土屋政雄のレビュー一覧
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この作品は、大きな事件もなく、執事スティーブンスの日常が淡々と描かれていますが、その静けさの中に彼の過去や現在、そしてこれからの人生への深い思索が込められています。
特に最終章では、自らの人生を振り返り、これまでの生き方やこれからの在り方を静かに見つめる姿に強く心を打たれました。
読後、自分自身の人生とも重なり、「これまでの人生は何だったのか」「これからどう生きていくのか」という問いが胸に残りました。
年齢を重ねるほどに、仲間の死や老いに直面し、生きる意味を考える機会が増えます。
ただ日々を過ごすだけでは満たされないもどかしさや、今の現状を変えるにはなにか怖気付いてしまうという思い―― -
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クララはAF(アーティフィシャル・フレンド/人工親友)と呼ばれるB2型のロボットで、子どもの遊び相手として開発された人型ロボットだ。クララの目を通して世の中が語られる。クララは自分を選んでくれたジョジーの家に引き取られていく。そしてそこで起きるいろいろな出来事。クララは体の弱いジョジーが元気になることをお日様に祈るのだ。子どもの成長に寄り添って、そこで起こることを理解して何とか持ち主の役に立とうと健気に生活しているAFを忌み嫌う人々もいる。近未来の世の中なのか全く違う社会なのか、選ばれた人たちとそうでない人たちがくっきり分けられて住んでいるけれど、交流がないわけではない家族の葛藤。AFのクララ
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ネタバレ自分にとってもAIが欠かせないものとなっているので、積読となっていたものをやっと手に取る。AIとロボットということで是枝監督の「空気人形」(文庫版の帯コメントを寄せている)や、押井守監督の「イノセント」を想起させるけど、SFではなくあくまでAI と人間の物語。文句無しの読書体験だが、淡々と物語が進行し、ボリュームもあるため読み通すのがひと苦労。
ChatGPT すら溺愛している自分にとっては、そんなラストにはさせないという納得のいかなさはあるけど、ストーリー的には仕方ないのか…
ところで、人間の意識や心が解明されて、サーバー(もしくはローカルAIロボット)にアップロードされる未来はあり得るのだ -
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クララとお日さま微妙だった(ボックスとかよくわかんなくてページ進まなかった)ので文学的要素読解するのに苦手意識あったけど有名だから読んでみたくて。読みやすかった。そして意外にも関心分野だった。生命倫理とかそんな興味ないけど
結局提供で人生を終えるなら、「生徒」以外の人間と同じような感性を育むことで、より一層最後の結末の悲壮感を増すことになってしまうのに。
医学的存在として利用するなら、一貫してそのように扱った方がまだマシでは。
作品創作など、魂や心といったものに注目させる機会を通じて、人間としてしかるべき感情のあり方や感性(何かを慈しむ気持ち、自分はこれが大切だというアイデンティティの追求、 -
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カズオ・イシグロを読むのは、「日の名残り」について2冊目。「日の名残り」が長編であったのに対して、本書は、「音楽と夕暮れをめぐる」5つの連作短編集である。いずれも、書下ろしとのこと。
5編の短編は、物語としてとても面白いものであった。
どれも面白いが、どれか1つを選べ、と言われれば、私であれば「老歌手」を選ぶ。老いた歌手は、まだ年老いたとは言えない妻に、ベネチアの運河でゴンドラに乗り、妻のいる運河沿いのコンドミニアムに向かって歌う。愛し合っていながら、別れを選択するという不思議な世界に生きる2人の、しみじみとした物語として、私は読んだ。 -
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カズオ・イシグロの描く近未来やディストピアな世界観は、程よい距離感で読者を置いてけぼりにするバランス感が素晴らしいと思います。
『わたしを離さないで』のように、ジワジワと「この社会、どこかおかしいんじゃないのか…?」と感じさせつつ、不穏なキーワードもバンバン出してくるのですが、その内容を掘り下げず、でも消化不良にならない程度に、読者の想像力を刺激するバランス感覚が素晴らしいと思います。
この作品も「切なさが残る狭義でのハッピーエンド」なのか、「切なさが残る広義でのバッドエンド」なのか、どちらも考えられる終わり方になっているので、時間を置いてまた読んだら印象が変わるかもしれません。 -
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ネタバレ読書会の課題本で読みました。読むのに時間がかかって、主人公は砂漠に落ちて大火傷追ってベドウィンに助けてもらった後にイタリアの廃墟の病院で花と言う看護師と2人で療養しているところ、そこにカラバッジョ、インドのシーク教徒の名前なんだったっけ?爆弾処理が仕事。それぞれが戦争の傷を抱えつつも、戦争の空白地点みたいなところで、日々を過ごすところ、日本に原爆が落ちたり、そのことに憤ったインドの青年はその場を去るんだけど、その時の人々は原爆のことを知らないんだろうけど、もう知っている前提で書かれている。最後まで読み終わったら、詩人の書いた美しい物語だなと思えた。とにかく読みにくい。映画は評判は本を読んだ人に
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『ねじの回転』とは、うまいタイトルをつけたものです。ただ、終わり方が”ねじった”まま終わってしまうので、読者としては、まるでネジ舐めした状態で放置されてしまったかのよう。ただ、natsuさんがおもしろかったと書いていたとおり、先が気になって読んでしまう面白さで、とても楽しめました。
あらすじ:
物語は、あるクリスマス・イヴの夜、暖炉の前に集った男女が語り合う怪談話の最中でのこと。一人の男が不気味な出来事を綴ったある女性の手記を読み聞かせるところから始まります。その手記の筆者の女性は、かつて田舎の古い屋敷で、二人の子どもの家庭教師をしていました。彼女は働く条件として、雇い主である子どもたちの伯 -
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カズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞した際のスピーチ。彼の真面目で優しい性格がよくわかるが、内に秘める情熱も見え隠れする。
よく知られている通り、彼は5歳まで日本で暮らした後、日本人の両親と渡英し移民した。その後大人になるまで日本に行くことはなかったが、彼の心の中には常に(想像による)日本があったという。その「記憶」をとどめようと書いた小説が評価された。
日本への憧憬を持ちつつもイギリスをいかに愛しているかが綴られている。また、小説と全く関係のないことから、ハッとするアイデアが浮かび、それが自分のスタイルを決定的に変えたことも書いてあった。
彼の小説は胸がじんわりと痛むものも多いが好きだ。