あらすじ
「この世界はさ、本当は幸せだらけなんだよ」
秘密を抱えながらも愛情を抱きあう女性二人の関係を描き、黒木華、Cocco主演で映画化された、岩井美学が凝縮された渾身の一作。
皆川七海は、仕事をクビになり、SNSで手に入れた結婚も浮気の濡れ衣を着せられた。
行き場をなくした七海は、月に百万円稼げるというメイドのバイトを引き受ける。
主のいない屋敷にいたのは、破天荒で自由なもう一人のメイド、里中真白。
ある日、真白はウェディングドレスを着たいと言い出すが……。
現代の嘘と希望と愛の物語。
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Posted by ブクログ
映画を何度も観ている特別大好きな作品。小説を読むと解像度が上がるので映画のファンの人にはぜひ一度読んでみてほしい。
このお話の何が好きかというと、七海と真白が昔からの友達じゃなくてなんなら出会ったばっかりで、お互いの過去も抱えているものもよく知らなかったこと。思い出の数は多くはないし、あのキラキラした夢みたいな時間は人生の中でほんの一瞬なのに、七海の記憶の中でこれからもずっと光っているのだろうなっていうのがすごく好きなんだと思う。あの日を自分の人生のエンドロールにしようと思った真白の気持ちもすごくわかる。
小説の中だと最後のページがすごく好き。本当は二人が出会った日に送信したおやすみなさいを彼女を見送った後にもう一度もってくるの、すごく切ない。
あと個人的に面白かったのは、小説だと安室さんって七海のことがっつりカモにしてて結構な金額を請求してるんだなって。映画だと綾野剛の顔と声だし胡散臭いけど優しくて良い人だよね〜くらいに思ってたけど、あなた自作自演でホテルに助けに来た後にしっかり請求してるのね。それでもどこか憎めなくて不思議だ。