Posted by ブクログ 2013年12月06日
いわゆる司馬史観に馴染んだ今の時代にあって、
サンケイ掲載時の時代背景を知ることは大変に意義深い。
日露戦を祖国防衛戦争として捉える試みは一見すると
確かに同時代における挑戦に見えるため、
最終的に「坂の上の雲」が評価されたことは感慨深い。
しかし「坂の上の雲」で現実の日本史は終わらないわけで、
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Posted by ブクログ 2013年06月19日
面白い。本編を読んだなら是非これも目を通しておきたいところ。
旅順攻略について、乃木、伊地知の人物、評価について実際はどのようであったのか、そして司馬はなぜこう書いたのか等々、なるほどと思った。
思想が行動を規定する、思想によって見える風景を現実世界に上書きした上で行動するような態度を嫌った、昭和の...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年06月15日
これ超おもしろい。ひさしぶりの興奮読書。坂の上の雲を読みながら考えていたこと、なんとなくふしぎに思っていたことにほんとうにちゃんと答えてくれる感じ。伊地知さんのこと、乃木さんのこと。司馬さんのこと。この角度から坂の上の雲を見れたのはとても得な感じ。「第三軍司令部はたしかに無能です。」とか言い切ったり...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月17日
『坂の上の雲』の副読本に手を出す気持ちで手を出した自分が甘かった。『坂の上〜』をめぐる当時から後世の言説を俯瞰するような内容であり、戦費その他のデータも補完されている。
若手編集者へのレクチャーをもとにしたせいか「ですます」体になっている。「だ、である」体の引用文が多いのでこれは正解だった。
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Posted by ブクログ 2020年01月29日
司馬遼太郎の「坂の上の雲」を様々な視点で評論。
単なる日露戦争(奉天会戦・日本海海戦等)の解説に留まらず、戦争を取り巻く人間社会本質を坂の上の雲というフィルターを通して説いている。
特に、愚将と評されることの多い乃木大将については、司馬遼太郎の評価と一定の距離を保ちつつ持論を展開しているところが面白...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月11日
『坂の上の雲』を題材とした評論
12年くらい前に読んだきりで
児玉源太郎くらいしか(名前的に)覚えておらず
むしろ江川達也『日露戦争物語』が絵的印象
まず「政治と文学の分かれ」の項が面白かった
「政治」からの軽視も確かにそうだし
「文学」でも政治をばかにしているというのは当たっていると思う
日本以外...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年12月13日
NHKでのドラマ化にともなって本編を読み返し、ついでにその周辺も知りたくなり読んでみた。意外だったのはこの小説がサンケイ新聞に連載が始まった1968年あたりはあまり注目されていなかったという事。世相としては安保闘争があったり、左翼的思想がマスコミを支配していた頃だからか、こうした愛国的史観は無視され...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年01月11日
文芸春秋の月刊誌『文學界』に2005年1~10月に連載された『『坂の上の雲』を読む』を書籍化したもの。
『坂の上の雲』については、2009~2011年に3年に亘ってNHKのスペシャルドラマで放映され、強烈な印象を残したことも記憶に新しい。
本書で著者は、この作品が1968~1972年に(産経新聞の連...続きを読む