岩井俊二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画を何度も観ている特別大好きな作品。小説を読むと解像度が上がるので映画のファンの人にはぜひ一度読んでみてほしい。
このお話の何が好きかというと、七海と真白が昔からの友達じゃなくてなんなら出会ったばっかりで、お互いの過去も抱えているものもよく知らなかったこと。思い出の数は多くはないし、あのキラキラした夢みたいな時間は人生の中でほんの一瞬なのに、七海の記憶の中でこれからもずっと光っているのだろうなっていうのがすごく好きなんだと思う。あの日を自分の人生のエンドロールにしようと思った真白の気持ちもすごくわかる。
小説の中だと最後のページがすごく好き。本当は二人が出会った日に送信したおやすみなさいを彼 -
Posted by ブクログ
映画を先に鑑賞して、その後小説を読みました。
岩井俊二監督が、ずっと心に引っ掛かっていた物。
それは若者達が成長していく過程で、きっと誰しもが経験しているであろう、先の見えない不安や大人達への不信感。
成長していくこと、それは心が傷だらけになって生きていくこと、、
そんなメッセージが込められているようで、心が締め付けられる物語です。
これからはきっと東日本大震災についての作品が映像や言葉でもっと表現されてくることでしょう。
メディアでは「震災の記憶を忘れない」と言って被災者の悲しみを取り上げることが多くあるように思います。 でも災害の当事者たちにとってはその辛い記憶はきっと忘れてもよいことで -
Posted by ブクログ
本当は映画館で見てから本を読みたかったのですが、
仕事の都合で全く上映時間と合わず、先に本で読むことにしました。
粗品の役が、本を読むに結構オイシイ役所のようなのでニヤニヤしました。
変にクセはなくて読みやすい文体でした。
ちょっと考察とかが捗りそうな、ラストというか作品です。
映画で描かれなさそうな部分もあるので、
補完するにはちょうどよさそうですし、
映画前なら予習してみられる感じで、どちらが先でもいいような気がしました。
映画上映に合わせて、いろいろな予告編、ティーザーが公開されていたので、
ちょっとネタバレを踏んでしまい、
あ、そういうこと?!という部分もあったのですが、展開はも面 -
Posted by ブクログ
再読。何十年もずっと想い続けている人がいるなんて.....。手紙を通してのやり取りもステキで、LINEやメールとは違った手紙のよさを改めて感じた。未咲はなぜ自殺したんだろう。未咲は鏡史郎のことをどう思っていたんだろう。よく分からないこともある。廃墟になってしまった母校で鮎美と颯香と出会ったのは偶然ではなくそれぞれの選択した行動から生まれた必然だと思う。最後に未咲が子ども達に遺した手紙、遺書が未咲と鏡史郎が2人で作った卒業式の答辞だったとは.....。未来への希望にあふれているステキな内容で心に残った。鏡史郎が書いた「未咲」という小説も読んでみたい。
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Posted by ブクログ
このアプリ内でフォローさせて頂いてる皆様の本棚の中から評価の高い作品を選んで読んでみた本。
名作。
読後、出会わせてもらったと感じた。
ストーリーは全体を通してミステリーなのだが、「運命」がテーマなのだと感じた。
ここまで色んな人の運命が重なりあいながら絡み合いながら、終盤に向けてほどけていくように謎だったものがほどかれてゆく。
最後も希望に溢れた終わりをみれた。
そこまでの派手な事件などがあるわけではないストーリー展開なのに凄い深い物を読んだ気になる。
岩井俊二さんの文章力と創造力がそうさせるのだと感じた。
この作品に出会ったのも皆様の本棚のおかげ。これも「運命」的な出会い、そう感じ