【感想・ネタバレ】リップヴァンウィンクルの花嫁のレビュー

あらすじ

「この世界はさ、本当は幸せだらけなんだよ」
秘密を抱えながらも愛情を抱きあう女性二人の関係を描き、黒木華、Cocco主演で映画化された、岩井美学が凝縮された渾身の一作。

皆川七海は、仕事をクビになり、SNSで手に入れた結婚も浮気の濡れ衣を着せられた。
行き場をなくした七海は、月に百万円稼げるというメイドのバイトを引き受ける。
主のいない屋敷にいたのは、破天荒で自由なもう一人のメイド、里中真白。
ある日、真白はウェディングドレスを着たいと言い出すが……。
現代の嘘と希望と愛の物語。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を何度も観ている特別大好きな作品。小説を読むと解像度が上がるので映画のファンの人にはぜひ一度読んでみてほしい。
このお話の何が好きかというと、七海と真白が昔からの友達じゃなくてなんなら出会ったばっかりで、お互いの過去も抱えているものもよく知らなかったこと。思い出の数は多くはないし、あのキラキラした夢みたいな時間は人生の中でほんの一瞬なのに、七海の記憶の中でこれからもずっと光っているのだろうなっていうのがすごく好きなんだと思う。あの日を自分の人生のエンドロールにしようと思った真白の気持ちもすごくわかる。
小説の中だと最後のページがすごく好き。本当は二人が出会った日に送信したおやすみなさいを彼女を見送った後にもう一度もってくるの、すごく切ない。
あと個人的に面白かったのは、小説だと安室さんって七海のことがっつりカモにしてて結構な金額を請求してるんだなって。映画だと綾野剛の顔と声だし胡散臭いけど優しくて良い人だよね〜くらいに思ってたけど、あなた自作自演でホテルに助けに来た後にしっかり請求してるのね。それでもどこか憎めなくて不思議だ。

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2025年09月05日

Posted by ブクログ

3年前に本作の映画の虜になり、YouTubeで再び観たがまたもや気になり、小説版を買ってみた。
映画では省略されている、宮沢賢治の一節の抜粋や、真白と真白のマネージャーの経緯が描かれていた。
頭の中で映画を再生しながら読んでも相違がほとんどないような内容だった。
各章が10ページほどで区切られており、ストーリーを都度整理して読むことができた。

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2023年08月05日

Posted by ブクログ

活字中毒の自分としては珍しく映像から入った作品。映画の空気がとにかく好きだった。
決して明るい話ではないのに心地よくて、もっと入り込みたくなって文章に。監督本人の文章だから安心して飛び込めた。
やっぱり好きだこの作品。
考えることはたくさんある。「つか、何者!?」とか。でも、細かいことはおいておいて好き。ふとした時に色々思い出して考えてみたり。そんな楽しみ方も心地いい。何度も読むし何度も観るな、きっと。

正直に言うと若い頃は少し苦手だった岩井ワールド。きっとあの頃の自分には早すぎたんだと思う。今、すごくハマりそう。

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2021年02月09日

購入済み

映画では描き切れなかった背景や設定がとても丁寧かつ残酷に描かれていて、世界観にさらにどっぷり浸かることができました。
小説を読み終わってから、また映画を見て、またどっぷり。。。

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2020年09月25日

Posted by ブクログ

真白さんのセリフに、涙が出ました。
角田光代さんの「対岸の彼女」を思い出しました。友達について、愛について、人生について、考えさせられます。
読んで良かった!!!

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2020年03月05日

Posted by ブクログ

読みやすくて面白くてじんわりきた。真白さんの職は社会で認められるようなものではないかもしれないけど、素敵な人だった。「落日」の最後にやられた。何でこんな導入必要だったんだろうと思ったけど全て繋がっていた。七海の変化が気持ち良かった。奇想天外っていいな。映画を観るのが楽しみ。

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2024年10月02日

Posted by ブクログ

全体的に「静」なんだけど、ところどころ「動」がどかんとくる。劇的な出来事が起こるわけではないが、感情がグッと揺さぶられる感じ。

そして絶妙なシュール加減が癖になる。結婚式のアルバイトはとっても魅力的でそそられるよね。

この作品に出てくる登場人物たちはすごく強くて逞しいと思った。主人公はこのあとどんな人生を歩んでいくのかな。勝手に想像してわくわくしてしまった。

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2023年11月28日

Posted by ブクログ

どこか他人軸で生きている主人公が、人生を自分の選択で切り拓いていく。どんどん感情を表にだし、人間らしく成長する。

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2021年08月19日

Posted by ブクログ

映画を観てから本を読みました。ぶっ飛んだ人こそ、心が繊細で傷つきやすいのかとおもいました。真白のような人は現実の世界にも沢山いるのだろうか、、、。

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2021年02月12日

Posted by ブクログ

何と書けばよいのか

読む手が止まらなかった

なにを信じればよいのか、

でも確かにそこには、揺るぎない心情があって、

フィクションなのはわかっているのに

途方もない空虚の中にいる

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2021年02月11日

Posted by ブクログ

映画を観てから読んだけど、映画には映画の良さがあり、小説には小説の良さがあった、どちらも良作。
赤鬼と青鬼の話は小説だけ。
映画を先に観たせいかはわからんけど、あの配役はベストチョイス過ぎるな。

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2019年08月07日

Posted by ブクログ

一気読み。
すごいな、あらすじなんかつけられないよ。奇想天外。
人生って思わぬところに嘘が潜んでいて、簡単に貶められてしまう。儚くて刹那的で。そんな一瞬を愛や希望と呼んでいる。
それをどう思えるかなんだろうけど、もしもそれを幸福と思えるのなら、本当に「世界は幸せだらけ」なんだろうな。

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2019年08月04日

Posted by ブクログ

感想が難しい。

読んでいる間、何が本当で何がうそか、よくわからなくなっていった。現実もこんな虚構なのかもしれないと思うと、ぞっとした。

そんな中でも真白と出会い救われる。でも、真白も嘘をついていて、でもそれは七海が救われる嘘で、って、もうわけがわからん!でも、真白に出会う前の七海の嘘だらけの人生が苦しかったから、なんかちょっと救われた。

結局、安室の存在がよくわからなかった。喪黒福造的な存在なのかしら。映画、見てみたいと思う。嘘に疲れるから、もう少し経ってからだけど。

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2021年06月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語の世界観好き。全部が夢のような不思議なお話。
落日の真白の長台詞が印象的。こんなの現実にありそうでなさそう、でもやっぱりありそうって思いながら読んでて、最後びっくりした。
安室の最後の号泣は演技かなと思った。ランバラルと安室の関係が最後まで明言されなかった。「ランバラルのお友達ですから」ってセリフが何回も出てくるのに明かされない。

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2021年05月12日

Posted by ブクログ

静かで妖しい、闇夜のような魔力を持った物語だった。
突拍子もない方向に話が進んで、主人公の七海も流されていきつつも、ぎりぎりのバランスで保たれる。人間は、なんと寂しくて儚くて強くて美しいのか。

今や重要なコミュニケーションツールのひとつだと理解しているものの、私自身はSNSが怖くて嫌いだ。
それは嘘だから。虚構だから。
でも、そうした嘘の仮面の向こう側に、本当があるんだと感じた。みんなどうにかして繋がりたいんだ。触れたいんだ。

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2019年02月05日

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