あらすじ
雄一は、中学一年の夏休み後、仲のよかった同級生から突然イジメの標的にされる。彼は、心の痛みをカリスマ的な存在である歌姫“リリイ・シュシュ”の世界で癒そうとする。そこだけが、自分の居場所であるかのように……。イジメ、万引き、援助交際……閉塞感に押しつぶされそうな日常と、そこから逃避してリリイ・シュシュのファンサイトに没頭する非日常の間で生きる十四歳。青春のダークサイドをリアルに描き出し、話題を呼んだ映画作品のもとになった、ネット連載小説の文庫化。
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匿名
ネットの掲示板
ネットの掲示板風の書き方でした。個人的にはネットの掲示板やコメントがにがてなので、最初は苦痛を感じましたが、半分を過ぎると段々と面白くなっていきます。ストーリー的には生々しい思春期の話しでした。最後まで読み、最初から読みかえさないとなと思いました。登場人物が多くて、理解できていない部分があると思ったからです。
Posted by ブクログ
映画を先に見たので、どうしても市原隼人と蒼井優と忍成修吾で再生される… 市原隼人が田んぼの中にいるシーンが印象的
ネット小説だったのが意外、最初は読むのに苦労したけど、サティの独白からは引き込まれてイッキ読みだった
岩井俊二特有の光の感じが好き、薄く白く靄がかかってるような、文からもそれが伝わってくるのが好き
映画も小説も甲乙つけがたい
厨二病って言われればそれはそうってなるけど、今でも好きな本 読んだり映画みたりしたらしっかり鬱になるけど
白い光と緑の田んぼと赤い血が映える小説
ドビュッシーだいすき
最高
エーテルとかまだ1回読んだだけではよく理解できてないけど、感じたことがない感情を感じました。
これからもっと深く読んで、読書感想文を書きます。
古すぎて書店には置いてないと言われ、電子書籍で読みました。しおりの使い方をマスターすれば、とても読みやすいと思います
Posted by ブクログ
青臭くて痛い
サラッと読もうと手に取ると、あまりに重さに苦しくなるので落ち込んでいる時にこそ読んでほしい。
上がりたいともがきたくなる。
Posted by ブクログ
横文字で衝撃を受けた作品 岩井さんの今までの作品を知らずにこれを初めて手に取った 後半よりもむしろ前半がメインであるような裏切った構成がお気に入り 映画は、リアル過ぎてみれない(隈なく全部見たけれど、みれない) 映像では何回もみたいとは思わないのだけれど、活字だとそれが逆であるから不思議
Posted by ブクログ
映画を先に観た。私の青春。読みながら、ずっと西日の当たる教室と延々と思わされる田園風景とドビュッシーが繰り返されていた。こういう残酷で本当のものを見て自分と重ね合わせることを私はずっと救済だと思ってきたけど、今になってしっかり読むとそんなのおこがましくて、多分何一つ救われてなかっただろうと思う。可哀想なもの酷いものを選択して見続けて、目と世界観が汚れてからこれを読んで初めて、もうあの時みたいに泣けないことに気づいて、酷いシーンでも目を背けることもなくなって、私の方に耐性がついたんだな、もう14歳のリアルは感じられないんだなと思った。ただ思い出すと吐きそうなセンチメンタルだけがあって、思い出すなんて、私はずっと苦しみ続ける覚悟でいたのに、過去のことなんて、つまんなくなったなと思った。だいすきだったみんなのことは多分ずっと愛おしいけど。
Posted by ブクログ
なにもかもが懐古的感覚。
かつて今よりアングラだったネット世界。
なんだかあの頃夢中になった世界が、今となっては白昼夢みたいに朧げで。
でも、今よりずっと敏感で脆くて、でも純粋にクリアだった。
Posted by ブクログ
映画の方を先に見て、完全に惚れ込んでしまったので、小説も買った。
設定が色々違うけど、蓮見の心中も詳しくわかるし、映画に未登場のリリイの詩も読める。
エーテルを身近に感じたいなら、読むしかない。
Posted by ブクログ
ある日のリリイ・シュシュのライブで起きた殺人事件をめぐるネット掲示板でのやり取りと、そこから語られる思春期の少年少女の物語。前半部分は事件に関する考察、後半部分は事件が起きるまでと当日の様子を犯人自身による独白・・・という風な構成。
設定や世界観・・・というかリリイそのものが所謂「厨二」だけれど、そういう厨二な世界が実は好きだったりする人、未だにどこか抜け出せないでいる人にはびしっとハマってしまうと思う。
特に事件に関しては犯人自らが掲示板に書き込むという形を取ってるので、何だかそれが妙にリアルに感じてしまう。
リアルタイムでF5連打して、「今日は寝れねーな!」みたいな感じで追いかけている感じ、、、(殺人事件なのでそんな風なノリは無理だけど)
自分が厨二なので凄く共感出来る作品だった。
Posted by ブクログ
蒼く、儚く、どこまでも哀しい。
この本を読んで以来、頭の中のモヤモヤが止まらない。
そしてこれ以降、モヤモヤするような本を求めるようになった。
Posted by ブクログ
同僚からおすすめの映画として勧められており、本を貸し出しているカフェで偶然原作を見つけ、読むことにした
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いわゆる子供と大人の両面が強く併存する中高生だからこそ抱く、掴みどころがないような考え方・感じ方を描いており、懐かしさと、もう抱けないという切なさも感じる。
知恵がつきビジネスといった大人の真似事をできる一方、リスクを感じず(想像できず?)にどこまでも残虐になることができつつ罪や罰を恐れるのは、中高生特有な気がする
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他者を傷つけるのは、傷つけられる側 (本作ではいじめ、現実では虐待なども)から抜け出すためといった背景があるなど、
人間の内面は複雑であり、自分が見えている面だけでその人を推し量ることは到底不可能であると改めて思い知らされる。
互いにもっと内面を見せ合えば、より親密になれるかもしれないし、逆に受け入れがたくなるかもしれない。
だけどリスクを負ってでも内面を見せ合わなければ、人生に幸せと安寧をもたらしてくれるであろう「心が通じる相手」は見つからないとも思う。
だからこれからはもっと相手の内面を知りにいこうと思う
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蛇足だけど、20年前も今も掲示板でのいざこざは変わらないし、これからもずっと変わらないのかもと思った。
読んでいる最中に爆サイという掲示板を見る機会があり、本作と同じような「ネット弁慶」っぽいやつが叩き合いしてて、
掲示板を使っていた20年前にタイムリープした気分になった
Posted by ブクログ
我が家の積読本は、ブックカバーをかけています。
通勤出発前にパッと手にとった本がこちらでした。
たぶん10年以上本棚に寝かしていた一冊…。
あらすじを全く知らずに読み進めていて…
あれ、これ…なんか不穏…と思い、ネットで検索。
(結末知って読んでも大丈夫な人なのです)
検索結果に、「トラウマになる」「鬱展開」とか書かれてしましたので、心して読みました。
本当は精神状態が、あまりよくなかったので、
読むのをやめたかったのですが、
続きが気になって読む手がとまりませんでした。苦笑
カリスマ的な存在の歌姫、リリイ・シュシュ。
好意、ファン、推し、癒し、高貴、崇拝…
リリイ・シュシュという人物を通して、
ネットの掲示板「リリイホリック」に集う人たち。
サティ、くま、ネヴィラ71、ねんね、鉄人29号、あみか、トムトム、カエル、ゆみこ、るか…そしてパスカル。
顔も名前も年齢も性格も職業も何も知らない。
リリイ・シュシュだけが、唯一。
実は、過去に同様の掲示板が存在していた。
更新が止まってしまったサイト「リリイフィリア」。
なぜ、突然更新が止まってしまったのか。
あの日、本当は何があったのか。
リリイのライブ後、何があったのか。
ファンの自殺、
スタッフによる暴行傷害事件、
ライブハウスで起きた殺人事件。
リリイの周りには、
強い希望、光が存在するのと同じぐらいの、
絶望と暗闇が存在する。
誰かを救うということ。
道しるべになるということ。
救いって何だろう。
蓮見雄一、星野修介、津田詩織、久野陽子
田舎町の中学校。閉鎖された町、学校、空間。
いじめ、万引き、レイプ、援助交際…
学校の先生ですら、生徒の顔色を窺い、媚びへつらう。
誰も助けてくれない。
解決できない。
終わらない。
逃げられない。
ある時期を境に、星野からイジメの標的にされた雄一。
辛い現実、日常を救ってくれたのはリリイの歌だった。
とにかく語られる日常が過酷すぎました。
家庭も教師も大人もあてにならない。
頼りにならない。
助け合えるのは、虐げられている者同士。
それだって、本当に救ってやることはできない。
たった一つだけの居場所。
それがリリアフィリア。
あの日、ライブで真実を知るまでは。
誰も助けてくれない現実に、さらに突きつけられる真実。
10代のころ読んでたら、どう思ってたかなあ。
学生時代からかなり遠ざかった30代後半。
それでも。
読み切った後は、何とも言えない気持ちになりました。
「そっかあ、そうなのかあ。」って。
胸が痛くて苦しくなりました。
私はトラウマにも鬱展開とか
気持ち的に落ちたりはしませんでした。
事前にネタバレしてたかもですが。苦笑
ネットの世界は見えない分良いこともあれば残酷なこともあるし、学校生活が苦しく感じる瞬間があることは、今も昔も変わらないのかも、と思いました。
唯一のリリイが実態として姿を現さないことが、
ある意味の救いなのかもしれない。
私はエーテルを感じることはできない。
Posted by ブクログ
映画はみていないのだけど
辻村深月さんがオススメしていたので
読んでみた。
なるほど、エッジがきいてるわ~
あっという間に読み切った。
星野がなぜこんなに変わってしまったのか
おばさんには分かるような分からないような。
Posted by ブクログ
映画はトラウマになって二度と見られないけど、小説ならどうだろう、と。
結果、映画のトラウマを補強してしまったような気がする。
つらく、心に迫るけれど、二度とページはめくれない。
Posted by ブクログ
映画観るのにちょっと腰が引けて、本から読んでみました。
意味わからないって言われてるけど、内容はちゃんとついていけておもしろかった!!
確かにリリイ・シュシュの世界観はわからないけど。
前半はそうでもないんだけど、後半がもー重くて暗くて・・
なのにどんどん読み進んじゃうのが不思議。
なんか変な沼にはまっちゃうみたいな感じ。
読み終わったあとも不思議な気分・・
Posted by ブクログ
携帯小説のような横書きに最初は抵抗がありましたが、BBSに集まる人達がリリイ・シュシュを通して抱く自己陶酔が全面に押し出されていて、音楽の持つカルト性の強さにぞっとしました。
後半から始まる独白は陰鬱。その不幸にリリイや彼女の音楽を巻き込むこと自体が勝手な話で、他人にそこまでさせてしまうリリイの才能にはちょっと惹かれます。
エーテルという単語のチョイスが素敵でした。聞いているだけで息が詰まりそうな感じがとても好き。
Posted by ブクログ
ネット掲示板の書き込み形式で書かれていて、初めて読む形式に戸惑ったけどこれはこれで面白かった。
中盤からのサティの独白からは一気に読み進めてしまった。サティは圧倒的なカリスマを崇拝して、ネットでのつながりを確保することで現実の辛さを忘れようとしているように見えた。中学生の人間関係の脆さや陰湿さ、閉塞感みたいなものが濃密に書かれていて苦しかった。小説が刊行されたのは20年以上前ということだったから、小説の情景は画素が粗い古い映画として脳内に再生された。映画もあるみたいだから、観てみたい。
Posted by ブクログ
映画見てから読んだ。映画の脚本と違う部分も少しだけあったけど...どちらにせよ救われる要素が増えるわけではない。それぞれ映画で表現する意味・書籍で表現する意味を追求した結果生まれた違いなのかな...?と思ったり。
文体について、電車男みたいにネット掲示板の形式をとっている。
前半部分では、生産性があるとは言い難いネット掲示板の会話が描かれていて、
時代感・年齢感などを通して、ひとつの音楽を取り巻くファン達の存在がリアルに感じられた。
後半部分は、主人公の掲示板での独白でストーリーが進んでいく(弁明?解説?のような感じ)。
蓮見くんは、こんな子だったんだ、いろんなことを考えていたんだ、と、口を聞かない息子の携帯を勝手に見てしまった気持ち?(子供いたことないけど)これは先に映画を見たからだと思う。蓮見くんを演じている市川隼人さん可愛すぎだったから...
一つ一つは掲示板への書き込みだけど、全体的には日記のようなエッセイのようなその文章から、状況や陰鬱な感情が直に伝わってくる。
読みながら、映画で見た、鬱屈な空気に満ちた映像達を思い出し、蓮見くんの感情の答え合わせをするんだけど、全部そんな単純なものではないので正解とかはなかった。
映画版では、画面の向こう側として学生達はそこにいるだけでとっても美しいし、カットや田園風景の良さで雰囲気にやられてたけど、
書籍版では文字しかないのでそんなこと言ってられず、より残酷な事実だけが伝わってきた感じがした。あとリリィシュシュに対する蓮見くんの気持ちもよくわかった。
そんな感じの書籍版、リリィシュシュの音楽を聴きながら読むことで、リリィを愛するこの話の登場人物と同じ体験をしていると自覚できて、とても楽しい(奇妙な?)読書体験だった。
リリィシュシュの音楽は美しいのだけど下手したら自殺したくなるくらいの力があるってなんかとってもわかるな。とても良い曲なんだけど軽率に聴けない。引き摺り込まれすぎちゃうから。
Posted by ブクログ
読んでいる途中、読み終わった後も、気分が重たくこの感じ。何かが狂った世界の中に入り込んでいたしるしなのかもしれない。リリイの視点の物語は1度も出てこない。すべては掲示板での書き込みに過ぎない。
Posted by ブクログ
映画の小説化。すべてネットの書き込み形式になっており横書き小説。複雑な家庭環境で学校でもいじめに遭う主人公をを癒すある歌手の歌。展開も物語も陰鬱な感じで良い気分にはならない話。
Posted by ブクログ
これも映画を見てからの小説。
といっても登場人物が多いので記憶が曖昧なため新鮮な気持ちで読めた。
映画では透明感のある映像が好きだった。
書き方が掲示板方式。横書きで左へページを捲っていく。
終止この形式でたまに歌詞が入っているので、読み終わるのは早かった。
本当に掲示板を覗き見しているような感覚が面白かった。
Posted by ブクログ
映画は昔見たことがありますがイマイチ内容を忘れていました。
とりあえず漠然と深い映画だなぁと思った記憶程度。
今回この小説を読んでみての第一印象は横書きで非常に読みづらい
というものでした。ネット上のやり取りのみでほぼ話が進んでいくので
ネットの掲示板を見ている感じと同じなのですが
紙面上でやられると最初は読みにくかったですね。
途中から慣れましたが。
ちなみにネットの掲示板でのやり取りというのが
ネット黎明期の雰囲気を上手く醸し出していて
懐かしいというかそんな風に感じました。
全く救いのないストーリーで中学生のリアルというには
少し行き過ぎているような気もしますが
リリィ・シュシュというアーティストを置くことで
上手く幻想的にしていますね。
単純に続きが気になって読み耽った割には
読後感は取り留めのない感じのような
スッキリとしないものでした。
また映画も見返してみたいと思います。
Posted by ブクログ
映画か何かになってたと思うけど・・・
この小説を、どうやって映画化したのだろう?
・・・よく解らないけど・・・
”リリィの歌詩”と、サティの体験を重ねて書いているのかな?
壮絶な体験談は、吐き気をもよおしそうになるほど。
”悪意”のおそろしさ、醜さ。
Posted by ブクログ
同名の映画の謎解き本でもあり、これはこれでしっかりとした本でもある。
バラバラになったパズルのピースを書いている感じ。
内容は暗い。
とにかく暗い。
その中で、希望を求めている人間の人間らしさが、たまらなく愛おしい。
そして、この小説に出てくるリリイ・シュシュが、たまらなく魅力的で、美しくて、痛い。
この痛いというのは、恥ずかしいといったたぐいの表現ではなく、痛々しいまでの感覚を言葉にしているように感じられる。
Posted by ブクログ
昔映画になったのは知ってて、原作あるのを知らずずっと映画を探してたんだけどなくて、ふいに古本屋で出会った1冊。タイトルから想像していたイメージと全然違って、なんだか痛かった。作者が監督だから、映画は的確に世界観反映されてるんだろうなあと思うと、さらに見てみたくなる。