香山リカのレビュー一覧
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ハイペースで本を出している筆者らしく、粗製乱造の感は否めず、あまりまとまりが良い本とはいえない。若年層の賃金が低下して雇用が不安化しているなかで、「結婚したくてもできない」という声が聞かれたり、「家族」の絆を見直そうとする傾向が見られることに対する視点もなんだかヘンだ。驚いたことに、保守系の政治家の発言やイギリスのサッチャリズムを例にあげ、こういった傾向は「家族の面倒は家族でみろ」といわんばかりの社会保障費削減につながるものとしているのだ。言いたいことは分からなくもないが主張があまりにも一面的なような気がする。ここに、筆者が結婚していないことの限界を見てしまうのはうがち過ぎだろうか?
私に -
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ネタバレ最近、うつ病って良く聞くようになったと思います。私の職場にもそう診断された方がいらっしゃいます。
正直、どういうふうに接したらいいのかわからなくて、ちょっと参考になるかな・・と手に取りました。
著者はテレビでもおなじみの方。歯切れ良い文章はとっても読みやすかったです。
本の趣旨としては、うつ病といいつつ仕事を休んで海外旅行へいってしまうような人は、果たしてうつなのか?というようなところなのですが・・それに関しては専門家でも判断が難しいようです。
著者はうつ病と診断されて喜ぶようならうつ病ではないのでは?といわれていますが、それも確たる基準でもなさそう・・。
うつ病の人との接し方について -
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氏の精神科医としての経験から発せられる言葉には社会の常識にとらわれない、自ら考えだしたものを感じていた。一度、著書を読んでみようと思っていたが、やっと「これなら」と思えるものが見つかった。
バンクーバーオリンピックの聖火台が失敗したことに対する総合プロデューサーのコメントのエピソードが印象的。ゼロ・トレランスと似た考え方を導入しているのが会社。失敗を運のせいにしてしまうのは、なかなかいい考えだと思った。
著者が高校生の頃は、自然の中で独りきりでできる仕事、山奥の天文台や気象台や船の上で、空や天候を観察する仕事をしたいと思っていたとのこと。今までずっと気になっていたのは、物の見方に同じものを -
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香山さんはタイトルをつけるのがうまいですね。いや、タイトルは出版社がつけてるのかな。思わず手に取りたくなるようなタイトルでした。
内容はうつが蔓延した社会について批評をしているもの。エッセイみたいにサラッと読めます。普通だったけどそれなりに面白かったかな。
鬱をアイデンティティにしたがるタイプの人には違和感を覚えていたので、そのへんについて言及されていた点については良かったです。
鬱をとりまく日本の社会(会社)の環境は、それこそ鬱ですねw
うちは中小だから自主退職かな・・・私の入社と入れ替わりでメンタル系の病で休職した人が居たんですが、二週間休みが一ヶ月休みに、一ヶ月が三ヶ月に、半年に、 -
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とにかく日本は、日本人は劣化したんだよと言うことが延々と述べられている本。
そろそろ香山さんも飽きてきたかなw
劣化って言うとなんだか悲しい・・・。
何をもって劣化とするのか、それは香山さんの感覚だけ。反論はいくらでも挙げられる。
例えば、若者の「生きる力」の劣化。すぐに死にたいとか言うのは、何も今始まったことではなく、明治時代だったか、大正時代だったか、ちょくちょく若者の間で自殺が流行った時期がありました。そんな簡単なこと(当人にとってはきっと重要なこと)で死んでしまうん?!ってレベルで。当時も問題になったりしてました。
めんどくさくて具体的なソースが挙げられないので、説得力に欠けますが -
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新型うつや偽装うつをとりまく問題などを取り上げた本。
うつ病と普通の落ち込んだ状態は外側からは判別がしにくい。そのため、病気である特権を濫用する輩もいるということである。濫用は本当のうつ病の人までも貶めることになる
その意識は「マイナスの状態から這い上がっている状態を認めて欲しい」という承認欲求から発生する。病気である人間を責めることは難しいから、それを特権のように振りかざすことで保護されることになる。
成果が0以下の状態でも、行動に結果が出ないでも、責めずに見守って欲しいという心理が働く。人によっては通常のうつ病の人も十把一絡げ甘えと見えるかもしれない。
希望が見いだしにくい世の中だから -
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最近香山さんの本を何冊か読んでいて、これもその一環で?手に取った本。
でもこれは、率直にあんまり面白くなかったです。何が言いたいのかあまり伝わって来なかったですし、一般論の寄せ集めって感じでした。
ただ、第二章の、「若者の心理の変化」は同意。ここに書かれている若者はまさに自分たちのことで、香山さんよく見てるじゃん!って感じでした。笑
私たちは"嫌消費世代"で、大学生で海外旅行をバンバンする人も少ないし、春休みとかもバイトしまくっている・・・ハイ。その通りでした。
ポストバブル世代から、嫌消費の傾向は続いていて、「自信のなさや劣等感」はむしろ強まっている。ハイ。
この章の話 -
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「私は存在していていい、生きていていいんだ」という確信をいつも問う者として、そこにある「いじめ-いじめられ」関係の根っこは、共依存の関係である。
「意味があるなら生きていてもいい」生きるとは本来そんなものだろうか?では意味のある生とは?改めて生きるとはどういうことだろうか?考えさせられた。…そうやって自分の生の意味を常に確認する必要性にせまられている現代社会はいじめの温情ではないか?いじめは個人の問題ではなく社会潮流の中で咲く病理現象ではないかとさえ思えてくる。蔓延する社会病理の一形態として「いじめ」「ひきこもり」「自殺」問題。これはもはや個人の責任に帰すには大きすぎる数字になりつつある。そし -
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いったいどこまでがスピリチュアルでどこからがそうでないのか。
スピリチュアルカウンセラーなど信用したことはないけれど、たとえば滝周りの清涼感やゴミ屋敷の不浄感は感じ取れる。
そして清涼感の心地よさを求め、身の回りをクリアにした結果、物事によい結果が出る。
これは言う人が言えば「マイナスイオンに導かれた」というある意味スピリチュアルな案件となってしまう。
しかし一方でスピ系自己啓発を読み続けることが目的となっている人もいる。
要は、この本に書かれているスピの効用をうまくコントロールして取り入れるのが賢いやり方なのではないだろうか。
「イワシの頭も信心から」とは、まさにスピリチュアルであることを鑑 -
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現在の母親に関する本かと思いきや、かなりの部分が江戸時代からの日本における母親像、育児方法について語られている本でした。
母性愛、良妻賢母信仰は作られたものであること、それに苦しんできた人が多くいたことはわかった。
けど、実際母性が乏しいと自覚しながらも、子供をそれとなく自分中の母性を感じはじめた自分にとっては頭で理解しても、気持ちはまだ追いつかない感じ。我が子を無条件に愛おしいと思う気持ちも日本社会における刷り込みの結果なのかな?
まあこの本に限らず、母親と子の適切な距離の重要性は良く聞くところ。
一部極端な母性愛信仰に陥らないようにしないとと感じました。 -
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ネタバレ「ぜひ気になる言葉には赤線を引き、テキストのように使ってください。
読み進めていくと、あなたが今一番必要な言葉のみが少しずつ浮き上がってきます。」
この一文を読んでから、気になる言葉を書きのこすようになった。
◆茂木健一郎
First Penguin
◆箭内道彦
僕は商品ごとに、その商品が世の中にどんなハッピーなことをもたらしてくれるかという「思い」を仕事にこめています。
◆築山節
「いつも高い成果を出す」ためには、「夜は12時までには寝る」生活を明日からでも初めてみてください。
◆丹波宇一郎
私はこれまで多くの社員を新人の頃から見てきて、人間の能力には、ほとんど差がないと感じてきました。そ