岩井俊二のレビュー一覧

  • ウォーレスの人魚

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    読み始めてすぐに
    「人魚は存在するか否か」の問題より
    「この場合、人魚はどう行動するか」の問題になり、最後には
    「人魚として海に帰るか、それとも人間として地上に残るか」
    を論点にしている自分に気づく。
    つまり、人魚は存在するのだ。

    …というのをうっかり信じ込まされてしまう危ない小説。
    秀逸です。

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    2018年12月16日
  • ラヴレター

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    何年ぶりかな
    手紙ではなくメールでもなく
    つぶやきなようなコマ切れなような
    やりとりになってしまっている時代になったけど
    手紙を経験してるおかげで
    まだこの本を読んでもグッとくる。
    その経験値のおかげなのか
    文章に組み込まれてる人たちの
    感情の表れ方によるのかわからないけど
    やっぱグッとくる。
    岩井氏はやっぱ異才だ。

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    2018年02月25日
  • リリイ・シュシュのすべて

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    ネタバレ

    青臭くて痛い 

    サラッと読もうと手に取ると、あまりに重さに苦しくなるので落ち込んでいる時にこそ読んでほしい。
    上がりたいともがきたくなる。

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    2018年01月22日
  • 少年たちは花火を横から見たかった

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    アニメがファンタジーなのに対し、
    原作の本作はリアリティー小説。
    工夫があって、面白かった。(自分が行かなかった灯台遠足は、中学、高校になって、聞いた話として描いてあったり。)
    それと、母親の違いが面白かった。
    アニメはヤンママをちょっと上品にした感じの若いお母さんなんだけれど、
    原作は、野性的と言うか、田舎でのびのび育った感じのお母さん。なずなと「一緒にお風呂入っちゃいなさいよ。」と言うところが面白かった。(いや、ま、それだけではナインですが(^^ゞ

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    2018年03月10日
  • 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

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    ネタバレ

    個人的にすごく好きです!期待以上*\(。・∇・。)/*
    タイムループ系のストーリーが好きなのもあって夢中になってスラーッと読み終わってしまいました!
    深い話ではないけれど、爽やかで少し甘ずっぱい夏にぴったりの作品です!
    綺麗な景色がたくさん登場したので映画も見たいなと思いました!

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    2017年08月16日
  • 少年たちは花火を横から見たかった

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    伝説のドラマの小説化。

    元となった小説「檸檬哀歌」のエピソードを追加し、
    (この小説と同名のDVDで紹介されている)
    他にも幾つかドラマと違う点が見受けられるが、
    結末が二つあるドラマと主人公視点の小説の構成の違い、
    影が薄かった四人の少年達を掘り下げるための違い、
    今度公開される映画に対するエールと思しき違いであり、
    基本的には同じストーリーを小説化したものである。

    解説にもある通り、銀河鉄道の夜がモチーフであり、
    広瀬なずなは「君の名は。」の三葉のような存在だが、
    奥菜なずなはカムパネルラのような存在なのである。
    アニメ版とは同じ登場人物、同じシーン、同じ台詞でも、
    全く意味合いが異な

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    2017年07月08日
  • 少年たちは花火を横から見たかった

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    打ち上げ花火の映画が大好きな諸氏には堪らないだろう、幻のプロットを基にした監督本人によるもう一つの『打ち上げ花火』のノベライズ。

    久々にREMEDIOSのサントラを聴きながら、読み返したい。

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    2017年07月08日
  • 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

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    伝説のドラマのアニメ化の小説版(ややこしい・・・)

    原作は二つの結末が存在するドラマだったが、
    今作ではアニメではお馴染みのループものになり、
    小学生だったノリミチ達は中学生になっている。

    また、ストーリーも全体的に分かりやすくなっており、
    辛い料理をマイルドにし、手に入りやすい食材で作られた
    陳健民さんの四川料理のようなリメイクという印象。
    このようなリメイクの仕方は正しいと思う。
    替えの利かない何かがある原作を再現するのは難しい。

    大根仁監督は、美味いだろ?俺の作った担々麺は。
    でもな、本場四川の担々麺も食ってみてくれ。
    美味いなんて言葉じゃ言い表せないぜ・・・
    と、言いたいんじゃな

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    2017年07月04日
  • リリイ・シュシュのすべて

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    横文字で衝撃を受けた作品 岩井さんの今までの作品を知らずにこれを初めて手に取った 後半よりもむしろ前半がメインであるような裏切った構成がお気に入り 映画は、リアル過ぎてみれない(隈なく全部見たけれど、みれない) 映像では何回もみたいとは思わないのだけれど、活字だとそれが逆であるから不思議

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    2017年02月03日
  • リリイ・シュシュのすべて

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    映画を先に観た。私の青春。読みながら、ずっと西日の当たる教室と延々と思わされる田園風景とドビュッシーが繰り返されていた。こういう残酷で本当のものを見て自分と重ね合わせることを私はずっと救済だと思ってきたけど、今になってしっかり読むとそんなのおこがましくて、多分何一つ救われてなかっただろうと思う。可哀想なもの酷いものを選択して見続けて、目と世界観が汚れてからこれを読んで初めて、もうあの時みたいに泣けないことに気づいて、酷いシーンでも目を背けることもなくなって、私の方に耐性がついたんだな、もう14歳のリアルは感じられないんだなと思った。ただ思い出すと吐きそうなセンチメンタルだけがあって、思い出すな

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    2016年07月12日
  • ウォーレスの人魚

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    岩井監督やはり天才!!
    壮大なファンタジーでありサイエンスミステリーでありオカルトでもあるラブロマンス!!

    架空のストーリーなのにリアリティを感じさせるのは常にその映像が脳内にありありと浮かんでくるからだろう。
    あまりに大きすぎるテーマのためにたぶん映画化は無理だけどこのまま小説だけであって欲しいとも思う。大切な一冊になった。

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    2016年04月16日
  • 花とアリス殺人事件

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    叙情をもって力ずくでぶっとばしながら全て収まるところに収める道満マンガ。ラストの爽やかさ、エピローグの疾走感。原作未見で申し訳ないんだけどこのマンガの記憶を残しときたくて観ないで終わってしまいそう。

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    2015年10月31日
  • リリイ・シュシュのすべて

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    なにもかもが懐古的感覚。
    かつて今よりアングラだったネット世界。
    なんだかあの頃夢中になった世界が、今となっては白昼夢みたいに朧げで。
    でも、今よりずっと敏感で脆くて、でも純粋にクリアだった。

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    2015年05月27日
  • ウォーレスの人魚

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    ネタバレ

    歴史的にそういう人物がいたのか?進化論を書いたダーウィンにヒントを与えた学者のウォーレスが人魚の存在を見つけ書いた本から物語はスタートしている。

    そして、現在の地球にその人魚が現れ、その真実を探していく中で起こる様々な事件。
    テンポよく進む話が読むスピードまでアップしてくれ、あっという間に最後までたどり着いたという感じ。

    ひょっとしたら進化の過程で人間と人魚に枝分かれしたのかも(^^;)などと思わせる検証や、人間の中にその潜在意識が残っているような記述など発想も楽しい。

    SF小説としては必読の秀作です(^-^)

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    2015年02月14日
  • ウォーレスの人魚

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    岩井俊二には珍しく、夢のある話。

    ホモサピエンスとホモアクアリウス。
    進化なども細かく書かれていて、人魚を信じてしまいそうになる。

    海にまつわる話だからか、なんだか癒されながら読めた。

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    2014年06月24日
  • スワロウテイル

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    映画から入ってます。チャラが好きで。
    てかむしろ本あるの知らなかった。
    高校の図書室にあってびっくりしたー
    映画で話は知ってたから読みやすかったけど、
    映画より理解できたかも。
    個人的には映画の方がチャラの歌ちょいちょい入るし好きだけど!!

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    2013年06月14日
  • リリイ・シュシュのすべて

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    今読むと
    厨二な雰囲気。

    でも
    若者たちのピュアさ故の怖さ、弱さ。

    何か分かる気がする。

    大好きでもう本ボロボロw

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    2012年10月23日
  • ウォーレスの人魚

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    ネタバレ

    十数年ぶりに再読したけど、ここまで面白かったのかと驚かされた。
    題名に「人魚」と付いてるけど、話はファンタジーではなく人魚を進化の途中で人間と枝分かれした近縁種と捉えたSF。

    この作品で描かれるのは、壮絶な生態を持つ「生物」としての人魚。
    グロテスクで、儚くて、人の倫理観に照らせれば残酷ですらあるのに、それでも人の心を惹き付けてしまう危険な存在です。
    その辺りの二面性は高橋留美子の「人魚シリーズ」に通じるものがあるな、と思った。

    内容に辻褄が合わない部分(なぜウォーレスが人魚の生殖のメカニズムに気付かなかったのか)やご都合主義なところもあるけれど、
    ライアンとそのチームの面々といった登場人

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    2013年05月17日
  • リリイ・シュシュのすべて

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    映画の方を先に見て、完全に惚れ込んでしまったので、小説も買った。

    設定が色々違うけど、蓮見の心中も詳しくわかるし、映画に未登場のリリイの詩も読める。

    エーテルを身近に感じたいなら、読むしかない。

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    2012年08月10日
  • ウォーレスの人魚

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    人魚がテーマなんだけど、ファンタジーでもSFちっくでもない。
    すごいリアル。
    めちゃくちゃ引き込まれました。


    人を狂わせる人魚の歌とか、人魚の肉は不老長寿の薬とか、伝承的なものが科学的に説明されてておもしろい。
    あんまりに科学的で、人魚っていてもおかしくないんだってほんとに思っちゃう。
    ウォーレスって実在の人物の本がベースだし。

    でも、密とジェシーはやっぱり兄弟なわけで、人魚の血は絶えちゃうのかなって思う。
    ちょっとせつないなぁ・・

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    2012年07月30日