあってすごく共感とか同情とか感じながら読み進めてた。
    クララが最後に言った、特別な何かはジョジーの中ではなくジョジーを愛する人々の中にある、というセリフが本質だと思う。

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    2025年11月22日
  • クララとお日さま

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    読んだ後になんとも言えない感情、余韻に浸らせてくれる。
    明記はしないけど、ところどころに物語のキーとなる事柄が散りばめられてて、結局それは最後まで明かされないものもある。
    読み手に考える余白を与えてくれて、読んだ後も余韻に浸れるのが良い。

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    2025年11月01日
  • クララとお日さま

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    読んでいる途中にいくつも疑問が浮かび、それらが後半で少しずつ明らかになっていきました。
    読み終わっても分からないところも複数あります。
    特に、雄牛がなぜあのように描写されたのか分からず気になっています…

    読み終わってしばらくしても心に残る作品。

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    2025年09月08日
  • 日の名残り

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    執事の回顧によるダウントン・アビー ダウントン・アビーに出てくるようなお屋敷に仕える執事の物語。最初の方は、堅くて面白くなさそうな文体だな、と思ってたけど、車での旅に出るとイギリスの自然や緑が広がる風景と執事の回顧から見えてくるお屋敷の豪奢な作りやその佇まいがとってもステキな情景として見えてくる。古き時代の輝かしい公爵、伯爵たちがいた頃の、まさにこれがイギリス!

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    2026年03月14日