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Posted by ブクログ
漱石の晩年を幻想と共に描写
明治四十三年八月の大病で生死を彷徨う漱石と、明治に活躍する人々を引き合わせ、「坊ちゃん」の時代を総括する。
啄木が、「つね日頃好みて言いし革命の語をつつしみて秋に入れりけり」と詠んだとおり、大逆事件以後、官僚組織は軍部、これも官僚組織だが、と一緒に、御簾の向こう側に隠れて、あんなこともこんなこともやってしまい、日本を秋どころか冬に向かわせてしまう。
この巻では、漱石が「日本は滅びる」と言い、啄木が「日本は駄目だ」と言う。滅びるのも駄目なのも軽躁な国民の所為ではなく、特定の人々では、と思いたいが、今や特定は遍在するかのような気配だ。
いやいや、そうではない。それだからこそ「見よ今日もかの蒼空に飛行機の高く飛べるを」啄木最後の句の通り、未来に希望を持ち、現実を「懐手にして小さく暮らし」ていきたいものだ。勿論、そう言う漱石が博士号を受け取らなかったように、官に寄らず、無用の人が無用の道を貫いたように、猫を懐いて。
傑作の連作、完結。
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