岩井俊二のレビュー一覧
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ある日のリリイ・シュシュのライブで起きた殺人事件をめぐるネット掲示板でのやり取りと、そこから語られる思春期の少年少女の物語。前半部分は事件に関する考察、後半部分は事件が起きるまでと当日の様子を犯人自身による独白・・・という風な構成。
設定や世界観・・・というかリリイそのものが所謂「厨二」だけれど、そういう厨二な世界が実は好きだったりする人、未だにどこか抜け出せないでいる人にはびしっとハマってしまうと思う。
特に事件に関しては犯人自らが掲示板に書き込むという形を取ってるので、何だかそれが妙にリアルに感じてしまう。
リアルタイムでF5連打して、「今日は寝れねーな!」みたいな感じで追いかけている感 -
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社会的弱者たちの夢と欲望の街、イェンタウン。
そしてそこで気ままに不自由に、だけど強く優しく生きるイェンタウンたち。
混沌とした舞台設定の中で繰り広げられる、イェンタウンの仲間たちの生活と絆。憧憬と挫折。そして冒険活劇の物語である。
身の周りで起こる出来事の陰惨とも言える展開と結末にも関わらず、彼らは勇気を失わない。前に進むことをやめない。すべてをありのままに受け入れる。その強さたるやまさに雑草。
この本には雑草の息吹があります。岩井俊二の才能はやはりものすごい。映画はもうよく覚えてないのだけれど、もう一度映画が見たくなりました。
そして、アゲハは今翔び立つ。 -
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アルフレッド・ウォーレスという生物学者が『中国で見た人魚』を研究しまとめて本を残したところから物語は始まる。
ウォーレスの死後、数十年の月日が流れたアメリカで魚のような形態をした人間の様な生物が発見される。
一方、日本では海で遭難したはずの大学生が奇跡の生還を遂げた。
中国、アメリカ、日本で起きた時間も空間も飛び越えた出来事。
やがて、すべての出来事は一本の線で結ばれる。
映画監督をしているこの作者の他の小説はあまり得意ではないのだけれどこの本は大好き。
情景描写がすばらしいと思う。
景色だけじゃなく、水の音や生臭い海や血の匂いがすぐそこにあるような気がする。
人魚伝説って一見夢物語の -
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〈読んだきっかけ①
TOKYO FMの広瀬すずのよはくじかんをエピソード1から聞き直したときに、序盤で'20に公開された映画として概要を紹介されて興味が沸き、映画を観たのちに、その原作を読みたくなったため。
〈読んだきっかけ②
舞台が仙台であり、わたしが仙台に縁があるため。
岩井俊二さんの小説は初めて読んだのですが、会話以外の状況や心理描写が男性作家さんらしい表現が多くて読みやすかったです。
最も、今作においては乙坂氏(福山雅治演)からの視点を終始貫いているからかもしれないが。
映画では美咲の娘の鮎美(広瀬すず演)が目立っていた印象もあったが、やはり原作・作品としては美咲-裕里- -
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ネタバレよかった。ラストはけっこうびっくり。本の後ろの図書カードなつかしい。これ、発見されないまま‥ってこともあったよね!とかみんな思うよね。
樹くんの中学時代のエピソードが手紙のやりとりで、楽しく分かる。あ、でもこの人亡くなってるんだったと思いだして、ウキウキソワソワ読むのは不謹慎だったか、とか思ったりもした。「お元気ですかー」博子が山で叫ぶシーンは涙が止まらなかった。
誰の立ち位置で読めばいいのかなぁ。おじいちゃんも含めて、ストーリーに沿って多面的に読める。楽しくもあり切なくもある。自分に未来があることがラッキーだなと思った。とても気に入った本。