岩井俊二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2008年からの積読です。
当時好きだった人が、岩井俊二監督を好きで、
その影響を受けて買ったと思われます。
裏面のあらすじを読んで、なかなか手が出ずここまで積読に。苦笑
ラブレター、四月物語、花とアリスとかは好きでした。
移民たちは日本をイェンタウンと呼ぶ。
円を堀に行くから。
日本人たちはそれを嫌い、移民たちを円盗(イェンタウン)と呼ぶ。
荒廃した町で、
墓を荒らし、身体を売り生きている。
ヒョウ、リン、フニクラ、そしてグリコ。
そこに身寄りのないアゲハが加わる。
自分たちで判断し、
自分たちがすべてでしかない。
やられたらやり返すし、
力のないものは逃げるしかない。
わかりやすくて潔いけれど、
とても過酷な世界。
人間に上も下もないはずなのに、
金と価値が取引される。
1996年刊行の作品ですが、
今でも通じてしまう部分が沢山あって、
変わらない部分に苦しくなりました。
本作自体は、色々事件が起こって、
理不尽と暴力もあるし、
その余韻は消えないんですが、
読後は青春群像劇のようになぜかさわやかでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ岩井俊二はアイナジエンドを見てこの脚本かいたのかな(実際そうらしい)
それくらいもうわたしの中でアイナジエンドがこの物語にいて
内容のことで気になるとすれば、震災のところ、希(キリエ姉)が路花(ルカ)を探した末、二人は出会えたのにどうして路花だけが助かったのかわからないの、
でも被災者の話をする中でわからないことってたくさんあるのだろうなと思う。
(ルカだけが助かったのは木に登ったからだったはず、キリエ(姉)が妊娠していたから登れなかった という可能性を思うと苦しい)
映画との比較として、小説の夏彦の心情表現すごい、
あらためてあれを表情とか声の感じで表現している松村北斗さんほんとすごいひとだ、、、
最終章の巧みさに脱帽した、やはり小説家岩井俊二としても本当にすごくて -
Posted by ブクログ
ナユタの絵のモデルは、何故死ぬのか?
ナユタは誰なのか?
そして零とは?
ミステリーとして読み進めるのも良い。
子供の頃から絵を描くことが好きで
高校の美術部から滑り止めの美大に進み、
自分の才能の限界に気付き一般就職。
この比較的、平凡な感じの主人公の花音が
あくの強い人たちの中でナユタの謎を追う。
(正直、前半は何だか花音が不安で仕方なかった。
仕事内容ってそんなに、色々な人にしゃべっていいの?)
後半に、段々とピースが集まってきて
想像していく過程が面白い。
最後の最後まで、複雑に絡み合っていて
本当に引き込まれたし、
映画を見終えたような感覚になった。
才能、努力、人間の底にあるもの、
美しさや恐ろしさや、
様々なものが詰め込まれた作品で、
一度読んだだけでは飲み込めない気もする…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画 スワロウテイルを観たのがいつかは定かではないがおそらく30年近く前なのだろうけれど、世界観と音楽とが圧倒的に好きで印象に残りまくった作品で、それから何回か見直したはずだけど、なぜかストーリーをうっすらとしか覚えていない作品です。
改めて小説を読んでみたくなり、記憶を遡りながら読みました。
どうやらキャラクターの設定が何人か違うようではあるが、大筋はそのままの様に思います。
読みながらもどうしても映画の場面を思い浮かべてしまうのですが、架空の円都で描かれる世界観になぜか不思議な懐かしさやノスタルジーを感じるのと同時に、決して幸せとは言い難い環境や時代を見て何故か羨望感を抱き、それぞれのキャラクターがカッコよく美しく虜になってしまいます。
小説だけ先に読んでいたらどう感じたか、もう確かめる術はなく正直感想を書くのもとても難しいですが、間違いないなと思うのは、映画は小説では文字だけでは感じ取りにくい雰囲気や情景を何倍にも表現していた様に思います。でももしかすると映画よりはストーリーはわかりやすいのかもしれません。
キャストのCHARA、三上博史、渡部篤郎、江口洋介、そして小林武史作曲のスワロウテイル・バタフライがただただ印象深く忘れられない作品です。
映画も再度見直したい気持ちはあるが、決してハッピーエンドではなかった記憶があるので若干躊躇いもあります。機会があれば見てみたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ我が家の積読本は、ブックカバーをかけています。
通勤出発前にパッと手にとった本がこちらでした。
たぶん10年以上本棚に寝かしていた一冊…。
あらすじを全く知らずに読み進めていて…
あれ、これ…なんか不穏…と思い、ネットで検索。
(結末知って読んでも大丈夫な人なのです)
検索結果に、「トラウマになる」「鬱展開」とか書かれてしましたので、心して読みました。
本当は精神状態が、あまりよくなかったので、
読むのをやめたかったのですが、
続きが気になって読む手がとまりませんでした。苦笑
カリスマ的な存在の歌姫、リリイ・シュシュ。
好意、ファン、推し、癒し、高貴、崇拝…
リリイ・シュシュという人物を通して、
ネットの掲示板「リリイホリック」に集う人たち。
サティ、くま、ネヴィラ71、ねんね、鉄人29号、あみか、トムトム、カエル、ゆみこ、るか…そしてパスカル。
顔も名前も年齢も性格も職業も何も知らない。
リリイ・シュシュだけが、唯一。
実は、過去に同様の掲示板が存在していた。
更新が止まってしまったサイト「リリイフィリア」。
なぜ、突然更新が止まってしまったのか。
あの日、本当は何があったのか。
リリイのライブ後、何があったのか。
ファンの自殺、
スタッフによる暴行傷害事件、
ライブハウスで起きた殺人事件。
リリイの周りには、
強い希望、光が存在するのと同じぐらいの、
絶望と暗闇が存在する。
誰かを救うということ。
道しるべになるということ。
救いって何だろう。
蓮見雄一、星野修介、津田詩織、久野陽子
田舎町の中学校。閉鎖された町、学校、空間。
いじめ、万引き、レイプ、援助交際…
学校の先生ですら、生徒の顔色を窺い、媚びへつらう。
誰も助けてくれない。
解決できない。
終わらない。
逃げられない。
ある時期を境に、星野からイジメの標的にされた雄一。
辛い現実、日常を救ってくれたのはリリイの歌だった。
とにかく語られる日常が過酷すぎました。
家庭も教師も大人もあてにならない。
頼りにならない。
助け合えるのは、虐げられている者同士。
それだって、本当に救ってやることはできない。
たった一つだけの居場所。
それがリリアフィリア。
あの日、ライブで真実を知るまでは。
誰も助けてくれない現実に、さらに突きつけられる真実。
10代のころ読んでたら、どう思ってたかなあ。
学生時代からかなり遠ざかった30代後半。
それでも。
読み切った後は、何とも言えない気持ちになりました。
「そっかあ、そうなのかあ。」って。
胸が痛くて苦しくなりました。
私はトラウマにも鬱展開とか
気持ち的に落ちたりはしませんでした。
事前にネタバレしてたかもですが。苦笑
ネットの世界は見えない分良いこともあれば残酷なこともあるし、学校生活が苦しく感じる瞬間があることは、今も昔も変わらないのかも、と思いました。
唯一のリリイが実態として姿を現さないことが、
ある意味の救いなのかもしれない。
私はエーテルを感じることはできない。