岩井俊二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ円を掘りに来る街。それがイェンタウン。
日本人はこの呼び名を嫌い、自分たちの街をそう呼ぶ移民たちを逆にイェンタウンと呼んだ。
ヒョウとリンとフニクラは墓荒らしで小金を稼ぎ、フニクラの妹、グリコは売春で生計を立てる。
ある日、飲み屋街のあるお店に、母親に置き去りにされた12歳の女の子。
国籍も名前も行き場所もないその少女をグリコは引き取ることになり、アゲハと名付ける。
アゲハは、ヒョウやリン、フニクラに可愛がられ、家族同然の平和な生活を送っていたのだが、ある日、グリコの売春相手であった客のひとりがアゲハを襲い、隣の住人であるアーロウがその客を殺してしまう。
アーロウの死体を始末しようとした時、おなかの中から不可解なテープが飛び出し、そこから多くの事件に巻き込まれることになる。
いくつかの予想しない展開があり、読んでいて楽しかった。
だけど、お墓を掘り起こして死体を埋め隠す場面や、巻き込まれた事件での闘いの場面は、あまり綺麗じゃなかった。 -
Posted by ブクログ
円を掘りに来る街、イェンタウン。日本人はここに住む移民たちをイェンタウンと呼んだ。ヒョウとリンとフニクラは墓荒らしで小金を稼ぎ、グリコは売春で生計を立て、身寄りのないアゲハを引き取った。ある日、客のひとりがアゲハを襲い、隣人のアーロウが客を殺してしまう。すると腹の中からテープが飛び出し、代議士のウラ帳簿が見つかる。飽和状態のイェンタウンで、欲望と希望が渦巻いていった。
キャラクターがみんな個性的で、狂った街の中で必死に生きている姿に心打たれる。特に、ヒョウは圧倒的にかっこいい。フニクラは名前通りふにふにした性格で、なんだか憎めないのだけど、最後に死んでしまったのがかわいそうだった。この物語の中では死というものがとても身近にあって、人が簡単に死んでしまう。そして残された人はそれを結構あっさり受け入れる。
全体を通して見るとどこか淡々とした空気が流れている。それは裏社会の乾いた空気のせいか主役のアゲハの冷めた性格のせいかわからないけど、この空気感がこの物語の主要な部分を果たしている。主役であるはずのアゲハはあまり重要な役ではなかったけど。
それにしても、岩井俊二の小説はやはり映像的である。読んでいるときれいな映像が浮かんでくる気がする。