関川夏央のレビュー一覧

  • 石ころだって役に立つ

    Posted by ブクログ

    2002年刊。月刊誌「本の旅人」、1997年10月号~99年4月号連載のエッセイ、8篇。
    「なぜ私は本を読むのがやめられないのか」「紙とインクのにおい」は、少年期の読書とそれにまつわる思い出。ほかに青年期に見た映画についてのエッセイなど。
    「須賀敦子の風景」は追悼エッセイ。須賀敦子とは親しく付き合った。亡くなる2年前には、小樽への旅に誘った。彼女は最初逡巡したが、行きましょうよと押しまくった。そして何人かの仲間と小樽へ旅行。彼女の死後、関川はなぜ彼女が小樽行きを決めたかを知る。ヒントは、没後に出た『遠い朝の本たち』に書かれていた。
    須賀敦子は関川を「セキカワ!」と呼び捨てにしていた。書くものだ

    0
    2025年10月07日
  • 昭和的

    Posted by ブクログ

    新聞で書評を読んだのがきっかけ。
    昭和の映画、役者、音楽、文学等にまつわるエッセイ。全編にわたって筆者のノスタルジーが読み取れる。

    0
    2025年09月15日
  • 司馬遼太郎の「跫音」

    Posted by ブクログ

    最近、関川夏央の本が新たに発行されることが多い。岩波からは、2025年になって、2月に本書、そして3月に「文庫からはじまる」が出版されている。昨年から今年にかけては、中公文庫から「私説昭和史」と副題のつけられた3冊がシリーズで発行されている。
    関川夏央は、まだ書いているが、1949年の生まれ、今年は76歳になる年であり、若い頃ほど、多くを書いていないはずである。ことしから昨年にかけて新たに発行されたものは、本書を含めて、これまでに発表されているものを編集し直したものである。
    本書は司馬遼太郎についてのものである。本書を読めば、司馬遼太郎がとんでもない知識人であったことが理解できるし、同時に、関

    0
    2025年06月21日
  • 文庫からはじまる 「解説」的読書案内

    Posted by ブクログ

    関川夏央は文庫本の「解説」を数多く書いており、その数200に及ばんとする、と本書に書かれている。本書は、その中から21編が選ばれ掲載され、一冊の本として編集されている。
    紹介されているいくつかの作品は、関川夏央が解説を書いたかどうかとは関係なく読み、そして、読後に関川夏央の解説を読んでいる。そして、その解説は、本文を更に面白く輝かせていたように感じる。
    須賀敦子の「ヴェネツィアの宿」の解説を、関川夏央は「彼女の、意志的なあの靴音」という題名で書いている。関川夏央は、実は朝日新聞の書評委員会で須賀敦子と同席していたこともあり、旧知の間柄であったのだ。須賀敦子が亡くなったのが、1998年の3月、そ

    0
    2025年06月21日
  • 鉄道旅へ行ってきます

    Posted by ブクログ

    東日本大震災もコロナ禍も起こる前の2000年代初め、鉄男2人鉄子1人の旅が企画された。案内人は原氏。2024年に文庫化されるに当たり、当時のお店が無くなったという注が入っていたりして、鉄道離れとコロナ禍が恨めしい。文庫版スペシャル旅(カバー写真も)は、我が故郷の銚子電鉄。自分的保存版なのだが、風呂で読んでいる時に居眠りして水没させてしまい、よれよれになってしまった(涙)

    0
    2025年02月15日
  • 昭和時代回想 私説昭和史3

    Posted by ブクログ

     中公文庫で昨年十一月から毎月刊行されてきた<私説昭和史 三部作>の最終巻。I章からⅢ章までは、自身の青春時代を、執筆当時四十代後半だった著者が振り返るようなエッセイが並ぶ。筆致は、先の二冊に比べると、だいぶ軽い。Ⅳ章は、第一巻、第二巻で展開されてきた、過去や同時代の作家が描いた昭和について言及するエッセイがまとめられており、最後は、著者がかつて通った上智大学の近くにある陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地に赴き、二十世紀の終わりに開館した市ヶ谷記念館を訪れ、三島由紀夫と森田必勝の切腹に思いを馳せるところで終わる。田畑あきら子の絵と文章、私も読んでみたい。

    0
    2025年02月04日
  • 昭和時代回想 私説昭和史3

    Posted by ブクログ

    関川夏央『昭和時代回想 私説昭和史 3』中公文庫。

    関川夏央による『私説昭和史』の三部作の第三作。第三作は、関川夏央自身の昭和の思い出と昭和を代表する作家への思い、昭和時代の日本の姿を描いたエッセイ集である。巻末には書き下ろしエッセイを増補。

    関川夏央は自分のひと回り上の年代である。関川夏央ほどではないだろうが、自分自身も十分に昭和時代を経験した年代であり、取り分け昭和という時代に対する思い入れも強い。

    本作で関川夏央が描いているように、昭和の時代には家族で海水浴に行くのは一大イベントであり、電車などとは言わず、汽車と呼んでいた。また、昭和時代の父親というのは尊敬の対象であった。昭和の父

    0
    2025年01月28日
  • 昭和時代回想 私説昭和史3

    Posted by ブクログ

    「私説昭和史」と題され、中公文庫から昨年末以降発行されていた3部作の3作目。
    1作目は、「戦後」を、小説および当時のベストセラーへの書評を交互に繰り返すという手法で描いたもので、文句なしに面白かった。
    2作目は、吉野源三郎と幸田文を中心とした「戦前」の作家・文芸作品、および、戦後の「金曜日の妻たち」「男女七人シリーズ」というテレビドラマへの評論を綴ったもので、扱われている題材そのものに興味を持てず、自分的には今一つ、楽しめるものではなかった。
    3作目の本書は、筆者が色々な雑誌や新聞に書いたエッセイを、テーマに沿って編み直してみたものであり、面白いと感じるエッセイもあれば、やはり興味を持てないも

    0
    2025年01月26日
  • 家族の昭和 私説昭和史2

    Posted by ブクログ

    関川夏央『家族の昭和 私説昭和史 2』中公文庫。

    関川夏央による『私説昭和史』の三部作の第二作。第二作では、向田邦子、吉野源三郎、幸田文、鎌田敏夫といった時代を描く作家の作品に登場する様々な『家族』の変遷から、『昭和』の実像を捕える。巻末に新たに書き下ろした『自著解説』を増補。

    昭和を舞台にした短編小説と昭和のベストセラー評論とが六章ずつ交互に並ぶ十二章で構成されるという面白い造りになっていた第一作の方が面白かった。今月末に刊行予定の第三作はどんな内容になるのだろうか。

    昭和、平成、令和と自分が通過した時代の中で、戦争と高度経済成長の天国と地獄を経験している昭和は質実剛健のイメージがある

    0
    2025年01月15日
  • 砂のように眠る 私説昭和史1

    Posted by ブクログ

     団塊の世代の著者が一九九三年夏、四十三歳のときに出した、「昭和戦後」を振り返る本。自身をモデルとした「平凡なコドモが、変化のはげしい時代相のなかで、どんな知見態度を身につけながら長じたのか」(p340)を短編小説として書きつつ、その合間に昭和をいろどったベストセラーについてのエッセイを挟み込んだ構成になっている。取り上げられた本は無着成恭『山びこ学校』、石坂洋次郎の『青い山脈』その他の著作、安本末子『にあんちゃん』、小田実『何でも見てやろう』、高野悦子『二十歳の原点』、田中角栄『私の履歴書』。上智中退の関川のこの本が新潮文庫に収められた一九九七年時点での文庫解説もこの中公文庫版に収められてい

    0
    2024年12月12日
  • 事件屋稼業(3)

    購入済み

    家族情報ありがたい

    今回、離婚した主人公の奥さんがどういう人なのか、間に文章で解説するページがありました。ちょうどどういう人か気になってたところだったのでありがたいです。いつか登場するときが来るのでしょうか?

    #感動する #深い

    0
    2023年02月22日
  • 事件屋稼業(2)

    購入済み

    味わい深い

    だんだん作品の話のテンポに慣れてきたせいか、最初はやや雑に感じた展開の速さが気にならなくなって、登場人物のセリフの味わい深さが感じられるようになりました。

    #感動する #深い

    0
    2023年02月21日
  • 人間晩年図巻 2008―11年3月11日

    Posted by ブクログ

    新しい三巻を先に読んだが、最初の二巻も読んでみたい。
    一人の人の死を読んで、また次の人の若い頃の時代に戻り、その人が亡くなり、また次というふうに時代が行ったり来たりするのが面白かった。
    大森に文士村があったのは知っていたが、三島由紀夫、石坂洋次郎、池部良、石井好子等もゆかりの人とは知らなかった。

    0
    2023年01月07日
  • 人間晩年図巻 2000―03年

    Posted by ブクログ

    新年早々どうなのかと思ったが、正月こそ、人の生涯とその最期を知り、思いを馳せるのに相応しいような気がしてきた。

    0
    2023年01月02日
  • 「坂の上の雲」と日本人

    Posted by ブクログ

     『坂の上の雲』の副読本に手を出す気持ちで手を出した自分が甘かった。『坂の上〜』をめぐる当時から後世の言説を俯瞰するような内容であり、戦費その他のデータも補完されている。
     若手編集者へのレクチャーをもとにしたせいか「ですます」体になっている。「だ、である」体の引用文が多いのでこれは正解だった。
     『坂の上の雲』を読み通したのはずいぶん前だ。陸戦より海戦の方が面白いので、そちらを先に読んでしまった。これがフィクションなら正岡子規をもう少し生かせておくのだろうとも思った。

    0
    2022年12月17日
  • 「坊っちゃん」の時代 第二部 秋の舞姫

    Posted by ブクログ

    家・国家
    現代よりもずっと重い時代
    事実はどうか分からないけど
    エリスがいきいきと
    描かれてているのが良かった

    円頓寺商店街本のさんぽみち内
    オヨヨ書林にて購入

    0
    2022年10月28日
  • 「坊っちゃん」の時代 第五部 不機嫌亭漱石

    Posted by ブクログ

    濃厚だった
    繰り返し
    何度か読む
    漫画になりそうだ

    円頓寺商店街本のさんぽみち内
    オヨヨ書林にて購入

    0
    2022年10月28日
  • 「坊っちゃん」の時代 第四部 明治流星雨

    Posted by ブクログ

    日本の歴史の中で
    一番曖昧というか無知というか
    そういう時代
    でも一番学ぶべき事の多い時代
    なのかもしれない

    円頓寺商店街本のさんぽみち内
    オヨヨ書林にて購入

    0
    2022年10月27日
  • 「坊っちゃん」の時代 第三部 かの蒼空に

    Posted by ブクログ

    森鴎外の
    個人と家との狭間で
    苦悩する第2部....
    を読んだ後だけに
    石川啄木のクズっぷりが
    キラリと輝く第3部

    円頓寺商店街本のさんぽみち内
    オヨヨ書林にて購入

    0
    2022年10月27日
  • 「坊っちゃん」の時代 第一部

    Posted by ブクログ

    明治時代の偉人達がゴロゴロ
    面白い!というより
    知的満足を味わう感じ
    (面白い所もある)
    谷口ジローさんの描き込みが
    ホントすごい
    このまま文化財になりそう
    内容とは関係ないが
    紙質のせいか読みづらかった
    (ちょっと硬い...)

    円頓寺商店街本のさんぽみち
    オヨヨ書林にて購入

    0
    2022年10月26日