岩井俊二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ブグ友まことさんの熱いレビューに魅せられて、いつか読もうリストに入れておいた一冊。
あれからずいぶんと時間が経ちました。
言わずと知れた映画監督岩井俊二さんの著作。
【彼女(モデル)たちは例外なく死に至る
”死神”の異名を持つ謎の絵師ナユタ。
その作品の裏側にある禁断の世界とは?
岩井俊二が描く、生と死の輪郭線。
渾身の書き下ろし絵画ミステリー。】
おもしろかったです。
本業が映画監督さんのせいか、とても簡素な文章で読みやすく、テンポも速くてさくさく進みます。
帯には怖そうなことが書いてありますがホラー感は弱め。
怖いのが苦手な方にもいいでしょう。
絵画というか、ミステリアスな絵描きを巡り、不思議な縁に操られる人間たちの物語。
恋愛要素もあり。
おもしろく読めたのですが、あえて難を言えば、少し都合が良すぎるかな、と。まあフィクションだから仕方ないか。
あと、テンポよく進むのはいいけど、次々と人が出てくるので後で「この人誰だっけ」ってなることもあった。人物を名前だけで進めずに、教師の○○とか、○○の母親のとか、誰かわかるヒントを付けてくれればなお良かったのにと思った。まあ、このへんは映像化すれば解消できるのかも知れない。
詳しくはまことさんのレビューをどうぞ^^
なんだろう。
読んでいる間、岩井俊二監督の映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」を観たときのことを思い出してた。
自分の中の「一日中映画を映画館で観ようキャンペーン」(?)で4,5本観た内の1本で、時間がちょうど良かったから選んだだけだったが、たまたま最終日だったらしく、綾野剛人気もあったのか、小さな映画館はほぼ満員で、しかも9割は女性という、なんだか落ち着かない気分の鑑賞だった(笑)
あれも死の香りが漂うような若者たちの話だったな~。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画見てから読んだ。映画の脚本と違う部分も少しだけあったけど...どちらにせよ救われる要素が増えるわけではない。それぞれ映画で表現する意味・書籍で表現する意味を追求した結果生まれた違いなのかな...?と思ったり。
文体について、電車男みたいにネット掲示板の形式をとっている。
前半部分では、生産性があるとは言い難いネット掲示板の会話が描かれていて、
時代感・年齢感などを通して、ひとつの音楽を取り巻くファン達の存在がリアルに感じられた。
後半部分は、主人公の掲示板での独白でストーリーが進んでいく(弁明?解説?のような感じ)。
蓮見くんは、こんな子だったんだ、いろんなことを考えていたんだ、と、口を聞かない息子の携帯を勝手に見てしまった気持ち?(子供いたことないけど)これは先に映画を見たからだと思う。蓮見くんを演じている市川隼人さん可愛すぎだったから...
一つ一つは掲示板への書き込みだけど、全体的には日記のようなエッセイのようなその文章から、状況や陰鬱な感情が直に伝わってくる。
読みながら、映画で見た、鬱屈な空気に満ちた映像達を思い出し、蓮見くんの感情の答え合わせをするんだけど、全部そんな単純なものではないので正解とかはなかった。
映画版では、画面の向こう側として学生達はそこにいるだけでとっても美しいし、カットや田園風景の良さで雰囲気にやられてたけど、
書籍版では文字しかないのでそんなこと言ってられず、より残酷な事実だけが伝わってきた感じがした。あとリリィシュシュに対する蓮見くんの気持ちもよくわかった。
そんな感じの書籍版、リリィシュシュの音楽を聴きながら読むことで、リリィを愛するこの話の登場人物と同じ体験をしていると自覚できて、とても楽しい(奇妙な?)読書体験だった。
リリィシュシュの音楽は美しいのだけど下手したら自殺したくなるくらいの力があるってなんかとってもわかるな。とても良い曲なんだけど軽率に聴けない。引き摺り込まれすぎちゃうから。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本作こそがある意味で原作であり、もう一つの軌跡。少し大人になった典道のあの夏の日の回想。僕らはまだ子供だった。自分の気持ちの説明もできず、理性も芽生えていない。うまく表現できない感情を持ったまま、言葉を放つ。友達とは変なノリの連続で、急に叫び出す。そんな中、なずなとの出会いは永遠の記憶となった。なずなも同じ。「不思議な玉」を見れば思い出す。だから渡した。典道に覚えていてほしくて。そして典道との「かけおち」がなくなるなんてもったいないから。だからこそ、定められた運命の中であの日はかけがえのないものになった。
岩井俊二さんのあとがき、典道らがあの頃なにを思っていたのか(特に第十章とか)、映像だけではわからない部分が知れて色々とスッキリした部分もあり、読んで良かったと思う。最後に「なずな」の意味も知り、あぁ……切ないよ。。。
ドラマ版は見てないが、映画版とアニメ版、そしてこの小説版で一つの作品のようだ。 -
Posted by ブクログ
君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?
そんなことあるかな…と思う気持ちと作家さんならあり得るかもという気持ち
内容的には哀しいお話でもあるけど、さらっと描かれていて重くない。それは、乙坂さんの目線で描かれている事だからかも知れない
時間は戻らないからこそ、過去の出来事やもうこの世にいない存在の神格化
死へ向かう者の話では無くて、死んだ人から始まるストーリー
思い出話って美しいよね
映画を見てからの本でしたが、福山雅治さんが、マチネの終わりにの時とかぶった笑
映画の方も、広瀬すずちゃん、森七菜さん、神木隆之介くんと透明感のあるキャスト揃いで、松たか子さんも好きだからよかったー
裕里の旦那(庵野さん)の存在は本の方がわかりやすく描かれて映画ではマイルドな表現だった気がする。
初めての監督+原作者さんだったけど、こういう場合って本より脚本が先なのかな?ノベライズって扱いなのか、本が先なのか?気になるところではあります。
また、この監督の他の作品も観てみようかなと思いました。脇役だったけど、中山美穂とトヨエツってなんかある時期の安定王道コンビ感ありました笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」はモストフェイバリット。
アニメ映画は惜しいと思った。
「短い小説のための長いあとがき」が読みたくて買ったが、意外と本文も楽しめた。
映画版との違い、というか気になったのは、
・「銀河鉄道の夜」への言及。
・なずなと二段ベッドで、というシチュエーション。(をいをい!)
・なずなの鬼母が結婚式前日にかけおちを考えていたという挿話。(「卒業」未遂。娘による真似。)
・自転車で二人乗り、海岸で貝拾い、大きな真珠玉。(アニメ映画への目くばせ。)
・なずなが転校……肩の荷が下りたような安堵感。(わかるぅ! でも知らなかったからこその抒情だったと思うので、この改変は大きい。)
・花火大会以後険悪になり、高2で純一から聞いた、少年たちの灯台行き。稔の火傷。(下へつながる。)
・例のプールシーン。大泣きする感受性が失われて大人になるのだとしたら、あの夏はそのはじまりだった。(子供目線そのままではなく、その後も緩やかに含んでいる描写。)
・「願い事言ったら、叶うかなと思ったけど、もったいないから使わなかったよ」(アニメ映画への目くばせだが、もはや奥菜恵の声で脳内再生されるので、この一言の追加は嬉しい。)