関川夏央のレビュー一覧
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一九五三年、斎藤茂吉と釈迢空という日本短歌界の歌人の死。翌年、中井英夫によって新たな才能が発見される。その時から現代短歌のこころみの歴史がはじまった──。
この本では、1954年に「現代短歌」の始まりを求め、その発祥と経緯を描いている。
それぞれの時代を生き、またその時代を彩った歌人達の歌の数々が、その来歴や時代的背景から論じられている。
ただ「作品」として短歌を読むのとはまた違った、時代の「声」としての短歌の側面を探り、またその時代から歌人達の歌を検証する本書では、個性的な歌人達が多く取り上げられている。
中城ふみ子、寺山修司、村木道彦、穂村弘、齋藤史・・・。
しかし私がもっとも衝撃を受け -
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[ 内容 ]
文学作品は、時代から独立して存在しているわけではない。
その作品が書かれ、受け入れられ、生き残ってきたことには理由がある。
与謝野晶子、夏目漱石、森鴎外などの古典から、谷崎潤一郎、三島由紀夫などの昭和の文豪、現代の村上春樹、宮部みゆきまで、1年1冊、合計100冊の「20世紀の名著」を厳選。
希代の本読み、関川夏央による最強のブックガイド。
[ 目次 ]
みだれ髪―与謝野晶子
クオーレ―E・デ・アミーチス・和田忠彦訳
トニオ・クレーゲル・ヴェニスに死す―トーマス・マン・高橋義孝訳
桜の園・三人姉妹―チェーホフ・神西清訳
吾輩は猫である―夏目漱石
車輪の下―ヘルマン・ヘッセ・高橋健 -
Posted by ブクログ
本屋で関川さんの著書を見ると、鉄道関連ばかりが目につくので、アレ、ホントにテツだったのか、と認識を改めたところ。テツでも文学、歴史系かな。
酒井さんは漫画「鉄子の旅」にもゲストで登場してたので、鉄道好きは知っていた。
けど、旅を先導した明治学院の原教授については、よく知らない。その筋では有名な人なのかと読み進める。
大人3人。ちょっと、目のつけどころが違う旅。3人の会話中心に収録されていて、読後、写真や地図で補い、旅程を愉しむ。
最後に、1人づつの旅が収録されている。関川さんのルポには内田百閒への言及がある。「山田(風太郎)先生は、威張りん坊の百閒が好きであった。」読んで得をしたような気になっ -
Posted by ブクログ
独身男女の参考書
教科書でも問題集でも無い。ビジネス書やHow to本のような実用性はないが、有用ではある。誰に。中年独身者に。そういった人達に興味がある向きに。
初出は1990年代中盤だが、一向解決されない日本の独身問題に、何の解決にもならないが、理解は進む。本が解決してくれることなど無い。参考書なんてましてやだ。
先行者であり、凡百の勤め人やそうでない人よりも、おそらくは経済的に裕福で知己も多い関川夏央にして、こうなのだ(どうなのかは読んで頂く方が良い)。人の生き方にどうこう言わないのが、ポストモダンなのだろうが、僕は自分の子供が大人になる頃に、子供がいないことを望まないの