岩井俊二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
伝説のドラマの小説化。
元となった小説「檸檬哀歌」のエピソードを追加し、
(この小説と同名のDVDで紹介されている)
他にも幾つかドラマと違う点が見受けられるが、
結末が二つあるドラマと主人公視点の小説の構成の違い、
影が薄かった四人の少年達を掘り下げるための違い、
今度公開される映画に対するエールと思しき違いであり、
基本的には同じストーリーを小説化したものである。
解説にもある通り、銀河鉄道の夜がモチーフであり、
広瀬なずなは「君の名は。」の三葉のような存在だが、
奥菜なずなはカムパネルラのような存在なのである。
アニメ版とは同じ登場人物、同じシーン、同じ台詞でも、
全く意味合いが異な -
Posted by ブクログ
伝説のドラマのアニメ化の小説版(ややこしい・・・)
原作は二つの結末が存在するドラマだったが、
今作ではアニメではお馴染みのループものになり、
小学生だったノリミチ達は中学生になっている。
また、ストーリーも全体的に分かりやすくなっており、
辛い料理をマイルドにし、手に入りやすい食材で作られた
陳健民さんの四川料理のようなリメイクという印象。
このようなリメイクの仕方は正しいと思う。
替えの利かない何かがある原作を再現するのは難しい。
大根仁監督は、美味いだろ?俺の作った担々麺は。
でもな、本場四川の担々麺も食ってみてくれ。
美味いなんて言葉じゃ言い表せないぜ・・・
と、言いたいんじゃな -
Posted by ブクログ
映画を先に観た。私の青春。読みながら、ずっと西日の当たる教室と延々と思わされる田園風景とドビュッシーが繰り返されていた。こういう残酷で本当のものを見て自分と重ね合わせることを私はずっと救済だと思ってきたけど、今になってしっかり読むとそんなのおこがましくて、多分何一つ救われてなかっただろうと思う。可哀想なもの酷いものを選択して見続けて、目と世界観が汚れてからこれを読んで初めて、もうあの時みたいに泣けないことに気づいて、酷いシーンでも目を背けることもなくなって、私の方に耐性がついたんだな、もう14歳のリアルは感じられないんだなと思った。ただ思い出すと吐きそうなセンチメンタルだけがあって、思い出すな
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Posted by ブクログ
ネタバレ十数年ぶりに再読したけど、ここまで面白かったのかと驚かされた。
題名に「人魚」と付いてるけど、話はファンタジーではなく人魚を進化の途中で人間と枝分かれした近縁種と捉えたSF。
この作品で描かれるのは、壮絶な生態を持つ「生物」としての人魚。
グロテスクで、儚くて、人の倫理観に照らせれば残酷ですらあるのに、それでも人の心を惹き付けてしまう危険な存在です。
その辺りの二面性は高橋留美子の「人魚シリーズ」に通じるものがあるな、と思った。
内容に辻褄が合わない部分(なぜウォーレスが人魚の生殖のメカニズムに気付かなかったのか)やご都合主義なところもあるけれど、
ライアンとそのチームの面々といった登場人