NHKスペシャル取材班の作品一覧
「NHKスペシャル取材班」の「新・ドキュメント太平洋戦争1941ー1944 日記が語る戦争の真実」「新・古代史 グローバルヒストリーで迫る邪馬台国、ヤマト王権」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
『継体天皇』『倭の五王』の新書を読み、同様の別の著者の本を探していたらちょうど本屋の棚にあり、購入。
継体天皇、倭の五王より以前の邪馬台国の場所の話から始まる。
古墳や遺跡の考古学的な発掘調査や副葬品をもって話を進めていくのでより具体性があって面白かった。
一つ驚いたのは、邪馬台国の場所は畿内説と九州説があるのは知っていたが、15世紀の李氏朝鮮の地図で日本がユーラシア大陸に対し九州を北に南を長くして伸びる島国として描かれており、その地理感が大陸側のそれとして古代にも存在していたのでは、とあったこと。
魏志倭人伝の邪馬台国への経路がそのままたどると海の中に到達するだとか、九州を迷いすぎているだとか、遠く近畿地方まで伸ばすと行程は何とかなるが距離や方向に誤記がある前提でないと色々おかしくなるとか議論になっていたのは、この逆さまの地理感のせいなのかと思いたくもなる。(それでも太陽の動く方向は南なので、日本を旅する魏の人間が方向を逆さまに記録すること自体おかしくなるけど)
NHK取材班著なのでどの説に入れ込む、などはなく、確定までは至らないがとても面白かった。
倭の五王に関しても、やはり当時の東アジア情勢が深くヤマト王権の大陸に対する外交戦略や覇権確立に関わっていることや、現在まで残っていた様々な出土品が外交や文化交流の積み重ねの中でもたらされたのだなあと言うのがよく分かる。
弥生人から古墳時代に移る際、なぜかガラッと日本の文化が変わる、と何かで読んだが、この時期の中国の戦乱の情勢不安から、大陸から戦乱を逃れてきた人びとが日本列島へどっと押し寄せてきたのでは?人骨のゲノム解析からもそれが窺える、という推論が本作にもあり、この時代は大陸と日本が、文化だけでなく人びとの移動の面でも密接に関わり合っていたのだなというのも興味深かった。
Posted by ブクログ
一般の人の、日記の抜粋から、戦争の悲劇が身近に、強く伝わってきた。
当時の、軍、政府、皇室、メディアが一体となって、国民を戦争へ駆り立てて行く様子が、生々しく、ゾッとした。
当時の人たちの日記や手紙から、ただ家族と過ごしたい、生きたいという気持ちが、端々にうかがえる。
そこが根底にあり、戦うモチベーションを上げていることがわかり、とてもかなしい気持ちになった。
みんな死にたくないし、愛する人たちとできるだけ長く過ごしたいと強く思っていた。
その気持ちを、戦争は巧みに利用している。
現代はインターネットが普及し、SNSで些細な感情を吐露することも簡単だ。
ゆえに、フェイクやデマ、煽動もとても簡単だ。
今、世界のあちこちで大きな戦争が起きており、とても危険な状況だと感じる。
まずは、自分ができることをやってみようと思う。
まず、思考を止めないこと。
SNSでの投稿を鵜呑みにしない。
その発言をしている人に私は実際に会ったこともなく、性別年齢すらも知らない。
なのに、なぜ信じてしまうのか?
多くの人がいいねし、バズっているから?
プロパガンダが簡単に広められる。SNSの怖さ。
少し前の私は、こんな世界情勢の中、自国も核を持ち、防衛力を上げていかないと危険だと強く信じていた。愛する人たちを守るためには。
でもこの本を読んで、また、夏に広島の原爆記念館を訪れ、その考えが揺らいでいる。
強化した防衛力や核を、人間は正しく使用できるのか?
明らかな負け戦に、なぜ、10代の若者たちに特攻までさせ、原爆を2つも投下されるまで、終わらせることができなかったのか。
この本を読み、責任所在のあいまいさ、戦争の目的、戦争後のビジョン、すべてがはっきりせず、欠けていたと知り、現代の国の政治、会社組織にもあてはまると感じた。
どうしたらいいんだろう。
はっきり言えることは、大好きな人たちと、平和に日常を暮らしたいということ。
戦争は、一般市民には災厄しかないということ。
自分は心から何を望むのか。
問い続けること、声をあげることはとても重要だということ。
Posted by ブクログ
日本古代史を東アジアを中心としたグローバルヒストリーで捉えなおした書籍です。2024年3月に放送された「NHKスペシャル 古代史ミステリー」という番組のために取材した多くの情報を番組内で伝えきれなかったものを一冊にまとめたものです。
東アジアの中国、朝鮮半島の多くの勢力と日本との関係性を新たな視点としており、かつ取材者目線で書かれているため、新鮮かつ興味深く読み切ることができました。
多くの専門家の最新の研究成果も反映されており、自分が受けた教育の中では教えられていないこともたくさんあり、有益な本でした。
前方後円墳は日本にしかないと思っていたが、朝鮮半島南部にも同様の前方後円墳があること。
四世紀まで、日本には馬がいなかったことなど、、、。
歴史を検証するために新しい科学技術が適用され、少しづつ空白の四世紀が見えてきつつある。
「日本」という国が、いつ頃どのようにして成立したかは、物的証拠が乏しくまだまだ研究が続けられるでしょうが、新たな知見が発見されることを心待ちにしたいと感じました。
2026年、23冊目です。
Posted by ブクログ
たくさんの人を看取った、石飛医師が老衰死こそが1番楽な方法なのだとの結論に至ったこと、とても参考になりました。自然の摂理に抗い延命医療を施した人たちが苦しんで旅立っていった姿を見て、比較をした上で語るその言葉は真実味があります。
また、スウェーデンでは死をタブー視せず、患者のが長くないと判断した時、医療従事者が本人やその家族に真実を伝え、直すための医療から安らかな最後を迎えるための医療へシフトするために医療転換の会話がなされているとの事や老人ホームでは、午後3時になると、ワインパーティーが開かれるなど、海外の事例もとても新鮮で参考になりました。死は抗うものではない。受け入れるものだと。
Posted by ブクログ
2022年10月、NHKスペシャルで幕末史に関して2回に渡って放送された番組を書籍にまとめたのが本書である。幕末と言えば、坂本龍馬、西郷隆盛、勝海舟、新撰組、白虎隊など、英雄と悲哀で描かれることが多い。本作は、黒船来航から戊辰戦争の終わりまでのわずか16年間に疾風怒濤のごとく織りなした歴史の数々を国内外の新資料をふんだんに活用して多角的に検証する。特に、従来の日本一国に軸足を置いたナショナル・ヒストリーに終始した歴史観に対して、世界列強が地球規模で進出したグローバルヒストリーの視点で新しい幕末史を描き出した点は特質すべきである。時事刻々と迫られる外国からの開国という圧力。尊皇攘夷に対する国内の対立は深まり、一方で欧米列強の草刈場として搾取され、大量の武器を購入して対立に備える。おりしも、クリミア戦争やアメリカ南北戦争などによる世界の武器の改良は、日本の内戦にも持ち込まれる。アームストロング砲やガトリング砲などの大量破壊兵器や命中力の高い銃による闘いは、従来の刀による日本古来の近接、白兵肉薄戦といった戦い方を大きく変える。日本国内は内戦によって疲弊し、欧米列強は武器や戦艦の輸出などによる自国の国益と北海道などの植民地化にのみ終始していたと検証する。現代まで続くウクライナ戦争など、イギリスの歴史家E・H・カーが「歴史とは、現代と過去との間の対話である」と指摘している通り、あらためて「すべての歴史は、現代史である」と言うことを学んだ。