岩井俊二のレビュー一覧
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ネタバレ本作こそがある意味で原作であり、もう一つの軌跡。少し大人になった典道のあの夏の日の回想。僕らはまだ子供だった。自分の気持ちの説明もできず、理性も芽生えていない。うまく表現できない感情を持ったまま、言葉を放つ。友達とは変なノリの連続で、急に叫び出す。そんな中、なずなとの出会いは永遠の記憶となった。なずなも同じ。「不思議な玉」を見れば思い出す。だから渡した。典道に覚えていてほしくて。そして典道との「かけおち」がなくなるなんてもったいないから。だからこそ、定められた運命の中であの日はかけがえのないものになった。
岩井俊二さんのあとがき、典道らがあの頃なにを思っていたのか(特に第十章とか)、映像だけ -
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君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?
そんなことあるかな…と思う気持ちと作家さんならあり得るかもという気持ち
内容的には哀しいお話でもあるけど、さらっと描かれていて重くない。それは、乙坂さんの目線で描かれている事だからかも知れない
時間は戻らないからこそ、過去の出来事やもうこの世にいない存在の神格化
死へ向かう者の話では無くて、死んだ人から始まるストーリー
思い出話って美しいよね
映画を見てからの本でしたが、福山雅治さんが、マチネの終わりにの時とかぶった笑
映画の方も、広瀬すずちゃん、森七菜さん、神木隆之介くんと透明感のあるキャスト揃いで、松たか子さんも好きだからよかったー -
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ネタバレ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」はモストフェイバリット。
アニメ映画は惜しいと思った。
「短い小説のための長いあとがき」が読みたくて買ったが、意外と本文も楽しめた。
映画版との違い、というか気になったのは、
・「銀河鉄道の夜」への言及。
・なずなと二段ベッドで、というシチュエーション。(をいをい!)
・なずなの鬼母が結婚式前日にかけおちを考えていたという挿話。(「卒業」未遂。娘による真似。)
・自転車で二人乗り、海岸で貝拾い、大きな真珠玉。(アニメ映画への目くばせ。)
・なずなが転校……肩の荷が下りたような安堵感。(わかるぅ! でも知らなかったからこその抒情だったと思うので、この -
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ネタバレ映画化された作品という事しか知らず
人が亡くなる、遺されるという作品を好まない為
手に取らなかった作品
小説家 乙坂鏡史郎の長年の想い人である岸辺野未咲が亡くなる
未咲の遺書の中から同窓会の知らせが見つかる
未咲の妹 裕里は姉の死を伝える為に同窓会に出席するが周りから未咲と間違えられたまま会は進み、鏡史郎と再開する
物語の始まり、設定の描かれる序盤は
鏡史郎サイド、裕里サイドとほぼ同じことが書かれており深みはない
同窓会以降、裕里からの一方的な文通が始まる
鏡史郎は裕里が未咲を装っていることは気づいているが、なぜ装っているのかが分からず
書いた返事は未咲と裕里の娘たちの元へ届いてしまう