あらすじ
円を掘りに来る街。それがイェンタウンだ。日本人はこの呼び名を嫌い、自分たちの街をそう呼ぶ移民たちを逆にイェンタウンと呼んだ。ヒョウとリンとフニクラは墓荒らしで小金を稼ぎ、グリコは売春で生計を立て、身寄りのないアゲハを引き取った。ある日、客のひとりがアゲハを襲い、隣人のアーロウが客を殺してしまう。すると腹の中からテープが飛び出し、代議士のウラ帳簿が見つかる。飽和状態のイェンタウンで、欲望と希望が渦巻いていった。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
映画から入ってます。チャラが好きで。
てかむしろ本あるの知らなかった。
高校の図書室にあってびっくりしたー
映画で話は知ってたから読みやすかったけど、
映画より理解できたかも。
個人的には映画の方がチャラの歌ちょいちょい入るし好きだけど!!
Posted by ブクログ
読んだ後、スカッとする!
サラっと読めて1時間で終了。
リンがいいなぁ。ヒョウの飄々(駄洒落では無いw)とした感じもいい。
グリコとアゲハは姉妹みたい。
墓荒らしもライブハウスも売春宿も全てを受け入れるイェンタウンの雑然さが凄い。
Posted by ブクログ
社会的弱者たちの夢と欲望の街、イェンタウン。
そしてそこで気ままに不自由に、だけど強く優しく生きるイェンタウンたち。
混沌とした舞台設定の中で繰り広げられる、イェンタウンの仲間たちの生活と絆。憧憬と挫折。そして冒険活劇の物語である。
身の周りで起こる出来事の陰惨とも言える展開と結末にも関わらず、彼らは勇気を失わない。前に進むことをやめない。すべてをありのままに受け入れる。その強さたるやまさに雑草。
この本には雑草の息吹があります。岩井俊二の才能はやはりものすごい。映画はもうよく覚えてないのだけれど、もう一度映画が見たくなりました。
そして、アゲハは今翔び立つ。
Posted by ブクログ
フィクションだけれども、"現実"を上手く切り取っている作品だと感じました。
あっという間に読み終ってしまい、むしろスッキリするくらいですが、何故か作中の出来事がどれも印象に残っています。なんだろな~
最初は内容がよく分からなかったものの、何度か読むうちに凄く気に入りました!
映画、気になるなぁ(´・ω・)探してみようかなぁ(´・ω・)
Posted by ブクログ
2008年からの積読です。
当時好きだった人が、岩井俊二監督を好きで、
その影響を受けて買ったと思われます。
裏面のあらすじを読んで、なかなか手が出ずここまで積読に。苦笑
ラブレター、四月物語、花とアリスとかは好きでした。
移民たちは日本をイェンタウンと呼ぶ。
円を堀に行くから。
日本人たちはそれを嫌い、移民たちを円盗(イェンタウン)と呼ぶ。
荒廃した町で、
墓を荒らし、身体を売り生きている。
ヒョウ、リン、フニクラ、そしてグリコ。
そこに身寄りのないアゲハが加わる。
自分たちで判断し、
自分たちがすべてでしかない。
やられたらやり返すし、
力のないものは逃げるしかない。
わかりやすくて潔いけれど、
とても過酷な世界。
人間に上も下もないはずなのに、
金と価値が取引される。
1996年刊行の作品ですが、
今でも通じてしまう部分が沢山あって、
変わらない部分に苦しくなりました。
本作自体は、色々事件が起こって、
理不尽と暴力もあるし、
その余韻は消えないんですが、
読後は青春群像劇のようになぜかさわやかでした。
Posted by ブクログ
映画 スワロウテイルを観たのがいつかは定かではないがおそらく30年近く前なのだろうけれど、世界観と音楽とが圧倒的に好きで印象に残りまくった作品で、それから何回か見直したはずだけど、なぜかストーリーをうっすらとしか覚えていない作品です。
改めて小説を読んでみたくなり、記憶を遡りながら読みました。
どうやらキャラクターの設定が何人か違うようではあるが、大筋はそのままの様に思います。
読みながらもどうしても映画の場面を思い浮かべてしまうのですが、架空の円都で描かれる世界観になぜか不思議な懐かしさやノスタルジーを感じるのと同時に、決して幸せとは言い難い環境や時代を見て何故か羨望感を抱き、それぞれのキャラクターがカッコよく美しく虜になってしまいます。
小説だけ先に読んでいたらどう感じたか、もう確かめる術はなく正直感想を書くのもとても難しいですが、間違いないなと思うのは、映画は小説では文字だけでは感じ取りにくい雰囲気や情景を何倍にも表現していた様に思います。でももしかすると映画よりはストーリーはわかりやすいのかもしれません。
キャストのCHARA、三上博史、渡部篤郎、江口洋介、そして小林武史作曲のスワロウテイル・バタフライがただただ印象深く忘れられない作品です。
映画も再度見直したい気持ちはあるが、決してハッピーエンドではなかった記憶があるので若干躊躇いもあります。機会があれば見てみたいです。
Posted by ブクログ
みんなに守られて生きるアゲハ
やっぱりイェンタウンの皆と暮らすことを選んだグリコ
現実に存在しそうな世界だった。
はやくDVD借りたい!
グリコの歌声を聞きたい
Posted by ブクログ
リズムがあって読みやすかった。
岩井ワールドの架空の街は、どこか
ドライで楽しげ。
登場人物も、移民である生真面目な悲壮感は感じさせず、なんだかあっけらかんとしたユーモアを抱えて、生きている気がして、それが救いであり魅力的でもあった。
Posted by ブクログ
映画を観て気に入っていたので文庫本で見つけ即買いしました。
映画のストーリーよりラストに救いがある感じです。
映画ではグリコが可哀想だったので。
Posted by ブクログ
この映画を観たのが小学生だったか、中学生だったかな。
円都イェンタウン。色褪せないね。
凄く心地好い。
リズムと云うか、流れ?
世界観に浸れる。
巻末の宮台真司氏の解説が、全て的確にしっくりくる。
久しぶりに、映画観直したくなった。
Posted by ブクログ
幸せとは何なのか。
深く考えさせられる作品。
とても簡単に言えば、簡単貧困層の移民してきた主人公たちは、お金を求めて動く。
そして、大金を手に入れてしまったが為に、貧しいながらの幸せが崩れていく。
お金があれば幸せなのか?
お金で幸せは買えるのか?
Posted by ブクログ
映画と内容がちがくて戸惑った。
映画のほうが雰囲気が伝わってすき。
たどたどしい日本語とか時々混じる外国語とか、CHARAの歌とか、架空だけどリアルな街の風景とか、そういうのは本じゃ無理だもんなぁ。
だけど本は筋が通ってるしわかりやすい。お話として完成してる感じ。
映画はわけわかんないとこ多いからなー。
どうしても映画を意識しちゃうから、本は本としてもう一回読みたいなぁ。
Posted by ブクログ
「映画の企画書」というだけあって、文章がとても簡潔でシンプルなのだが、過装飾な三島文学かぶれの私にも気持ちよく読めた。これは小難しい文章に食傷気味の脳からの無意識のSOSなのかしら!
著者によるあとがきが好きでした。ツバメと蝶のくだり。本好きで内気な、外見は整っているのに陰気さが滲み出している繊細な少年。というのが岩井氏への身勝手なイメージ。
また映画も観てみよう~ あれはCHARAがすごく可愛かった。そこしか覚えていない。
Posted by ブクログ
イェンタウンと呼ばれる場所に住む、不法外国人を蔑称でイェンタウンと呼ぶ。
そのイェンタウンたちの、人々の物語。
スピード感があって読んでいてあっという間だった。
面白かった♪
Posted by ブクログ
映画「スワロウテイル」の
“岩井俊二”監督自身による
もうひとつの原作小説
わたしは自分の誕生日も知らない
国籍もない
そして名前もなかった
そんな書き出しで始まる物語
主人公の少女アゲハは
日本人のサラリーマンと密入国した中国人女性の間に生まれた
舞台は日本に『円』を堀に来る
移民達が暮らす『イェンタウン』
いつかは自分の店を持つ夢を抱きながら
怪しい屋台で小銭を稼ぐヒョウ
格闘技の達人で正体不明のリン
売春で生計を立てるイェンタウンのマドンナと呼ばれ
少女を引き取ったグリコ
グリコの兄でヒョウやリンと墓荒しで小銭を稼ぐフニクラ
グリコ達が暮らすアパートの隣人アーロウ
個性豊かなメンバーが
夢叶え
新たな道を歩き出そうとした時
事態は思わぬ展開を見せる…
映画『スワロウテイル』の企画書であった本作品
岩井俊二が描くテイストに溢れる世界は
グイグイと僕を引き込んでいった
まるで
アゲハやグリコ
ヒョウやリンの息遣いが
歌い笑う声が聞こえてきそうな気がした………
Posted by ブクログ
不法入国者たちが集う街、円都(イェンタウン)。
そこに住む人々の営みの中で起こる事故と事件が混ざり合う。希望と絶望が交錯する物語だった。
世界観はすごくおもしろい。荒廃した街が頭の中で想像できるし、どこか某漫画の世紀末感を思い浮かべずにはいられなかった(笑)
個人的には登場人物への考察に苦労した。もう少し詳しく人物を描いてくれれば、色々と深入りできたような気がする。
スワロウテイルズというバンドは物語のほんの一部。ほんの一瞬の光だった。
Posted by ブクログ
映画の企画小説を出版化したやつ。汚い社会だからこその人情。底辺階級だからの可愛らしさ、爽やかさ。
映画より小説のほうが好き。
岩井俊二の作品で一番に有名かもしれんけど、あんま好きじゃない。もっと狭い世界を描くほうが向いてる。イェンタウンはちょっと世界観が大きかった気がする。田舎が舞台のストーリーがちょうどよい。
作品としてはテンポが速くていいですね。読み飽きない。ちょうど良い浅さ。大風呂敷を広げて変になったりしていないのがすごい。こじんまり。
アゲハがきっかけになってる。だから登場する。
アゲハが来なければ、ずっとグリコは町はずれの娼婦だったろう。でも、事件に巻き込まれて、家を出なきゃいけなくなって、そのおかげでプロデビューする。でもそのおかげでみんなバラバラになって、切なくなって…。
最終的にみんなサバサバしてんだよね。そこがいいね。スラムの人間は切り替えが早い。
小市民は小さい規模のまま生活していたほうが幸せなんだ。自分の身の丈に合った生活ってのがある。そういう、日本人らしいほんわか作品なんだよな。結局。舞台はイェンタウンというパラレルワールドな日本で、スラムの不法移民たちだし、もっとでかいことやるのかと思いきや、これだもんな。だから好きになれないのかな。
下町ストーリーを異世界でやりましたってことか。
Posted by ブクログ
岩井俊二さんの作品は映像も小説も触れたことなかったので初体験。
不法滞在の外国人たちが暮らす血生臭くアングラな街「イェンタウン」が舞台の作品。
そこで人が死んだり駆け引きが生まれたりする。そこに明るい希望は見えづらい。
なのにそこに雨の日の空気みたいに靄がかって優しい異国情緒のような「におい」を感じるのはなぜだろうか。
映画版の劇中歌「スワロウテイル・バタフライ」のイメージのせいなのかしら。
(2016.9.22)
Posted by ブクログ
展開はスリリングなのだけれども、岩井俊二の文体がそれに追いついていないのが残念。語り手であるアゲハが、なぜか彼女のまったく知り得ないシーンも語り手になっていたりして、違和感がものすごい。
これが三人称で書かれていたら、大きく違った印象の小説になっていたと思うのでもったいない。
Posted by ブクログ
映画が好きで手にとった原作。映画に比べると内容が薄いかな。でもあとがきにあるようにこれはもともと企画書のつもりで書いたものだとしたら、企画書には似合わないくらい豪華。
Posted by ブクログ
円を掘りに来る街。それがイェンタウン。
日本人はこの呼び名を嫌い、自分たちの街をそう呼ぶ移民たちを逆にイェンタウンと呼んだ。
ヒョウとリンとフニクラは墓荒らしで小金を稼ぎ、フニクラの妹、グリコは売春で生計を立てる。
ある日、飲み屋街のあるお店に、母親に置き去りにされた12歳の女の子。
国籍も名前も行き場所もないその少女をグリコは引き取ることになり、アゲハと名付ける。
アゲハは、ヒョウやリン、フニクラに可愛がられ、家族同然の平和な生活を送っていたのだが、ある日、グリコの売春相手であった客のひとりがアゲハを襲い、隣の住人であるアーロウがその客を殺してしまう。
アーロウの死体を始末しようとした時、おなかの中から不可解なテープが飛び出し、そこから多くの事件に巻き込まれることになる。
いくつかの予想しない展開があり、読んでいて楽しかった。
だけど、お墓を掘り起こして死体を埋め隠す場面や、巻き込まれた事件での闘いの場面は、あまり綺麗じゃなかった。
Posted by ブクログ
円を掘りに来る街、イェンタウン。日本人はここに住む移民たちをイェンタウンと呼んだ。ヒョウとリンとフニクラは墓荒らしで小金を稼ぎ、グリコは売春で生計を立て、身寄りのないアゲハを引き取った。ある日、客のひとりがアゲハを襲い、隣人のアーロウが客を殺してしまう。すると腹の中からテープが飛び出し、代議士のウラ帳簿が見つかる。飽和状態のイェンタウンで、欲望と希望が渦巻いていった。
キャラクターがみんな個性的で、狂った街の中で必死に生きている姿に心打たれる。特に、ヒョウは圧倒的にかっこいい。フニクラは名前通りふにふにした性格で、なんだか憎めないのだけど、最後に死んでしまったのがかわいそうだった。この物語の中では死というものがとても身近にあって、人が簡単に死んでしまう。そして残された人はそれを結構あっさり受け入れる。
全体を通して見るとどこか淡々とした空気が流れている。それは裏社会の乾いた空気のせいか主役のアゲハの冷めた性格のせいかわからないけど、この空気感がこの物語の主要な部分を果たしている。主役であるはずのアゲハはあまり重要な役ではなかったけど。
それにしても、岩井俊二の小説はやはり映像的である。読んでいるときれいな映像が浮かんでくる気がする。
Posted by ブクログ
あたしは自分の誕生日も知らない。国籍もない。そして名前もなかった。
◆
リンの正体にちょっとびっくり。
グリコが写真を飲み込もうとしたシーンがなんとなく印象に残ってる。
何もかも上手くいくと思ってたのに。
映画も見てみたい。
Posted by ブクログ
読み終わった
蒼井優出演の「花とアリス」を見て、監督、脚本、果ては音楽まで自分で手がける多才な人間として興味を持った岩井俊二。この本は自分にはあまり響かなかった。
Posted by ブクログ
描かれていることは、現実味を帯びていないのだけれども、その非現実を現実だと錯覚してしまう。
村上龍の世界観と似ていて、カタルシスっていうのかな?そういう要素を併せ持つ作品。
とても悲しく、妙に心が癒される。