岩井俊二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
同僚からおすすめの映画として勧められており、本を貸し出しているカフェで偶然原作を見つけ、読むことにした
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いわゆる子供と大人の両面が強く併存する中高生だからこそ抱く、掴みどころがないような考え方・感じ方を描いており、懐かしさと、もう抱けないという切なさも感じる。
知恵がつきビジネスといった大人の真似事をできる一方、リスクを感じず(想像できず?)にどこまでも残虐になることができつつ罪や罰を恐れるのは、中高生特有な気がする
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他者を傷つけるのは、傷つけられる側 (本作ではいじめ、現実では虐待なども)から抜け出すためといった背景があるなど、
人間の内面は複雑であり、自分が見え -
Posted by ブクログ
ネタバレ視点が妹と小説家の主人公でころころ変わるのが印象的だった。
また、美咲の死から始まる斬新な始まりで、どう進むのか疑問だった。
しかし、同窓会から始まって、妹が嘘をつき続ける、主人公は騙された振りをし続けるという展開で、携帯電話を壊され喧嘩になり、手紙を出し合う奇妙な関係になるのは見ていてとても面白かった。
そこから一旦、美咲が死ぬ原因だった男に、「お前は部外者で見ていただけ、それを理由にグズグズ小説家でいるお前に何も言う資格は無い」的なクズ男のくせに正論パンチで殴られて苦しくなる。
だけど、最終的にはハッピーエンドなのが良かった。母校で妹の子供たちと出会って、手紙を見て、お互いにちゃん -
Posted by ブクログ
初岩井俊二。こんな本も書くんだという感想。
1997年刊行。まだ香港がイギリス領だった時代の話か。人魚の進化と身体の仕組みに迫る(陰謀を隠す)科学者のSF仕立ての本。人間と人魚がものすごく近い生物のように書かれてる一方で高周波とか癒合とか人間とはかけ離れた宇宙人のように書かれてる場面もあってそのチグハグさや結局ミッシングリンクは?マリア1号はどこから来たの?そもそも海家の人の名前と関係が覚えづらい!とか細かな疑問はあるけど、そういうことも気にならないくらい骨太の構想でぐいぐい読んでしまった。クジラやアザラシが哺乳類でいながらあんなに進化して海に順応する生物になったように、人間も同じ方向に進んで -
Posted by ブクログ
ネタバレ歌で自分を表現して、というか、歌でしか表現できなかったルカが、結局それで自分を癒やし始めてる…良かったねって思った。
まあ、ここで非凡な才能があるとこが、小説(映画?)らしいとこなんだけど。
一方で、夏彦や、イッコはどうなんだろうなあ。
イッコがあんなふうになっちゃったのはなんでなんだろ?孤独?愛されたことなかったから?幸せになってほしいなあ。
夏彦はもう誰かを好きになったりしないのかな?せっかく医学部受かったのに。お金だって出してもらえるのに。なんか優等生の高校生がぽわ~んとした肉食の女の子に捕まって、のめり込んじゃって、そして、震災…
そんな状況でもちゃんと合格するアタマもすごいけど -
Posted by ブクログ
2008年からの積読です。
当時好きだった人が、岩井俊二監督を好きで、
その影響を受けて買ったと思われます。
裏面のあらすじを読んで、なかなか手が出ずここまで積読に。苦笑
ラブレター、四月物語、花とアリスとかは好きでした。
移民たちは日本をイェンタウンと呼ぶ。
円を堀に行くから。
日本人たちはそれを嫌い、移民たちを円盗(イェンタウン)と呼ぶ。
荒廃した町で、
墓を荒らし、身体を売り生きている。
ヒョウ、リン、フニクラ、そしてグリコ。
そこに身寄りのないアゲハが加わる。
自分たちで判断し、
自分たちがすべてでしかない。
やられたらやり返すし、
力のないものは逃げるしかない。
わかりやすくて